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ORICON NEWS
ディーン・フジオカ、あらゆる世界観に染まる“無味無臭”感 西洋作品に負けない神秘性
逆輸入俳優、得体のしれないミステリアスな存在として反響
06年からは台湾で活動。08年にはインドネシア共和国で音楽活動を開始し、日本統治時代の台湾を描いた映画『セデック・バレ』(11年)などに出演。その後、07年に千葉県市川市で発生した英国人女性殺害事件の犯人の手記を原作とした映画『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』(13年)が公開。この作品では監督と主演、主題歌のすべてをディーンが手がけるという快刀乱麻の活躍を果たした。その後は“逆輸入俳優”として注目を集め、NHK朝ドラ『あさが来た』(16年)でブレイク。五代友厚役以降も存在感のある佇まいが人気を博し、18年にORICON NEWSが発表した『第10回 男性が選ぶ“なりたい顔”ランキング』では4位に名を上げた。
「ディーンさんの魅力は気品ある容姿以外に、どこか得体の知れないミステリアスな存在感にある」と話すのは、メディア研究家の衣輪晋一氏。「インタビューでも作品については非常に理路整然と話をされるのですが、パーソナルに寄った質問になると想定外の言葉が飛び出してくるんです。常に冷蔵庫に凍った牛肉をストックしているという話は有名ですが、ほかにも各地の“刀剣”などの武器をコレクションしている話とか…。とにかく特定のジャンルや人物像に当てはまらない。インタビュー中も、微笑んでいる瞳から寂しさとも悲しみとも取れない切ない匂いが。喜怒哀楽が読み取れない不思議な空気に包まれます」(衣輪氏)
“ロス”招いた五代役から復讐鬼まで…何にでも染まれる無味無臭感
これが発表されるとSNSではファンが歓喜し、「ディーン様の雰囲気はヨーロッパ系物語にハマる」などの意見も。これについて前出の衣輪氏は「ディーンさんはこれだけ当たり役があっても、なぜか“無味無臭感”がある。“汎用性”としても言い換えても良いのですが、ディレクターやプロデューサーが彼を西洋ものに起用したくなる理由には、その“器”としての魅力があるのでは」と分析する。
少女漫画の恋愛対象のような現実感のなさ “異国の訳あり王子”的要素も
あらゆるジャンルの役を受け入れられる“器”として稀有な存在であるディーン・フジオカ。彼は今後“器”としてどんな日常離れした物語を見せてくれるのか。まずは新年放送の『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』だ。今作は舞台を日本、時代を平成30年間に置き換えている難しさがある。そんな難役をディーンがどう演じるのか、楽しみにしたい。
(文/中野ナガ)