(更新:)
オリコンニュース
動物写真家・岩合光昭語る、コロナ禍にネコが教えてくれた“本当の豊かさ”「自分たちの世界での充足があればいい」
コロナ禍はすでに“日常” 「ネコたちを見て、あるがままに今を生きてほしい」
岩合光昭コロナ禍だから、ということではないと思うんです。現状、コロナはもう日常になってしまっています。一人一人が懸命に生きるしかないんです。自分なりに日常を過ごす中で、この映画のタイトルにもなっている、"あるがままのネコたち”の姿を見て「自分は自分だし、あるがままに、生きていこう」と思っていただけたら。この映画を作って良かったと、あらためて思います。
――コロナ禍を受けて、動物写真家として動物に対する思いに何か変化はありましたか?
岩合光昭まったくありません。動物だけでなくヒトに対しても。僕は科学的なことはよく分かりません。だからできるだけ自然にしていたいと思うんです。「あるがままに」まさにこの一言につきます。ヒトと動物も、動物同士も一緒ではない。動物からしたら、新型コロナよりも冬が来ることの方が重要かもしれない。相手が動物でもヒト同士の関係と変わらないんです。「あなたと私は違うよね」と認めること。動物もヒトも、分からないことばかりです。でもだから、もっと知りたいと思う。それが、僕がネコにカメラを向ける理由でもあります。
――つまり、岩合さんはネコに“恋するように”カメラを向けているのでしょうか。
岩合光昭まさにそうだと思います。振られてばかりですが(笑)。ネコもコロナになると言われて、感染しないように考えてあげるのは良いことですが、意識し過ぎてしまうと、ネコはもちろん、ヒトも必要以上苦しくなってしまう。ネコだって一匹一匹が違います。そういった“違い”を、この映画を通して感じてもらえたら嬉しいです。
岩合光昭やはり自由なところですね。それと、すごく自分を持ってることかなあ。ヒトや他のネコと一緒にいても、自分は自分だと思っている。ヒトをご主人だなんて、決して思っていない(笑)。
――ネコは人のことを“大きなネコ”ぐらいに思っているんじゃないかという話を聞いたことがあるのですが…
岩合光昭それも少し違うかもしれません(笑)。ネコはイヌと違ってリーダーが必要ないんです。自分のしたいように動くし、思い通りにならない。でも時々こっちに来てくれる。ツンデレという言葉が近いかもしれないけれど、それとはまたちょっと違う感じで、愛が欲しいときは愛が欲しい顔をしているんです。思うままに生きている彼らだからこそ、そのことを僕は尊重したいと思っています。邪魔をしたくない。