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中川大志、凛とした『真田丸』豊臣秀頼役でネクストステージへ
透明感もあるが、実は攻めにギアを入れた野心家
これまでの中川のイメージとして代表的なのは、昨年大きな話題となった、広瀬すずと共演したボディケア商品『シーブリーズ』CMで描かれるキラキラのイケメン高校生役だろう。だがその一方、実写化不可能と言われていたハードな下ネタが売りのコミック原作のドラマ『『監獄学園-プリズンスクール-』(TBS系)にも出演。女子学生たちに毛虫のように嫌われながらもピュアさを失わない主人公・キヨシは彼自身の透明感ともマッチし、その振り切り方には彼のファンからも驚きの声が上がった。
「大志くんは癒し系の側面もありますが、役作りの上で悩み、よく勉強する真面目な部分があるのはもちろんのこと、自分の置かれた立場がどんなものか見分けようとする“外部”の認識や、それをアピールするのにどうすれば良いかが見えている聡明な俳優。同じく弟キャラである福士くんと似ているというイメージを逆手にとって、お互いの口元を隠した2ショット写真を公開したり、その際に『あまりに似すぎて、僕のお母さんも間違えちゃうぐらい』と語るなど、“俳優同士でキャラがかぶる”といった“負”を笑いに転化する機転や懐の深さも魅力です。ただ演技では決して器用なタイプではなく、悲しいかな、“若さ”が売りという偏見で制作側からも“今が旬”との見方があったことも事実。ところが『監獄学園〜』での振り切り方や、『真田丸』の秀頼役などによって、彼の“役者としての覚悟”や“実は攻めにギアを入れた野心家”といった部分が注目され、今後伸びていくのではと改めて気づかされた制作者が増えている印象があります」(映画ライター)
“世間知らずなお坊ちゃん”ではない凛とした秀頼を好演
「そもそも顔立ちが凛々しい上に細マッチョで佇まいもスマート。公式サイトのインタビューによると、事前に家康役の内野さんから『本気でぶつかって来い』と言われたそうで、プレッシャーが和らいだのでしょう。今まで以上に演技の“腰”が座り、シーンにコントラストと立体感を生み出しました。現在公開中の『四月は君の嘘』や『きょうのキラ君』(2017年2月25日公開)、『ReLIFE』(2017年4月15日公開)とコミック原作の映画が控えていますが、いずれ彼も現在の山崎賢人的なポジションにつくかもしれません」(同ライター)
これまでも青春もののメインキャストなど、いい位置につけながらも、なかなかトップランナーの次の集団から抜け出せなかった印象のある中川。そんな中川にとって『真田丸』はひとつのターニングポイントになりそうだ。彼はまだまだ18歳と若いが、18歳には18歳なりの悩みと苦しみというものがある。実際、理解されずに孤独に陥り、ひとり悲しみ憤った若かりし日の記憶は、多かれ少なかれ程度はあれど誰の胸にもあるものではないか。イケメン俳優と猫がコラボした写真展『ねこ男子』の企画に参加するなど、ほのぼのとした自分語りも魅力の中川が生きてきた彼しか知らない“真の18年”。その18年の苦楽が解放されて花開き、さらなる次のステップへ飛び立っていくタイミングを迎えている。
(文:衣輪晋一)