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田中圭、“おっさんずラブ現象”は「僕もロスでしたが、すでに過去のもの」
原作ファンの方のことも考えつつ、自分なりの京極を演じられたら
田中圭 ホッコリできる場面もありますし、色んな人間ドラマが詰まっているので面白いドラマになる予感がしました。それをどこまで演出やお芝居で映像として見せられるかが純粋に楽しみです。原作も読ませていただいたのですが、もちろん原作ファンの方のことも考えつつ、自分なりの京極を演じられたらいいなと思っています。
――ケースワーカーという職業を演じるにあたり調べたことや勉強したことなどはありますか?
田中圭 ケースワーカーの仕事内容に関する詳しい資料を頂いたので読ませていただいたんですけど、ただただ凄い仕事だなと思いました。人と向き合う大変なお仕事をされている方々を純粋に尊敬します。究極な話、例えば俳優という仕事が無くなっても社会は困らないかもしれないけど、ケースワーカーというのは社会にとってなくてならない重要な仕事なんだということを思い知らされたというか。そこは意識して演じなければと思いました。
この状況はいつまでも続かないだろうなと妙に冷静になっている
田中圭 僕の勝手な理想を言わせてもらうと、春田と同じ感覚で京極を演じられれば最高なんじゃないかと思っているんです。ただ、春田はオリジナルのキャラクターなので自由に演じることができましたけど、京極は原作に登場するキャラクター。なのでそこまで自由に演じてはいけないんですよね。なのでお芝居のアプローチなどできる範囲で春田と同じように思い切り演じることができれば、またひとつ何か新しい引き出しが増えるんじゃないかなとは思っています。
――やはりご自身の中でも春田の存在はまだ大きいのでしょうか?
田中圭 確かに周りから「凄いね」とか「おめでとう」と言っていただくことも多かったですし、一昨年出した写真集が重版になったと聞いて「へ〜そんなことってあるんだな」と驚きつつもありがたいなと思っている自分がいます。単純に嬉しいですね。ただ、ちょっと待てと。この現象についていくつか自分の中で思うことがあって…ひとつはまず、特に変わることもなく僕自身には何の影響もないということ(笑)。それからこの状況はいつまでも続かないだろうなと妙に冷静になっているというか。キャリアも結構あるし、そうはならないだろうとは思うんですけど、例えば僕がどんなにつまらない芝居をしても周りが褒めてくれるような状況は作りたくないですね。そういうとこと戦ってきて今の“田中圭”があるはずなので、これからも自分自身に対して“つまらない芝居するんじゃないぞ”と喝を入れ続けなければいけないなと感じています。
田中圭 そこはあまり意識していないです。『おっさんずラブ』は僕もロスでしたけど、すでに過去のものとして忘れるようにしています。もちろん胸張って言える“代表作”ができて過去を上書きできたのは素直に嬉しいんですけど、その代表作を更に上書きしていかないといけないなと思っています。ただ、『おっさんずラブ』はタイミングやキャストなど色んな奇跡が重なって面白い現象を巻き起こしたとも言えますけど、あそこまで話題になった一番の理由は役者の芝居にあるんじゃないかと。お芝居の力でちゃんと人に何かを伝えることができるんだという自信を持てたので、もっともっと自分を磨いていきたいですし、このドラマでも何か新しいことにチャレンジできたらと思っています。
エゴサは「“うるせ〜よ!”とか言いながら楽しんでる(笑)」
田中圭 それこそ『おっさんずラブ』で検索をかけたこともありますけど、ツイート数が多過ぎて全部追えなかったですね(笑)。今の時代テレビ局のプロデューサーさんとかTwitterの反応を見ながら作ってらっしゃる方もいるようですけど、僕自身は視聴者の意見を気にしながらお芝居するつもりはないというか。もちろん見た人がどう思ったのか知りたい気持ちもあるし、そこを無視しちゃいけないとは思うんですけど、基本的には作品を面白くすることしか考えてないんです。舞台に立つ時も正面を向く芝居はほとんどやらずに舞台に立っている人に向かって話すようにしていますし。ただ、たまにエゴサをすることがあって、良いことを書いてくれてる人もいればそうでない人もいるので「うるせ〜よ!」とか言いながら楽しんでいます(笑)。
――(笑)。これまで幅広い作品に出演されていますが、田中さんは現場でどんなことを大事にされているのでしょうか?
田中圭 基本的には“田中圭がどう見られるか”というのはどうでもよくて、とにかく作品が面白くなればと思って演じています。正直な話、その作品が面白くなるかならないかがどれだけ自分にかかってくるかでモチベーションが違ってきますし、作品が少しでも面白くなるなら自分にできることは全部やりきりたい。『スラムダンク』の安西先生の名台詞じゃないですけど“諦めたらそこで試合終了”しちゃうので(笑)、どの作品もなるべく諦めずに時にはわがままを言うことも大事なのかなと。もちろん良い意味でのわがままですよ。僕個人はどう思われてもいいから役を通して色んなことと戦っていきたいです。