• ホーム
  • 映画
  • 小松菜奈、抜てき続く“漫画ヒロイン”役は「ビジュアルよりも内面で勝負」

小松菜奈、抜てき続く“漫画ヒロイン”役は「ビジュアルよりも内面で勝負」

 近年、漫画を原作とした映像作品にてヒロイン役の抜てきが続く女優・小松菜奈。昨年は『ジョジョの奇妙な冒険』に出演し、この春も2作続けて漫画ヒロイン役を映画で演じる。なにかと辛口の原作ファンをも納得させてきた小松は、自身の活躍ぶりについてどう分析しているのだろうか。今回のインタビューでは最新出演作『坂道のアポロン』の舞台裏や小松流のヒロイン像、近年の躍進の秘訣についても語ってもらった。

“可愛い女の子”を演じるのは苦手です(笑)

 映画『坂道のアポロン』は、小学館刊の同名タイトルコミックの実写映画。父を亡くし親戚の家に預けられた薫(知念侑李)は、ピアノを弾いているときだけが唯一孤独を忘れられる瞬間だった。そんな薫が転校先で出会ったのは、誰もが恐れる不良・千太郎(中川大志)とその幼馴染・律子(小松菜奈)。ある日薫は、律子に導かれた地下室で、ドラムを叩く千太郎とジャズに心奪われる。その日を境に憂鬱だった薫の日々は楽しいものへと変わるのだが、そんな幸せな青春はそう長くは続かず――。 小松菜奈は、薫と千太郎の男同士の友情に入っていけない寂しさや、揺れ動く恋心を抱えた律子を熱演する。
――『坂道のアポロン』の三木(孝浩)監督とは『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』以来の2度目のタッグですね。印象に残ってるエピソードがあれば、お聞かせください。
小松菜奈 前回もそうだったんですが、三木監督はクランクインする前に手紙をくれるんです。普通手紙なんてなかなか貰えないじゃないですか。だからもうそこで私は涙を流しちゃう(笑)。「お客さんが律ちゃん(律子)目線で感情移入できるかどうかが大事だから、そこをうまく表現してほしい」というようなことが手紙には書いてありました。三木監督の思い描く女の子像って『ぼくは明日〜』のときもそうだったんですが、すごく“女の子”なんですよ。演技では「声のトーンを高くして」「語尾をもう少し上げてほしい」とかそういう要望もあるぐらい、細かい設定をちゃんとされている方で。このような指導をされたのは三木監督が初めてでした。
――以前のインタビューで女の子らしい役を演じるのは苦手とおっしゃってましたね。
小松菜奈 今もそうです。苦手というか…現実の自分と違いすぎて、そのギャップに戸惑います(笑)。
――約2年ぶりの三木作品ですが、女優としてさらに演技に磨きがかかり、表現の幅も広がったような印象を受けます。
小松菜奈 そうですね。今作ではあの頃の自分とはまた違う顔を見せられたらと思っていて。『坂道のアポロン』の律ちゃんは『ぼくは明日〜』の愛美とはちょっと違った路線の女の子。素朴で元気で明るくて田舎っぽいんだけど、幼馴染の千太郎と薫との仲を見て「愛おしいな」っていい意味で嫉妬している。だから三木監督とは律ちゃんの揺れ動く気持ちを大事にしたいねって話してたんです。ただ普通にふたりを見ているのではなく、「(ふたりの仲が)羨ましいな」って感情を乗せるのを大事に、律っちゃんとして生きました。
――今回、ヒロイン抜てきの理由を三木監督に聞いたりしましたか?
小松菜奈 聞いて…ないですね。なんか恥ずかしくて。たぶん監督も恥ずかしいだろうし聞きませんでした(笑)。
――小松さんは薫のピアノと千太郎のドラムのような特徴がない難しい役でしたね。本当に“ただの女の子”としてその間にいるっていうのは、どういう気持ちでしたか?
小松菜奈 私はただひたすらに感動していました。2人の演奏が生き生きしていて、知念さんも中川さんも練習も頑張っていたのを知っていたので。個人的にも、律子という役としても二重に感動して自然と涙がこぼれてしまいました。

漫画のヒロイン役は…「プレッシャーしかない」

――今作のみならず、これまでに数々の漫画原作の実写化作品に出演。原作ファンの方の評価は辛口な場合が多いですが、小松さんの個人としての演技は高評価を得ています。
小松菜奈 もういつもプレッシャーしかないです! 原作ファンの方は、このキャラはこの人に演じてほしいなどそれぞれあると思うのですが、そのようなイメージがある中で「私にこの役が務まるのかな」とか「批判も多いんだろうな…」とかすごく思いますよ。でも漫画は漫画だし実写化は実写化なので、逆に漫画には出せないキャラクターの魅力を見せられらたいいなって。観てくれた方から「小松菜奈が演じた役を好きになれた」と言ってもらえたら嬉しいですよね。
――原作の律子はある意味“イモっぽさ”が魅力の女の子ですが、小松さんがやると学園のアイドルに見えますね。漫画のビジュアルに寄せようとはあまり考えてないような印象ですが…?
小松菜奈 無理にビジュアルを寄せようとは考えてないです。服装やメイクや髪型は相談しながらやっていますが、プロの方の技術に助けられていますね。でもその分、気持ちはその役になりきろうって思うし、そうすると仕草や行動も全然変わってきて相手を見る目線の強弱にも違いが出てきます。でもどうしても自分の顔つきが難しくなってしまうときもあって。“そういう顔の感情”になっていたんだとそこで気づくんです。そんなときは三木監督が「ここはもう少し優しく」と指導してくださいました。現場で話し合いながら丁寧に律ちゃんという女の子を作り上げていく感じでした。
――漫画ヒロインを演じる時は、小松さんなりの“漫画のイメージ”を大事にしつつ、演技の細かい“火加減”については監督と現場で詰めながら進めていく、と。
小松菜奈 そうですね。元の漫画のイメージを守るのはもちろん大事なことですが、完全な二次元の世界ではなく実写映画なので、ちゃんと人間が演じる意味を乗せたいなという思いがあります。
――小松さんご自身、原作ファンの方からの評価は気にされますか?
小松菜奈 すごく気になりますね…やっぱり。
――小松さんの魅力のひとつに、人形のような…現実離れしたミステリアスな美しさが挙げられます。そこが二次元の作品とうまく化学反応を起こしていると思うのですが。
小松菜奈 どうなんでしょう。でもこの“不思議な顔”で今回の律ちゃんみたいな素朴な女の子の役がいただけるのが自分でもすごく“不思議”なんです(笑)。

――すごく漫画ヒロイン顔だと思います(笑)
小松菜奈 いえいえ(笑)。漫画原作の映画は作品ごとに全く違う役に挑戦できるのでやりがいも感じます。でもデビューして間もない頃は皆さん『渇き。』の印象が強かったみたいで、自分はそのミステリアスなイメージから抜け出せないのかなと思っていた時期もありました。もしかしたらこれからも『渇き。』の加奈子(※男を惑わす倫理観の壊れた女子高生)みたいな衝撃的な役ばっかり来るんじゃないのかなって。今は真逆のヒロイン役もいただけて嬉しいです。

オリコンニュース公式SNS

Facebook、Twitterからもオリコンニュースの最新情報を受け取ることができます!