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ドラマ復権へ? 2016年エンタメシーンの話題の中心はドラマだった
視聴率2桁超えは12本。大河ドラマや朝ドラも好調
次にクールごとでみると、1月期の連ドラは草なぎ剛主演の刑事ドラマ『スペシャリスト』(テレビ朝日系)が平均12.67%、亀梨和也主演『怪盗 山猫』(日本テレビ系)は10.85%を記録。視聴率的に好調なドラマはあったものの、全体的に見れば“ドラマの話題がエンタメの中心”というほどではなかった。だが4月期、松本潤主演の弁護士ドラマ『99.9』(TBS系)が17.15%のスマッシュヒット。劇中に巧妙に隠された“小ネタ”も話題となり、トレジャーハンターのように“小ネタ”探しに躍起になった視聴者がSNSに多く散見されるようになる。
10月期が絶好調。年の後半に向けて盛り上がっていく展開に
そして今期。視聴率2桁超えは『ドクターX』、『逃げ恥』(14.58%)、石原さとみ主演『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(12.37%/日本テレビ系)、織田裕二主演『IQ246〜華麗なる事件簿』(10.66%/TBS系)、菅野美穂、松嶋菜々子出演『砂の塔〜知りすぎた隣人』(10.18%/同)と5本も登場。うち『ドクターX』と『逃げ恥』のバズは言わずもがな、『校閲ガール』では写真系SNSで写真への落書きをまるで校閲したかのように赤い文字で訂正する“#(ハッシュタグ)校閲ガール加工”が流行。『IQ246』では織田の怪演が何かと取り沙汰され、『砂の塔』でも脚本の妙に話題が集まり、それぞれがコアなファン層から支持を受けていた。
“ドラマ復権”に現実味。来期も話題作が多数
来期に目を向けてみると、木村拓哉主演でなにかと話題の医療ドラマ『A LIFE 〜愛しき人〜』(TBS系)、ベストセラーの心理学本を刑事ドラマにアレンジした香里奈の復帰主演ドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系)、ラブホテルスタッフが恋愛指南をする本郷奏多主演『ラブホの上野さん』(フジテレビ系)、藤子・F・不二雄のSFコミック原作で、さえない中年男性がスーパーマンになる異色のドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)など話題作や野心作が続く。今年、エンタメシーンの話題の中心に返り咲いたかにも見えるテレビドラマ。来年はエンタメシーン“そのもの”を牽引していくことになるかもしれない。
(文:衣輪晋一)