(更新:)
ORICON NEWS
「ぺヤング」濃厚味にデカ盛り、健康志向の逆行くワケは? 担当者を直撃
1ヶ月間に濃厚味3商品、警告つきの“2000キロカロリー超”の特盛りも
これらがっつり濃厚インパクト系の“究極形”とも言えるのが、18日に関東で先行発売された『ペヤングソースやきそば 超超超大盛GIGAMAX』だ。パッケージには「2142kcal」とデカデカと書かれており、さらには「1日1食までにして下さい。カロリー摂取基準を上回る恐れがあります」(成人男性の1日のカロリー摂取量の平均は2200kcal程度)との警告まで記載されている。
通常サイズの4倍、439g=4人分のギガ盛りは果たして需要があるのか…。ペヤングの販売元「まるか食品株式会社」本社事務本部製品開発課の小島裕太氏は、「社長の『今までにないインパクトのあるものを作りたい』という思いから誕生しました。439g2142kcalはこれまでにないスペックになっており、インパクト抜群に仕上がったと思います」と語る。どうやら初めから“インパクト重視”で開発されたようで、実際、世のぺヤンガーたちの間では発売前から「ペヤングがガチでやべー商品を発売」「待て待て待て待て待て待て 本気かコレェ!」といった盛り上がりを見せた。
味わいに“制限なし” チャレンジし続けて発売以来約250種類を投入
今年は、ペヤング史上初となる“チーズ味”(『鮭とポテトのチーズ味』)に挑んでいる。「これまでも、辛すぎる“激辛やきそば”だったり、わかめをカップいっぱいに広がるほど使った“わかめMAXやきそば”など色んな挑戦をしてきましたが、チーズ味は初めての試みです。レアな味付けを楽しんでほしいですね」
濃厚シリーズでは、昨年3月に発売した「背油MAXやきそば」の反響が大きく、背脂を極限まで使用したソースは驚くほどギトギトかつ濃厚な味わいだったが、小島氏によると、“ギトギトだけどクセになる”などの声がネットでも見られ、ハマる人が続出したという。
ヘルシー志向の真逆をいく“若者にバズる”商品作り
このような“SNS映え”する過激な商品を出す一方、実は、ヘルシー志向を意識した商品も手掛けている。そのひとつが、春雨を使ったカロリー控えめの『ピーヤング』シリーズだ。「湯切りタイプのカップ春雨は珍しくておもしろい、と好評をいただいています。その一方で、食べた後に“やっぱり、やきそばも食べたい”という声も寄せられています」という。
食のトレンドがヘルシー傾向にあっても、あの芳醇なソースの香りと、程よい油に親しむぺヤンガーたちが求めるのは、やはり『ペヤング』ならではの食べ応えなのだ。ある種の覚悟をもって『ペヤング』を食す彼らにとって濃厚シリーズは歓迎こそすれ、拒むものではない。一見、時流の逆と思われがちな濃厚味は、ファン心理をついた販売戦略といえる。
来年、まるか食品創業90年・ペヤング誕生44年目となるが、「今後もさまざまな味や企画にチャレンジして、お客様を飽きさせない商品展開をしていきたいと思います。ただ『やっぱりペヤングソースやきそばがよい』と、ソースやきそばも変わらず愛され続けていければ幸いです」と語る小島氏。テレビCMでも、ペヤングは1970年代の「よっ! 四角い顔!」、「まろやか〜」から、現在のマツコ・デラックス、サンドウィッチマンまで、常に私たちの生活の中にあった。これからも定番のソースやきそばや新フレーバーペヤングで、私たちの好奇心とお腹を満たしてくれることだろう。