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ナゾトキ話題の松丸亮吾語る“末っ子論”「DaiGoは道から外れる道もあると示してくれた」

 「子どもの頃、DaiGoとの壮絶な口喧嘩が僕の人格形成に一躍買ったみたいです」――いまや“ナゾトキ”の仕掛け人として、イベント・放送・ゲーム・書籍・教育など幅広い分野で一大ブームを巻き起こしている松丸亮吾は、4兄弟の末っ子として過ごした幼少期をそう振り返る。勉強、運動、ゲーム…幼い頃は兄弟で何をしても負けてばかり。でも人一倍“負けず嫌い”だったという彼が支えられているという家族の存在について率直な気持ちを話してくれた。

兄DaiGoは“道から外れてもやりたいことをやる”を示してくれた人

 松丸は『今夜はナゾトレ』(フジテレビ系)、『おはスタ』(テレビ東京系)でナゾトキのコーナーにレギュラー出演、『この先100年を生き抜く東大式AIナゾトキ』(KADOKAWA)など新刊も続々発表している。この“ナゾトキ”に興味を持ち始めたのは、実はメンタリストの兄DaiGoが絡んでいるという。

 末っ子で何をしても兄たちに勝てなかったという松丸。日々悔しい思いをしていたが、ある日自分のとある才能に気づく。家族6人で食事をしながら見ていたバラエティ番組『脳内エステIQサプリ』(フジテレビ系)で、家族の誰よりも早く問題を解くことができていたのだ。“ナゾトキ”に興味を持った松丸少年は図書館で“ナゾトキ”関連の本を次々と読破。ついに解く問題がなくなり、自分で問題まで作るようになった。小学4年生のときだった。

「ナゾトキは、知識勝負のクイズとは違い、完全に“ひらめき勝負”。知識量の少ない子どもでも、平等な環境で勝負できる。“考える力”も身につくんです。今まで何をやっても勝てなかった兄たちに、ナゾトキでは勝つことができた。これはイケるなと思いましたね」

 「常に兄に対する劣等感や反骨精神がありました」と松丸。ちょうど松丸少年が中学生の頃、DaiGoがテレビに出演をし始め、空前のメンタリズムブームが起こる。学校の友人からは「スプーン曲げてよ」「弟は人の心が読めないのかよ」と心ない言葉を浴びせられた。悔しくてグレそうになった。だがDaiGoに負けたくない思いでDaiGoが合格できなかった東京大学へも進学した。

 「そもそもDaiGoと僕は真反対の人間。例えば“ナゾトキ”は作っている人だけが分かればいいというものではなく、スッキリ解けるか、そのためのヒントがしっかりあるかが大事。そうすると必ず他者の目線が必要で、絶対に僕一人では作れないんです。一方でDaiGoは自分のいいたいことをズバッという芸風。我が道を行く人で、一人でもやっていけるタイプ。DaiGoは長男ということもあって、兄弟のなかで先陣を切って“道から外れる道もあること”を示してくれた人。彼が芯をもって突き進んでくれたことは、弟としてもとてもありがたかった」と語る。

 今も書籍の売上などについて「俺の方が上だ」と叱咤激励するなど“愛のあるマウント”をしてくるという。「それで満足するなよ、という兄心なのかなと思っていますけどね。まだまだ上がいるぞって、自分をもって示してくれる。そうすると燃えるし、いつかDaiGoをギャフンと言わせたらもっとおもしろいなって。メンタリストでもあるDaiGoもおそらくそれを狙って誘導している。僕にとって常に見据えておかなければならない人です」

亡き母の偉大さ。母親が松丸亮吾に与えた効果的な“勉強法”

 松丸にとってもう一人、大きな存在が亡くなった母親だ。

「母親が僕に合った勉強法として“弱点スクラップノート”を作ってくれていたんです。僕が今までの試験や参考書で間違えた問題だけをすべて集め、一冊のノートに。そんなノートを見たら、子どもはギョっとしてしまいますよね。でも母は僕に「今まで間違えた問題を解いたら成長になるでしょ」といった。負けず嫌いの僕の性格を熟知した上での、母なりのやり方だったんだと思います。

 一般的にテストでいい点を取らなかったら怒られるというのはよく聞きます。でもそれは勉強の本質ではない。例えば80点だとして、残りの20点が自分が出来なかった問題。それを解けるようになるのが“勉強”だという考えです。つまりいい点を取って大学へ行こうと考えるのではなく、出来なかったことが一つ一つできるようになることが“勉強”。これが僕にとっても楽しい勉強法だったんです」。母が亡くなって初めて、彼は母の偉大さに気づいた。

「4人兄弟全員育てるのもすごいことですし、兄弟の性格に合わせてやり方を変えていた。家にも僕らの名前の入ったトールペイント(木材に絵を描く)が飾られていて、なんでも手作りするのが好きだった。DaiGoもよくいってますね。この世で一番尊敬する人間は母親だし、それを超える人は多分現れないと」

 そして、勉強してできないことができるようになる。自分のレベルを上げていく──。これは、RPGなどのゲームと似た楽しみだ。松丸も「テレビゲームのRPGは大好きでした」と顔をほころばせる。「ゲームというのは、基本的に“何かをやらせる作業”を楽しく、モチベーションを持たせ続けて行う、そのやり方がうまい。子どもからすると夢中になっているだけですが、実は本質的に“勉強”に近いことをやっているんです。また人の情緒や感情、気持ちを知るためには本を読みなさいといわれますが、僕はRPGでも充分だと考えています。例えば小説だったらト書きみたいな部分まで書いていますが、日常生活にト書きはありません。コミュニケーション上、映像作品のほうが有効な場合もあるのです。だから世のお父様お母様方にも、単純に“ゲームはダメ”といわないほうがいいと僕は考えます」

AI時代の今、子どもたちの教育に必要とされているのは“考える力”

 松丸は「AI時代の今、子供たちの教育に必要とされているのは“考える力”だと考えている」と解説する。AI時代に変わっていくにつれ、学習指導要領も変化していく。学校で教えなければいけないことも一気に変わる。だがこれまでの教育は「知識のインプットが大部分を占めていた」と松丸。

「いわゆる詰め込み教育ですよね。この勉強法だと基礎の段階でつまづくと当然、応用問題も解けなくなってしまう。学校の勉強って、この基礎だけで止まってしまうと、考える力がやや不十分になってしまうと僕は思うんです。例えば数学の公式。公式を覚える力と、それを自分で応用して問題を解くのは別の力です。前者が知識のインプットに対して、後者が本当に求められてる考える力。その場に応じて自分の武器を使いこなす、社会でもやることですよね。ただこの基礎でつまづくと、応用をやる権利すら与えられないんです」

 なんとか、この”考える力”にフォーカスした教材を作れないか。その解決策こそ“ナゾトキ”にあるのではないか。松丸はいま、あらたな取り組みとして教育事業にも取り組んでいる。

「勉強のインプットとは別に、ナゾトキの文化をもっと発展させていきたいんです。そうすれば、子どもたちに必要な考える力を身に着ける教育を作れるんじゃないかと。子供向けのいろいろなイベントを開いたり、教育の形を変えるプロジェクトをやっていきたい。教育に対してのナゾトキや脱出ゲームの効果っはだんだん広まりつつある段階なので、日本からこれらを発信できる人として立っていきたい」と松丸。今後、“ナゾトキ”の概念でいかに日本の教育を変えていくか。松丸亮吾の挑戦は続く。

(取材・文/衣輪晋一)
松丸亮吾/『今夜はナゾトレ』(フジテレビ系)『おはスタ』(テレビ東京系)レギュラー出演中
Twitter:@ryogomatsumaru(外部サイト)
http://riddler.co.jp/(外部サイト)

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