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ORICON NEWS
引退後のおひな様がハジけすぎ? “名古屋のおばちゃん”発案の『福よせ雛』で地域活性
ひな人形に住民票を交付? 『福よせ雛』で活気ある町づくり
「私たち『福よせ雛』プロジェクトのおばさんたちの願いは、ご家庭での役目を終えたおひなさんたちに終の棲家をお与えすること。おひなさんを通じて、昨日まで知らなかった他の地域の皆さんが、私たちと一緒になって『福よせ雛』を作り、展示をする。それによって、活気ある町づくりのきっかけになるということを、一つ一つ実証しながら10年間やってきました」
9回目となる今年は、愛知・岐阜・奈良・鳥取・フランスの全25会場で開催されている。プロジェクトの趣旨に賛同した団体や地域、施設が参加。ひな人形自体は、寺院などの施設で人形供養を受け、寄付を了承されたものを譲り受けて『福よせ雛』として生まれ変わるという。なかでも、今年初参加となった鳥取県・日野町では、全国から移住してきたおひな様に対し、特別住民票を発行。吉野さんは、「持ち主の方と日野町を繋げることになって嬉しい」と、『福よせ雛』を通じ、新たな形で地域活性が成されたことに喜びを見せる。
麻雀からヲタ芸まで…ユーモアあふれる姿で「人々に笑顔と福を呼ぶ」
「人々に“笑顔と福を呼ぶ”という役割を与えられた『福よせ雛』。見る人が思わず笑顔になるようなユーモアと愛嬌のある表現で、現役のおひな様時代にはできなかったことにチャレンジしてみたり、各会場でお客様のおもてなしやお手伝いをしています」
個性豊かにアレンジされた『福よせ雛』は、毎年1月から4月にかけて開催。各地の展示を撮影した写真が、InstagramやTwitterなどのSNSに投稿され、さらなる盛り上がりに一役買っている。
「インスタに数多く写真を上げていただいていますし、公式Facebookの写真もたくさん見ていただいています。そのおかげか、意外なところからのお問合せがあったりして、びっくりしていますね」
“名古屋のおばちゃん”の面白さが結実、「やるときゃやったるがね」
「プロジェクト本部の9人は、名古屋のおばちゃんそのもの。大阪のおばちゃんのように派手ではないですが、シャイな中にも面白さ満載です。そんなメンバーなので、毎回独創的なアイディアがわいてくるんですね。やるときゃやったるがね(笑)。また、各地の実行委員会でも、キャーキャー言いながらやっています(笑)。たくさんお客様が来るようになり、『よくできてるね』と言われるととても嬉しいようで、『他の会場に負けないようにやるんだ』と意気込んでいますね」
展示を見た人から寄せられるのは、おおむね「かわいい」「面白い」といった好意的な意見。ただ、なかには「不謹慎ではないか」という意見も寄せられるという。
「持ち主の方の、『手放してしまうけれどもう一度何かに生かしてほしい』という思いを大切にして取り組んでおり、日本人形をオカルト的に扱ったり不気味さを助長するような表現とは違い、見る人が笑顔になるような、楽しさとユーモアと親近感のある表現をしています。ただ、中には意図が伝わらず『ひな人形にふざけた表現をしている』とお感じになる方もいらっしゃいますので、今後はプロジェクトの主旨をご理解いただけるよう、情報発信をしてまいります」