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『ジャポニカ学習帳』かつては昆虫写真にクレームも…百科事典を模したノートが50年愛されるワケ

教育現場のデジタルデバイス普及でアナログ淘汰が進む…ノートは生き残れるのか

 一方で、テクノロジーの進化とともに教育現場にもデジタルデバイスの普及が進み、大学などでは授業においてもノートPCやタブレット端末が1人1台使用される時代になっている。『ジャポニカ学習帳』は小学生向けのノートだが、小学校教育においても徐々にデジタルの進出が始まろうとしている。現状について小原氏は「タブレットとノート、それぞれの役割分担による使い方が始まってきています」と語る。

「小学校では、デジタルデバイスは使い方からレクチャーしなければならないため、貴重な授業時間を割いてしまうデメリットがあります。また、ノートと比較して、過去の記述の一覧の見やすさや検索性で劣るほか、デバイスを使うために余計な脳を使うことで授業への集中力が途切れることもあります。それに対して、ノートは子どもたちがストレスなく当たり前に使える道具です。一方、デジタルはインタラクティブ性があったり、教科書やノートでは難しい動画のようなビジュアル素材を使える部分で優れています。先生方も試行錯誤中ですが、小学校においてはデジタルとノートは併存していくのではないでしょうか」(小原氏)

 学びの出発点である小学校教育においては、家庭や生活環境を問わず誰もが所有することができ、鉛筆さえあれば使える簡単便利なノートは、小学生にとっての必需品。それはこの先もしばらくは変わらないだろう。そうしたなかショウワノートでは、学校のIT化とともにタブレット端末と共存できるノートの形や役割の研究を進めている。その第1弾として発売されている「水平開きノート」は、手書きのノートをタブレットで撮影して電子黒板で共有するという使い方で、すでに授業で活用されている。

 小学校教育においてノートは、時代の変化によるアナログ淘汰の波に襲われることなく、デジタルデバイスとともに役割や機能が進化を遂げていく、併用ツールとなっているようだ。手で書くことによる脳へのインプットや紙による後世への保存など、アナログツールであるノートの役割は大きい。なにかとデジタル化ばかりが脚光を浴びるなか、「ジャポニカ学習帳」50周年の昆虫表紙シリーズ発売は、大人たちを懐かしがらせることに終わらずに、ノートの役割に改めて光を当てることも期待される。

(文/武井保之)

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