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「僕の作家性は“中二病”」福田雄一監督、独自のヒット法則語る

 大ヒットヤンキーギャグ漫画『今日から俺は!!』(小学館)が、福田雄一脚本・演出で10月から実写ドラマ化される。同作は現在30代〜40代男性の青春期に人気を博した作品であり、「今この時代にまさかの実写化!」「あの金髪とウニ頭がどこまで再現できるか楽しみ」など話題を呼んでいる。映画『銀魂』やドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズなど数々のヒットコンテンツを生み出した福田雄一監督に、なぜ今の時代に時代錯誤の“ヤンキー”を題材にするのか直撃。独自のヒットの法則や、映像コンテンツへの想いなど、福田監督の頭の中に迫った。

福田流ヒットの法則「家族の会話が生まれる事」、ヤンキー漫画はファミリーコンテンツ!?

『今日から俺は!!』のメインキャストのビジュアル。橋本環奈、伊藤健太郎、賀来賢人、清野菜名(写真左から)(C)日本テレビ

『今日から俺は!!』のメインキャストのビジュアル。橋本環奈、伊藤健太郎、賀来賢人、清野菜名(写真左から)(C)日本テレビ

――『今日から俺は!』(日テレ系、日曜よる10時30分〜)では、伝説のヤンキー漫画のドラマ化となります。福田さんもおっしゃっていましたが、若い人にとって“ヤンキー”はもはやファンタジーですよね(笑)。なぜ、ヤンキー漫画だったのでしょうか。
福田雄一監督前からヤンキーものはやりたいって言っていたんです。今回は日テレで土・日曜の勝負なので、求められるのは家族で観られるもの。その時にテレビなのか、動画サイトを見るのかという勝負をした時に、いかに“家族全員に興味を持ってもらえるか”が重要だと考えました。

――”ヤンキー”を知らない若い人にとっては面白いし、大人世代にとっては懐かしい。広い年代を狙える作品ではないかと思います。“ヤンキー漫画”がファミリー向けコンテンツ、というのも面白い考えですね。
福田雄一監督今回は1980年という設定でやるので、言葉の端々に「松田聖子の写真集ほしい」みたいな台詞が出てきます。僕らの世代は「うわ、そうだったよね」っていうことじゃないですか。この前、理子ちゃん(清野菜名)の私服衣装シーンを撮影したんですけど、くそダサいんですよ(笑)。でもみんながみんな松田聖子や中森明菜の髪型にしたりしていましたよね? あの時代は。
  • ”金髪ヒキョー者”三橋貴志役の賀来賢人

    ”金髪ヒキョー者”三橋貴志役の賀来賢人

  • 生真面目で義理堅いウニ頭・伊藤真司役の伊藤健太郎

    生真面目で義理堅いウニ頭・伊藤真司役の伊藤健太郎

――そうですね(笑)。
福田雄一監督若い子たちが「なんじゃこりゃ」となって、いかに会話を生み出すかが大事だと思うんです。そこで「お父さんこの服何?」「短ランっていうんだよ。不良は短ラン派、長ラン派があって、裏地に刺しゅうがあって、襟の高さがどれくらい…」という話を子どもたちに相当な熱を持って話すわけですよ(笑)。“会話が生まれる”ことが今ヒットの法則として、僕の中であるんですよね。今はスマホがあるのですぐ調べられる。むしろ“分からない”くらいのものの方がいいんですよね。

――子どもだってバカではないし、分からないものを観ている時って、ちょっと“大人な気分”になったりしましたよね。
福田雄一監督そう。背伸び感があって、逆に食いついてくる。だから『勇者ヨシヒコ』が小学生にウケたのはそういうことだと思うんです。「お父さん、この顔のある岩はなに?」「ばくだんいわ」っていうんだよって(笑)。今回の『今日から俺は!』だと、ターゲットは「ツッパリを懐かしいと思ってもらえるような年代」です。今の若い世代に人気の役者さんをそろえたり、いろいろな面で勝負できる武器を携えて、家族全員で観てもらえるようなものにしよう、という狙いがありますね。

福田監督の“作家性”「僕の根本は“中二病”」

(C)日本テレビ

(C)日本テレビ

――5年前くらいまでは映像の世界ではヤンキーは“かっこいいもの”として描かれていました。今の時代はヤンキーはもはや化石ですし、“ギャグ”の題材としてもってこいじゃないかって。そういう感覚も福田監督にはあったんじゃないでしょうか。
福田雄一監督僕がこの漫画にピンと来たのは、「ツッパリ」というキーワードでした。いわゆるヤンキー、不良という言葉だと、『クローズ』のようなヘビーで格好いい印象になるんです。「ツッパリ」って言うといきなりイメージがドスンって落ちるんですよね(笑)。原作1巻1話の「今日からツッパリ」というワードに引っ張られたというのは正直ありますね。

――“ツッパリ”の漫画は過去にもたくさんありましたね。笑えるヤンキー漫画、という点では『カメレオン』(講談社)なんかはどうですかね。
福田雄一監督なるほど、そうですね。同じ方向性ですもんね(笑)。笑えるという話だと、この前ね、自分で目からウロコが落ちた瞬間があって。賀来賢人君に、「台本を読んで、(伊藤)健太郎君と話していたんですけど、福田さんは間違いなく中二病ですよね」って。僕は割と雑食だと思っていたので、自分の“作家性”って何だろうなと思っていたんだけど、賢人君に中二病って言われた時に、「それだっ!!」って。

――“中二病”は褒め言葉として…ですよね?
福田雄一監督そうそう。僕のことを一言で、的を射た表現だと思って。僕は、笑えるだけだとダメなんですよね。笑えて格好いいものが作りたい、というのは完全に中二病(笑)。
  • 悪の巣窟・開久高校の最強の不良を演じる鈴木伸行(左)、磯村勇斗(右)(C)日本テレビ

    悪の巣窟・開久高校の最強の不良を演じる鈴木伸行(左)、磯村勇斗(右)(C)日本テレビ

――それを自覚したらまた今後に生かせますね(笑)。
福田雄一監督ようやく気付きましたね。自分でも、作品テーマを選ぶ時の基準がどこにあるんだろうって正直分からなかったんです。で、中二病って言われたときに、「なるほどな、中二男子が選ぶテーマをオレは選び続けているんだ」と。

――“中二病”は大人になるにつれて薄れていくもののような気がしますけれど、それが作品に表れているから、若者からオジサンまで楽しめるんでしょうか。
福田雄一監督絶対みんな“中二病”の心は、どんだけオッサンになっても残っているはずなんです。

“福田雄一の時代”の到来と言われるが…創作の源は…「演劇界に認めてもらえないコンプレックス」

――コメディ作品も、いろいろな作家さんがムーブメントを作ってきました。例えば三谷幸喜さん、宮藤官九郎さんが世に出てきて、今は“福田雄一監督の時代”になってきているような気がします。注目されるお立場になられて、ご自分ではどう感じていますか。
福田雄一監督分からないです。まず自覚がない。自分の中では三谷さん宮藤さんの足元にも及んでいないイメージですね。だって、お二方は大河ドラマや朝ドラ書かれているような状況なので。僕はNHKからは一切お話がないですし。自分はまだ“売れていない劇団の座長”っていうイメージ。三谷さん、宮藤さんの劇団は売れているわけですが、実際、僕の劇団売れてないですからね。演劇界にいつまでも認めてもらえない感覚が強くて。だから未だにコンプレックスの塊ですね。

――逆にそれが原動力になっているのではないですか?
福田雄一監督大学生のころから演劇はずっと好きでやっているし、認めてもらいたい気持ちはあるんでしょうけど…。いつまでたっても宮藤さん三谷さんは僕の演目をまったく観に来てくれない(笑)。「福田人気ですね」って言われるようになりましたけれど、僕の劇団100人の小屋が埋まらないんですよ!? 曜日によっては100人しか入らないのにお客さん50人とかですよ(笑)。僕結構Twitterでつぶやいているのに。この前初めて大阪公演やったんですが、半分も埋まらなかったですよ(笑)。だから、僕は“売れている”のを全然認識できないのは仕方ない。まだまだ全然及ばないなあ、っていう思いですね。

日本テレビ系日曜新ドラマ『今日から俺は!!』

10月14日スタート
日曜よる10時30分〜日本テレビ系

原作:西森博之『今日から俺は!!』(小学館「サンデーコミックス」刊)
演出:福田雄一、鈴木勇馬
出演:賀来賢人 伊藤健太郎 清野菜名 橋本環奈 太賀 矢本悠馬 若月佑美乃木坂46
鈴木伸之 磯村勇斗ムロツヨシ佐藤二朗 吉田鋼太郎
オフィシャルサイト:https://www.ntv.co.jp/kyoukaraoreha/

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