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「ガリガリ君より売れたい」赤城乳業のみかん氷菓、自虐プロモと猛暑で売上過去最高に

「ガリガリ君より売れてないのに20周年」「売れてませんがジューシーです」。先ごろ、そんな自虐ワードを散りばめた氷菓『ガツン、とみかん』のプロモーションがSNS上で話題となり、販売元の赤城乳業に反響を問い合わせたところ「実は…過去最高の売上となっています」と驚きの回答を得た。“晴れ舞台”の周年記念としては稀な自虐広告を採用し、戦略が奏功した要因とは何か。担当者に話を聞いた。

売れてないは偽り!? 前年比40%増で絶好調の『ガツン、とみかん』

 今年4月、『ガリガリ君』でおなじみの赤城乳業がみかん味の氷菓にみかん粒を閉じ込めた『ガツン、とみかん』(以下ガツン)の自虐プロモーションを展開すると、SNS上では「ええ、なんでお前さんそんなに弱気なのw」「でも私はガリガリ君よりキミを購入してるよ」「僕は大好きです!少しリッチに行きたい時は必ず買ってます!」など、エールの声が相次いだ。

 そこで、自虐プロモの反響と企画経緯について同社に問い合わせたところ、なんと、7月単月は『ガツン、と みかん(マルチ)』(箱入り5本セット)が前年比40%増、過去最高売上になっているという。

「今年は猛暑の影響もあり、この夏のガツン(マルチタイプ)の売上は過去最高となりました。売れてないというプロモーションは嘘になってしまいますね。ガリガリ君より売れてないのは相変わらずですが…」(赤城乳業マーケティング部・中島一輝さん)

 今夏の記録的な猛暑はアイス・氷菓業界全体に好影響を与えたと思われるが、猛暑需要を差し引いても“前年比40%増”は驚くべき数字だ。自虐プロモと同時に開設されたガツン公式ツイッターのフォロワー数が、数ヶ月で同社公式ツイッターのフォロワー数とほぼ同数になっていることを見ても、このプロモによる話題作りが売上向上に一役買ったことは間違いない。

きっかけは社長の叱咤激励「売れてないから大胆に」

 近年、マイナス要素を逆手にとった自虐プロモーションは珍しくない。昨年を見ても、日清食品が発売当時売れなかった製品を「攻めて迷走。焦って自滅。」「今度こそ売れて欲しい黒歴史トリオ」のコピーで復刻販売。今年閉園となったテーマパーク「スペースワールド」の仕掛けた「なくなるヨ!全員集合」も記憶に新しい。しかしながら、華やかな周年イヤーにおいて同手法を採用するケースは稀ではないだろうか。そんな挑戦を後押ししたのは同社の社長という。

「きっかけは『(ガリガリ君より)売れてないんだから、20周年は大胆にやっていいぞ』という社長からブランド担当への叱咤の一言でした。ブランド担当として受け取ると『売れてない』という評価はショックではありましたが、そんなふうに思われながら20周年を迎えてしまったガツンがなんだかクスッと笑えて、応援したくなる存在だと気がつき、ガツンのありのままの20周年をお客様にお伝えするプロモーションを展開することになりました」(中島さん)
 
 注目はコピーのほかにも。芸人ヒロシを起用したガツン20周年CMには、“売れてない悲哀”がいい具合に漂う。

「(売れていないけど)本当は『ファンには根強い人気がある』というガツンとヒロシさんの共通点が起用の理由です。ヒロシさんからも『ガツンは俺と似たようなアイス』とおっしゃっていただきました」(中島さん)

 20周年マークにもユニークな仕掛けが施されている。ガツンのキャラクター「ガツン君」と「売れてないのに20周年」のコピーで作られたマークは、どこかいびつな黒い図形で縁取られている。目を凝らしてよく見ると、図形は『ガリガリ君』のシルエット。

「社内でもお客様の間でもガリガリ君とガツンは常に比べられる存在でした。同じ「ガ」からはじまる青いパッケージの氷菓。それなのに値段はおよそ倍で、売上はガリガリ君に届いていないのです。ガツンには常に『ガリガリ君を超えなければいけないという使命』があるということをマークとしてデザインしました」(中島さん)

少ないアプローチで印象に残るコピーを 赤城乳業の広告戦略

 赤城乳業の広告と言えば、2016年に『ガリガリ君』が60円から70円に10円値上がりした際の社員総出のお詫びCMも当時、大きな話題となった。広告戦略の巧みさは同社の強みのひとつだ。そのポリシーについて、「当社はあまり大きな会社ではありません。少ないアプローチでもお客様の印象に残るように考え、広告やコピーを作っています」と中島さん。

 看板商品『ガリガリ君』と比較され続け苦節20年。ついに日の目を見たガツンの今後の目標は…

「ガリガリ君より売れるようになりたい…というのが本音ですが、ガツンはまだまだ多くのお店で買うことができません。ガツンを食べたいと望んでくださるお客様のために、お客様の身近なお店でいつでも買うことができるアイスになれるよう、新商品開発やイベント等を通じて、努力を続けていきたいと考えております」

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