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【SMAP連載25 最終回】香取慎吾40回目の誕生日、解散後も今を生きる5人のこれから
香取慎吾の40回目の誕生日に思うSMAPというアイドルの形
8月にこの連載が始まって、原稿を書く上での必要に迫られながら、繰り返し繰り返しSMAPのライブ映像を観て思った。好きなセットリスト、好きな曲、好きな衣装、好きなアレンジ、好きな振り付け、好きなメンバー同士のやりとり、好きな挨拶、好きな表情……。デビュー直後から、それぞれの映像に見所はあるけれど、彼らの場合、年齢を重ねるごとに魅力が加速していることに、何より驚かされる。同様のことは、映像集『Clip!Smap!コンプリートシングルス』を観ても感じられた。人間としてのキャリアは、人を磨きこそすれ、腐らせたり、衰えさせたりするものではないのだということを、SMAPは身をもって教えてくれた。人間としての頂点は過去にはない。いつも、“今”こそが最善なのだと。
2017年1月31日は、香取慎吾の40回目の誕生日である。早生まれの香取は、SMAPが結成した1988年に11歳の小学6年生、CDデビューした1991年は14歳の中学3年生だった。ある程度完成された形でデビューし、自分たちの世界観や関係性を提示するバンドなどとは違い、未熟な時代から成長を見守ることもまた、アイドルグループを応援する醍醐味である。
“新しい価値観”と“大人アイドルの可能性”を創出してきた
10歳という若さでジャニーズ事務所に入所し、11歳の時はすでにメンバーの連絡係を担当していた香取は、小学生の頃からショービジネスの英才教育を受けてきた。それから20年のキャリアを積み、31歳になった2008年のツアー『super.modern.artistic.performance tour』から、コンサートの演出を一手に任された。それから2014年までの4回、ツアーの総合演出を手掛けているが、過去からのライブ映像の中で『Mr.S “saikou de saikou no CONCERT TOUR”』の「Battery」から「CRAZY FIVE」までのノンストップのダンスコーナーは、SMAPのダンスコーナーにおける“K点越え”のような華麗さと迫力があり、個人的にはこの先最もリピートしてしまいそうな予感がしている(それまで一番ヘビロテしていたのは、『Live BIRDMAN』のダンスコーナーだった)。2014年の夏のライブだから、7月生まれの草なぎ剛は、この時すでに40歳の誕生日を迎えていた。香取を除けば、全員が40代のグループで、このダンスの激しさは驚きだったし、大人だから出せるゴージャス感には、ただただ酔いしれるばかりだった。そうやって彼らは主にライブで、“新しい価値観”と“大人アイドルの可能性”を常に創出してきたのである。昨年末のSMAPの解散がなければ、今頃は、全員が40代のアイドルグループとして、また新鮮な驚きをくれたに違いないのだ。