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瀬戸康史、「おはようございます」に込められた思い SNSから伝わる人間力
等身大の瀬戸康史がわかるTwitter 仲間に愛される素顔とリアルタイムのつぶやき
私服や共演者との和気あいあいとしたショットに加え、サッカーワールドカップの日本代表戦では「ガンバレ日本!」、1日がんばって疲れた日には「くたびれた〜」など、距離感の縮まる素のツイートも多い。自身の誕生日には、志尊淳らD-BOYSの仲間に囲まれ笑顔の写真も。城田優や、和田正人など、デビュー当時からの仲間にも変わらず愛されている様子が伺える。
また、美しい風景や空など、瀬戸がそのとき見て、感じたものを共有できる写真も多い。妹の結婚式に参加したことを綴ったツイートでは、「今日は僕の人生で最も忘れられない思い出のひとつになるだろう」という言葉とともに、美しい海の写真を投稿。その後、「両親たちは泣いていたが、僕は照れ臭さからか我慢してしまった。嬉しさと離れていく寂しさみたいなものが交互に何度もおそってきた。願いは幸せに生活してほしい。それだけだ。本当におめでとう」という言葉も。家族思いの瀬戸のやさしさと素直な気持ちが伝わってくる。
自分にできることを精一杯、震災をきっかけに始めたあるひと言
瀬戸がこの「おはようございます」というツイートを始めたきっかけは2011年3月11日に起こった東日本大震災。明日に希望が持てない人が数多くいる中、「今日も頑張ろう」「昨日を乗り越えたんだ」という気持ちを込めてツイートするようになったという。
瀬戸自身、地元の福岡に住んでいた2005年に玄界灘で発生した福岡県西方沖地震を経験。恐怖や、大切な家族、友人と連絡がとれない不安を味わった。2016年4月、熊本での大地震発生後、自身のブログで当時の気持ちをこう語っている。
「ずっと考えているのは、今の自分に何ができるかということ。福岡の地震を経験したことがあるからこそ、できることがあるのではないか。なんと声をかけ、表現者として何を発信すればいいのか。そもそも発信するということが正しいことなのだろうか。正しい、いや違う。いや…。何度も文字を打っては消し、打っては消しのくり返し。しかし、やはり発信することに決めた。福岡での地震のときに助けてくれた、たくさんの人たち。その人たちに、次は自分がなるべきだと思う。つらい環境にいるかもしれないが、今日もちゃんと朝を迎えられた喜びをお互いに感じ、希望のある1日にしたいし、してほしい」(オフィシャルブログ『FAKE』より)
悩みながらも決めた「おはようございます」のひと言。その言葉の持つ意味の大きさに改めて気づかされ、生きる勇気をもらえる。
『BLOG of the year2017』を受賞 真摯な言葉で自分をさらけ出すブログ
頻度は月によって異なるが、月に1記事以上は更新。Twitterのように短い文章ではなく、作品や役柄への思いや、そのときに吸収したものを、しっかりと丁寧な言葉で書いている。どの作品にも真摯に向き合い、誠心誠意向き合って役作りをしているのがわかる内容だ。
2017年には、Amebaが1年間で最も注目されたブログを選ぶ『BLOG of the year2017』で、優秀賞を受賞。受賞に際し、「自分の弱みなどをさらけ出すことはとても恥ずかしかったりしますが、ブログでは出演した作品への思いを書くとともに、自分をさらけ出すことで、同じように悩んだり、落ち込んでいる方の気持ちが少しでもラクになれば良いな」と考えています」と語っている。
ブログを書く時は宣伝だけにならないよう心掛けているという瀬戸。弱音や愚痴を人に言えない性格だが、ブログでなら言える。瀬戸にとってブログは、役者とプライベートの自分を対峙させる場所なのかもしれない。
思いをさらけ出し、今の自分の気持ちを素直に伝える瀬戸のブログはとてもストレートで健全だ。芝居に真摯に取り組むとともに、仲間やファン、家族を大切にする人柄がよく表れている。その人間力で、これからも役者として大きく羽ばたいていくに違いない。
(文/辻内史佳)