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2度の自殺未遂を乗り越え…YouTuberてんちむ、人生告白本につづった赤裸々な想い「次、本を出すとしたら“遺書”」
「働きたくない…」タバコをふかし語り続ける”語り動画”に反響
「YouTubeは2016年から始めています。これまでもファンの方から質問を募集して回答をする“Q&A動画”をいくつか配信してきたんですけど、批判の方が圧倒的に多かったんですよ。『よくわからない』とか『自分勝手じゃないか』とか。でもここ1年で、状況が変わってきた。同じ切り口の動画を配信すると、『共感した』『視野が広がった』という声をいただけるようになって。“立場が人を変える”じゃないけど、私は言っちゃえば“普通ではない人生”を歩んできた。そういう経験から本を出すことで、もしかしたら“誰かの助けになることができるかも”と思ったんですよね」
冒頭でも述べたように、てんちむはこれまで様々な経歴を歩んできた。子役のカリスマから、てれび戦士としてNHKのスターに。休業期間を経てギャル雑誌でモデルとして活躍、アメブロで1位を獲得するほどの人気ブログも運営していた。再び世間から姿を消し、引きこもってゲーム実況をしていたら再度注目され、Youtuberへと転身し現在にいたる。
しかしこの人生のなかで、てんちむは2度の自殺未遂を経験した。
一度目は、芸能活動を休業していた14歳のとき。“清純派”だった世間のイメージから一転して、見た目も派手に。「なぜこんなに変わってしまったのか」と叩かれ、当時の人間関係や家族関係、様々なことが作用して「感情のコントロールができなくなり、鬱状態に。死ねないのに、2階から飛び降りて死のうとした」とブログでも明かしている。
二度目は、ある映画の主演を務めたときのこと。アダルトビデオと誤解されるほど濡れ場のシーンも多く、裸で撮影に挑まねばならなかった。「仕事がまったくない時期で、自分が選べる立場にはないと思った」「なぜOKしてしまったのか、自分のことがどんどん嫌いになっていった」と著書でも明かしている。
「このまま生きてても、幸せじゃないよなって。死について、考えること何回もありました。でも考えてもしょうがないよなって。自殺未遂を経たからこそ、たどり着いた考えだとは思うけど、結局人は生きていくんで。今を上書きしていくしかないよなって。悩んで辛い思いをするよりは、“これからどう有意義な時間を過ごしていくか”を考えることが大事。今悩みに直面している人も、そんな風に考えてみてほしいなと思います」
天才てれびくん出演の裏で父を亡くし「割り切らないと無理だった」
「てれび戦士をやっていたときって、裏では私、父を亡くしているんですよ。ガンが発覚して、闘病中のときで。プライベートでは、大事な家族を失うかも。だけど仕事場では笑顔を作らなくちゃいけない。そういうのが諦めじゃないですけど、割り切らないともう無理だった。でも、仕事は仕事。テレビの前では与えられたことをしなくちゃいけないわけですし、それをやらなきゃ終わらないので。やるしかないので、やる。天てれ楽しかったですけど、幼いながら、あの時は難しかったですね」
「やるしかないので、やる」。今も、仕事の取捨選択をするときにはこのときの考えが基盤にあるという。
「仕事へのスタンスは、今と昔では少し変わっている部分もありますけどね。昔は、ただ与えられたことをやり切るだけ。でも今は、与えられたことに“結果を出す”。その意識ですべての仕事に挑んでいます。昔よりも責任感やプレッシャー、すごく大きいんですよ。私が倒れちゃったら、共倒れになる会社だってあるし。仕事の幅が広がって、自分の人生は自分だけのものではなくなってる。うまく行かなくて病んだりすることもあるけど、“このプレッシャーから解放されるための解決策は何か”をまずは考えるようになったかな。自分にもまだまだ伸びしろがあるので、成長するためにはどうすればいいかを日々考えて進んでいるつもりです」
「10〜20代がかわいいのは当たり前。大切なのは年を重ねたときに何が残っているか」
「元彼とはいえ、今でも普通につながっている。他者から見た私を言語化してほしくて、著書のコラム執筆を今回お願いしました。私はこれまでも出会いを大切にしてきたほうだと思います。男女の関係ではなくなったとしても、簡単に縁を切ったりはしない。一方でどんなに仲良くなっても“他人は他人”と割り切っている自分もいて。『この人は信用できる』と思い込むのも怖いし、どんなに深い関係でも程よい距離を保っているからこそ、いい関係でいられるんじゃないかなって」
特定の人との距離が近くなりすぎないよう、彼女なりの予防線を張っているようにも感じられた。続けて、てんちむは「でも最後まで信じられるものがあるとしたら、それは家族です」ときっぱり言い切る。
「家庭環境に難ありと思われているかもしれないけど、実は愛情をたっぷり受けて育ちました。父が亡くなったときに、何もできなかった後悔…というわけではないけど、家族はできるだけサポートしてあげたい。親が死んだあとでは、絶対に親孝行はできないので。それに自分のせいで家族を振りまわしてきたという実感もあるんです。この先、弟がやりたいことを見つけたらその手助けをしたいし、母親にも残りの人生を存分に楽しんでもらいたい。それはたぶん、自分がお金と心に余裕ができた今だから思えることなんですけど」
テレビ番組で年収が高級外車7〜8台分と告白していたことについて触れると「稼いでいる実感はある」とてんちむ。さらにこれからは「今より2、3段階レベルアップしたいですね」と仕事への思いを明かす。
「1年前の自分に比べたら、仕事の規模は本当に大きくなっているので、それを毎年更新していって限界まで自分を高めていきたいんです。あと、嫌なことはしないで生きていきたいので、仕事は選べる立場でいたいですね(笑)。内面については、自分が30代40代になったときに何が残っているのかを意識していきたい。10代20代って、かわいくて当たり前じゃないですか。でも人間って衰えるものだし、劣化したとも今後言われるかもしれない。だからこそ、『てんちむみたいな考え方ってあるんだ』と私の内面に対して共感してもらえるように、そういうインプットを与えられる人になりたいと思っています」
『私、息してる?』(竹書房)
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