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江戸から令和へ続く隅田川花火大会、個のネット時代だからこそテレ東は中継を止めない

 「くらがりの 天地にひゞく 花火哉」――日本を代表する俳人・正岡子規による名句だ。日本の夏といえば花火大会。そのルーツは、江戸時代の両国川開きの花火から200年以上に渡って続く隅田川花火大会にある。今年もあす27日開催、恒例のテレビ東京の生中継も予定されている。いまやネット動画でいつでもどこでも花火の映像が見られる時代だが、テレ東がいまだに多大なる労力をかけて隅田川の花火中継を続ける理由とは? テレビ東京制作局・隅田川花火大会中継プロデューサーの小高亮氏と、同アシスタントプロデューサーの水野亮太氏に話を聞いた。

江戸時代からスカイツリーが建つまで、290年変化してきた“街との共演”も見どころ

 歴史に記録されている最古の花火大会は、江戸時代の享保18年(1733年)に始まった「両国の川開き」。大飢餓や疫病により多くの犠牲者が出ていたことから慰霊と悪病退散を祈り行われたもので、隅田川花火大会はこれがルーツとなっている。

 「昭和36年以来(東京五輪前)、道路混雑などによる危険が要因でしばらく中止されていました。ですが昭和53年に隅田川花火大会を復活しようという話が。この復活に密に関わらせていただいたのがテレビ東京。運営のサポートとともに中継もスタート。現在に至ります」(水野氏)
 日本最古という伝統もあり、全国の花火師からも“日本一”と評される同大会。だが隅田川は川幅が狭く両岸ギリギリまで家が建っている。さらに都心で行われるゆえに規制も厳しく、4尺玉のような大きなサイズの花火は上げられない。「火薬を詰めるサイズが小さければ小さいほど、色々な工夫を入れ込む余地が狭まってくるので、どれだけ新しい技術を試せるか、花火師さんにとってもチャレンジしがいのある大会だそうです」(水野氏)

 本来、花火大会開催時にはライトアップを消したり、明かりの少ない場所で行うのが一般的であろうが、ぎらぎらした都心の夜景をバックに花火が見られるのも隅田川の醍醐味。15年前から中継担当している水野氏は、スカイツリーが建った年が印象に残っているという。

 「きらめく夜景の中で花火をどう見せるか、夜景と川に映り込む光をどうするか。そんな他の花火大会では考えないようなことを考えて花火を組み立てていらっしゃいますし、日々ビルが建っていく、規制が強くなっていく中で見せ方も変わってくる。そこに新しい夜景のシンボルができたのは大きい。江戸時代からスカイツリーが建つまで…時代によって違う景色で楽しまれているということも面白いですね」

“朝やると決めたら必ずやる”の隅田川ルールによる、6年前のゲリラ豪雨は忘れられない

 準備は、例年3月頃から4ヵ月かけて行われる。毎年意識しているのは、「とにかく視聴者を“飽きさせない”こと」と小高氏。当日は22台ものカメラを使って中継が行われる。「40年間行っている中継で、カメラ位置は毎年調整。サイズ・色・画角などその洗練された撮影技術は花火師の方々に日本一と言っていただいています」(水野氏)

 常に新たな中継ポイントを模索し、現場下見は10回ほど行う。最近では、花火を上げる台船に上向きのカメラを設置し、上がっていく花火を間近でとらえる斬新な画角を生み出した。

 「演出上、最も大切にしているのは“花火が主役”であること。リポートやインタビューで飽きさせない工夫をしつつも、“人でなく花火を撮る”というのは、テレ東イズムとして受け継がれていますね。昔、街中でのインタビューで、どうしてもバックに花火が映せない角度で撮ったことがあって。当時のプロデューサーにだいぶテンパった感じで「撮り直せ!」と怒鳴られたことがあります。生なのに(笑)」(小高氏)

 忘れられないハプニングといえば、6年前のゲリラ豪雨だと小高氏と水野氏は口を揃える。隅田川花火大会の開催決定は当日の朝で、朝やると決めたら必ず実行する。雨雲レーダーの動きは怪しかったものの、午後7時すぎ、朝の決定通り花火が夜空を彩り始めた。しかし開始30分後、突然の“どしゃ降り”により大会は初の中止となった。

 「カンペも水性ペンで書いていたため、全て雨で消えてしまい、てんやわんや。現場では、スタッフは皆ハプニングならではのハイテンション状態でした(笑)。それまで中止という事態には遭ったことがなかったため、過去の花火映像をまとめた予備VTRを用意していてそれを放送しましたが、チェックもしておらず、尺も短く、正直力を入れていませんでした。この件があって以来かなり力を入れ、いいものを作っているんですよ。」(水野氏)
「幸いにして、それから流れたことないですけどね。今年も流れないことを祈ります。もったいないくらい良い映像なんですけどね(笑)」(小高氏)

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