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コロナ禍のいま放送することに意味がある、上野樹里「生きることの尊さを伝えたい」

 2019年に放送され、大きな反響を巻き起こしたドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)。同作では、東日本大震災で母を失った悲しみを乗り越え、監察医として遺体に向き合う姿が感動を呼んだ。第2シーズンは、奇しくもコロナの影響下で放送されることになったが、主演を務める上野樹里は、そこに何を感じたのか? 「生きることの尊さを伝えたい」という思いを聞いた。

描かれる朝顔の“それから”、コロナ禍のいまこそ伝えたいこと

 2019年の7月クールで放送され、最高視聴率14.4%(2019年8月19日/関東地区、ビデオリサーチ社調べ※以下同)、全11話の平均視聴率12.6%と、同クール放送のドラマでトップとなった『監察医 朝顔』(フジテレビ系)。上野樹里が演じる法医学者・万木朝顔と、彼女の父でベテラン刑事の万木平(時任三郎)が、それぞれ様々な事件と遺体に向き合い、謎を解き明かす。遺体から見つけ出された“生きた証”が、生きている人の心まで救うハートフルなドラマで、背景にある東日本大震災による悲しみも描かれた。第2シーズン(11月2日スタート)は、月9ドラマ史上初の2クールで送る。

――第2シーズンを迎えた気持ちを教えてください。

上野樹里 まさか第2シーズンがあるとは思ってなかったので、その驚きと、「この先のストーリーはどうなるんだろう?」という疑問の両方で、「わ〜!!」っていう状態です(笑)。プロデューサーの金城(彩香)さんからも「描きたいことがある」と聞き、私も納得してぜひやりたいと思いました。

――どんなことが描かれていくのでしょう?

上野樹里 第1シーズンでは、東日本大震災で母を亡くした朝顔が、法医学者になり、結婚もして母にもなり、成長して悲しみを乗り越えていくという内容でした。第2シーズンでは、そんな朝顔の“それから”が描かれます。

――視聴者に対して、なにか伝えたいことはありますか?

上野樹里 今はコロナの影響で、皆さんもちょっと気分が落ち込んでいるかもしれません。このドラマを通して、生きることの尊さ、大切さが伝えられたらいいなと思っています。

「誰かの生きるエネルギーにつながる作品になれば」

(C)フジテレビ

(C)フジテレビ

――コロナ禍もあり、多かれ少なかれ、誰もが“痛み”を抱えながら生きている時勢だと思いますが、そんな状況のなか、上野さんはどんな気持ちで朝顔を演じていますか。

上野樹里 この時期に『朝顔』を放送するというは、それ自体がなにか意味があるのかもしれない。そう思って演じています。例えば、自粛中にストレス発散がうまくできなくて夫婦仲が悪くなられた方、自分と向き合わざるを得なくなって、自分の嫌なところが見えてきた方もいらっしゃるかもしれません。でも逆に、向き合うことで気持ちがクリーンになっていくこともあるんじゃないかな、と思うんです。

――しっかり向き合えば、つらいことばかりじゃないと気づく。

上野樹里 「こんな今だからこそ、自分はなにができるだろう?」と追究できる気もするんですよね。

――落ち込んでばかりもいられませんからね。

上野樹里 たとえ落ち込んだとしても、着ている服や持ち物、家だって水だって、誰かが作って管理してくれるからこそ、今ここにあるわけじゃないですか。そんな“当たり前”に気づいて「はっ!」とする瞬間があるかもしれない。朝顔もそうですけど、いろんなことに向き合って“会話”すること。朝顔を通して、このドラマが誰かの生きるエネルギーにつながる作品になったらうれしく思います。

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