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ディーン・フジオカ、あらゆる世界観に染まる“無味無臭”感 西洋作品に負けない神秘性

 俳優・歌手として活躍しているディーン・フジオカが、フジテレビの開局60周年特別ドラマ『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』に主演する。昨年4月期の『モンテ・クリスト伯−華麗なる復讐−』(同系)に続く西洋名作のリバイバルドラマへの出演で、平成最後の正月(1月6日)を飾るとあり話題に。SNSでも「大好きなレミゼと大好きなディーンが今から楽しみ」など期待を寄せる声が多く上がっていた。端正な顔立ちはもちろん、多岐に渡る活動を通しての独特のアイデンティティーが持ち味。そんな彼を、ディレクターやプロデューサーがこぞって西洋史ものに登用する理由とは?

逆輸入俳優、得体のしれないミステリアスな存在として反響

 ディーン・フジオカは1980年福島県生まれ。両親ともに日本人で、ディーンの名は、米シアトル留学時代、ホストファザー的な存在の人から「アメリカの生活に適用しやすいよう」ともらった名だと過去のインタビューで明かしている。大学卒業後に香港へ旅行したことをきっかけに拠点を香港に。04年、クラブでマイクを持って飛び入りパフォーマンスをしていたところ、現地のファッション誌編集者からモデルとしてスカウトされた、という特異な経歴の持ち主だ。

 06年からは台湾で活動。08年にはインドネシア共和国で音楽活動を開始し、日本統治時代の台湾を描いた映画『セデック・バレ』(11年)などに出演。その後、07年に千葉県市川市で発生した英国人女性殺害事件の犯人の手記を原作とした映画『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』(13年)が公開。この作品では監督と主演、主題歌のすべてをディーンが手がけるという快刀乱麻の活躍を果たした。その後は“逆輸入俳優”として注目を集め、NHK朝ドラ『あさが来た』(16年)でブレイク。五代友厚役以降も存在感のある佇まいが人気を博し、18年にORICON NEWSが発表した『第10回 男性が選ぶ“なりたい顔”ランキング』では4位に名を上げた。

 「ディーンさんの魅力は気品ある容姿以外に、どこか得体の知れないミステリアスな存在感にある」と話すのは、メディア研究家の衣輪晋一氏。「インタビューでも作品については非常に理路整然と話をされるのですが、パーソナルに寄った質問になると想定外の言葉が飛び出してくるんです。常に冷蔵庫に凍った牛肉をストックしているという話は有名ですが、ほかにも各地の“刀剣”などの武器をコレクションしている話とか…。とにかく特定のジャンルや人物像に当てはまらない。インタビュー中も、微笑んでいる瞳から寂しさとも悲しみとも取れない切ない匂いが。喜怒哀楽が読み取れない不思議な空気に包まれます」(衣輪氏)

“ロス”招いた五代役から復讐鬼まで…何にでも染まれる無味無臭感

 映画『I am ICHIHASHI』当時、「香港や台湾時代は俳優として“良い人の役”が多かった」と話していたディーン。TBS系『ダメな私に恋してください』(16年)の黒沢歩役で“五代ロス”に続いて“主任ロス”の言葉が誕生するなど多くの作品に出演した後の18年春、『モンテ・クリスト伯』で復讐鬼を怪演。SNSでは「何をやっても安定。残酷な表情と冷たい目が最高」「『あさが来た』の好青年な演技に注目していたのですが、『モンテ・クリスト伯』で復讐に燃える姿は海外のサスペンスを見ているようで思わず引き込まれました」などの絶賛の声が寄せられており、“良い人”役以外の多くの役柄にもハマることが証明されている。
 そんなディーンが次に挑戦するのが『レ・ミゼラブル』だ。その起用理由を、プロデュースを務める太田大氏は「『モンテ・クリスト伯』で、ヴァンパイア並みに仮面を被った美しき復讐鬼を演じ切って頂いたあとに再びご一緒するならば、正反対の人間臭い“素のまま”の人物を演じていただきたいと思っていました。今回の主人公・馬場純の数奇な運命に翻弄され、葛藤を続ける役柄は、まさにそれに当たると考え、お願いさせていただきました」と説明している。

 これが発表されるとSNSではファンが歓喜し、「ディーン様の雰囲気はヨーロッパ系物語にハマる」などの意見も。これについて前出の衣輪氏は「ディーンさんはこれだけ当たり役があっても、なぜか“無味無臭感”がある。“汎用性”としても言い換えても良いのですが、ディレクターやプロデューサーが彼を西洋ものに起用したくなる理由には、その“器”としての魅力があるのでは」と分析する。

少女漫画の恋愛対象のような現実感のなさ “異国の訳あり王子”的要素も

 「不思議な経歴もそうですが、ディーンさんにはどこか“現実感”がないところがある。例えるなら少女漫画でヒロインが恋する男性。少女漫画では順風満帆な恋ではなく、障害や複雑な事情など、やや“状況や過去が面倒くさい男”が恋する対象になる場合が多く、手が届く距離にいながら、心の動きは手が届かない場所にいることが多い。ディーンさんはそのイメージに合致するほか、『モンテ・クリスト伯』のようにどんなに汚れても“体臭”を感じさせない“どこかから来た異国の訳あり王子”的要素もある。この“貴種流離譚”を地で行くフィクション感が俳優としての“器”を高めており、ゆえに設定が特殊でも違和感を覚えにくいのではないか」(同氏)
 活動が多岐…という意味では福山雅治や斎藤工も同様。「とくに福山は業界で「俳優というよりミュージシャンとして売り出したのが勝利の理由といわれており、ディーンの音楽、ラッパー活動もここに当てはまりそうだ」と衣輪氏。活動の場を俳優に限ってないように見える上に、経歴、私生活ともに国際的で、3児の父で愛妻家であるギャップもミステリアスさを強化している。

 あらゆるジャンルの役を受け入れられる“器”として稀有な存在であるディーン・フジオカ。彼は今後“器”としてどんな日常離れした物語を見せてくれるのか。まずは新年放送の『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』だ。今作は舞台を日本、時代を平成30年間に置き換えている難しさがある。そんな難役をディーンがどう演じるのか、楽しみにしたい。

(文/中野ナガ)

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