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「ドッキリ番組」が進化 “一般人に仕掛ける“から“芸能人が芸能人に仕掛ける”へ

 タレントの東野幸治と女優の小池栄子がMCを務めるフジテレビ系バラエティ『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』が10日にスタートし、初回番組平均視聴率10.4%とまずまずの好発進となった。その内容だが、“番組側が考えたドッキリを芸能人に”という従来のものではなく、“芸能人が考えたドッキリを芸能人に仕掛けている”こと。昨今、『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)や『うわっ!ダマされた大賞』(日本テレビ系)もその系譜であり、SNSなどからみる反響も大きい。改めて、ドッキリ番組の変遷とその背景について考える。

仕掛ける相手は一般人。やがて芸能人をはめる流れに

 ドッキリ番組の元祖的存在といえば日本テレビ系『元祖どっきりカメラ』。1969年から同局で放送された番組『なんでもやりまショー』の1コーナーで、1970年にレギュラー化した。仕掛人がターゲットを騙す様子を、人目に付きにくい場所に設置した隠しカメラにて撮影し、ターゲットが驚いたところ「どっきりカメラ NTV」(後期では「元祖」が追加された)と書かれたプラカードを持って登場して丸く収めるというオチだった。

 「この頃はドッキリを一般人に仕掛けるのが普通だった」と話すのはテレビ誌でキー局の番記者を長年担当し、今も新聞や雑誌、Webなどに多くのインタビュー・エンタメ記事を寄せるメディア研究家の衣輪晋一氏。「最後にプラカードを持って仕掛け側が表れるのはドッキリのテンプレに。また『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「100人隊(住宅街を一般人が歩いているところ100人ほどの人がわらわらと現れ、突然「あいつだ!」と指を指し、大挙して追いかけてくるなどするコーナー)」など多くの派生企画を生み、ますます発展していきました」(同氏)

 その後、『スターどっきり(秘)報告』(フジテレビ系)や『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)の「人間性クイズ」など、仕掛ける相手を芸能人にするのが主流に。『スターどっきり〜』では“アイドルの寝起きドッキリ”が人気となり、これまで他番組で幾度となくリスペクト企画が実施。「人間性クイズ」は隠しカメラでドッキリを撮影、たけしや他の出演者はその模様を別室でモニタリングしながら楽しむ企画で、出川哲朗と岡村隆史の「先輩後輩ドッキリ」、「お色気」「家族登場」などから、芸人をはめる定番の流れが出来上がった。

「芸能人が芸能人に仕掛ける」 きっかけは『ロンハー』の成功から

 そして現在、特番で4回のSPが好評を博し、レギュラー化された『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』をはじめ、『うわっ!ダマされた大賞』、そして『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』『最強!爆問ドッキリ祭』『水曜日のダウンタウン』(3つともTBS系)などが放送されている。芸能人がドッキリを考える側に回ったスタイルが多いが、「その人気定着のきっかけとなったのは『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)」と衣輪氏。田村淳の類まれなる“策士”キャラと、テレ朝が誇るプロデューサー・加地倫三氏のタッグによるドッキリは一世を風靡し、出川哲朗のリアクション芸が爆発するきっかけにもなった。

 また2015年放送の『有吉弘行のドッ喜利王』(TBS系)は、自分の出した大喜利の回答が後日、現実となって自分の身に降りかかるという“大喜利”と“ドッキリ”を掛け合わせたスタイル。「時代ゆえ、ドッキリ番組はクレーム等のリスクと隣合わせであり、だからこそドッキリ番組は変化球的な進化をせざるを得なかった」と衣輪氏は分析する。

一歩間違えば警察沙汰にも!? 規制と戦い続けたドッキリ番組

 「まず一般人を対象にしたドッキリ番組が一時期減少した理由ですが、これは人権問題をはじめ、いじめに繋がるというクレームが大量に入ることです。とくに今は局、BPO、番組スポンサーなど、クレームの入れ口が多く、SNSの発展で視聴者自体もメディア化したため、“炎上”の恐れもある。やむを得ず“無難”や“事なかれ主義”を選択せざるを得ず、歯ぎしりする制作陣は多い」(衣輪氏)

 このほかドッキリ番組でいえば、ターゲットが暴力団関係者だった場合、危険なトラブルに発展する恐れもあった。そこから芸能人へ仕掛けるのが主流に。また、もし道端で仕掛けて110番通報されると虚偽申告(軽犯罪法第1条第16項違反)に発展してしまうので、その前にネタばらしする必要にも駆られている。

 最近でも『水曜日のダウンタウン』問題があった。2016年「クロちゃん、どこかに閉じ込められてもTwitterさえあれば助けてもらえる説」では、周辺住民が警察に通報する騒動に、また今年6月「ジョジョの鉄塔システム生活第2弾」では、企画参加者を路上で強引に拉致したところを通行人が目撃、通報が警視庁に多数寄せられため関係者に対し厳重注意がなされた。

 「人を不快にさせる番組は規制されるのも仕方ないが、ドッキリなどは気楽に笑える番組。また例え“やらせ”を感じることがあっても、多大な迷惑をかけるなど“悪質”でなければ“テレビはそんなもの”と昔ながらに笑い飛ばして観るのはどうか」と衣輪氏。日本ではアウトなドッキリを連発する『ジャッカス』が海外で流行ったように、クレームを恐れず番組を送り出すテレビマンが現れるがかどうか、“ドッキリ”コンテンツ相続に関わってくるだろう。

(文/西島亨)

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