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ORICON NEWS
劇的人生で円熟味増す窪塚洋介は、ハリウッド御用達の名優となりうるか?
デビュー間もないころから、そのルックスとズバ抜けた演技力で俳優として高評価を得ながらも、生死をさまよった転落事故を機に、レゲエシンガー・卍LINE(マンジライン)として音楽活動を開始したり、舞台に初挑戦したりとその人生は波乱万丈。俳優のみならず、人間としても円熟味を増しているように思える。近年、日本人のハリウッド進出が顕著だが、渡辺謙や浅野忠信、菊地凛子などのように、窪塚もハリウッド御用達の俳優としてその名を世界に轟かすこととなるのだろうか?
好青年から一変、奇抜な役がハマり一躍ブレイク
「このドラマで窪塚さんは、金髪にオーバーサイズのファッションを纏った池袋のカラーギャング集団・G-Boysのリーダー、通称“キング”役を好演。普段はいい加減ですが、ケンカになると最強で超残忍になるというブッ飛んだキャラクターは、主人公を食ってしまうほどの強烈なインパクトを視聴者に与えました。同作への出演をきっかけに、『GTO』などでの好青年なイメージから一変。映画『ピンポン』ではおかっぱ頭の高校生卓球選手、『凶気の桜』(共に02年)では暴力的なバリバリの右翼を、『魔界転生』(03年)ではかつて沢田研二さんが演じた超能力者・天草四郎時貞を演じるなど、奇抜な役柄へとシフトしていきました。どの作品も窪塚さんならではの強烈な存在感で圧倒していましたが、当時は俳優歴としてはまだそれほど長くはなかったんですよね。間違いなく若手をリードする憑依型の実力派でした」(エンタメ誌編集者)
人気俳優がまさか…社会に激震与えた転落事故
「人気俳優のまさかの大事故は、とても衝撃的だったのを覚えています。当時は自殺説や薬物説なども囁かれていました。本人は『マンションの向いのコンビニのソフトクリームが売り切れるのが心配で、エレベーターに乗る手順をすっ飛ばしてしまった』などと冗談っぽく語っていますが、真相は今も不明。ただ、窪塚さんのそれまでの役柄や言動、俳優としての憑依体質から見て、周囲も何となく窪塚さんならあり得ることだな…と思ったのは事実です。実際、映画『ピンポン』では、橋の欄干の上に立って『アイキャンフラ〜イ!』と絶叫しながら川に飛び込もうという名シーンがありますが、あれをリアルにやっちゃったんだという“窪塚伝説”が広まったんです」(前出・編集者)
淘汰していく活動の中でさらに輝きを増す個性
そして今、窪塚はハリウッドという新たな挑戦の場に立っている。映画公開は来年以降だが、第1作目の『沈黙〜』に続いて、2作目の『リタ・ヘイワース〜』では、主要キャストとしてのオファーを受けている。第二次世界大戦末期から戦後を舞台にする同作で、窪塚は米女優のエリザベス・バンクス演じる戦場カメラマンと太平洋の孤島で出会い、数10年を共に過ごすという日本兵役。これには窪塚も「またひとつ役者としての軌跡を伸ばし、今後も着実にキャリアを積み上げて、世界の舞台でも力を活かせるよう、海外での撮影に臨みたいと思います」とやる気をみなぎらせている。常に半歩先を行く窪塚にとって、日本よりも世界という大舞台の方が似合っている、と安心してその姿を眺めている人は少なくないはずだ。
『シン・ゴジラ』の名を借りるなら、今の窪塚は第3形態といったところだろうか。持ち前の個性とルックス、演技力、世界観など、ますます深みを増していく俳優・窪塚洋介が、世界でさらに“化ける”可能性は十分ある。「アイキャンフライ!」と本場ハリウッドでも羽ばたいてほしい。