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“異業種俳優”の草分け、リリー・フランキーの功績と凄み
13年に「第37回 日本アカデミー賞」で最優秀助演男優賞を受賞するなど、演技力には元々定評のあったリリーだが、ここ最近は一段と俳優業に拍車がかかっている。今年公開される出演映画は8本、うち1本の『シェル・コレクター』(16年2月公開)では『盲獣vs一寸法師』以来15年ぶりに単独主演を務めた。10月公開の『SCOOP!』では怪しい情報屋を、『お父さんと伊藤さん』では上野樹里と20歳差の恋人役を演じるなど、ますます演技の幅を広げているが、彼がこれほどまでに俳優として無敵な理由とは?
『東京タワー〜』でサブカルの“風雲児”から全国区に
40代でうつを経験、その後に俳優としての才能が花開く
特に鬱々としていたのは意外にも『東京タワー〜』を発売したころだそうで、これを前出のライターは「そもそも感受性が豊かで、“コロンブスの卵”的な切り口が得意な方。サブカルの位置からメインカルチャーの常識を“解体”するような発言で人気を博しましたが、自身がメインに立たされたことで不安になったのかもしれません」と分析。だが、そんな鬱々とした40代に突如開花したのが“俳優”としての素質だった。08年に公開した映画『ぐるりのこと。』では、「第51回 ブルーリボン賞」新人賞を最高齢の45歳で受賞している。
故・ナンシー関さん「(リリーは)本当にしょうがない人だね(笑)」
エロトークが上手い人は、福山雅治さんやチュートリアルの徳井義実さんなど男女問わず人気が出やすいのは周知の事実ですが、これに加えてリリーさんは仕事の大きさに関わらず興味のある仕事を受けるという筋の通ったところがある。なのに“遅刻魔”だったりと抜けた部分もあって、それが“放っておけない”奇妙な魅力につながっているようです。リリーさんが尊敬する故・ナンシー関さんは、彼との対談において、『(リリーは)本当にしょうがない人だね(笑)』と愛情たっぷりに語っていましたが、恐らくこれが彼の魅力を最も的確に表した言葉でしょう」(同ライター)
俳優としては今後も主演映画『美しい星』(吉田大八監督/17年5月公開)や、俳優の斎藤工がメガホンを取った『black13』、大根仁監督の『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』など出演作が続々と控えるリリー・フランキー。恐らく彼本人は望まないだろうが、今後も“異業種俳優”の筆頭として強く気を吐いていってもらいたい。
(文:衣輪晋一)