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(更新: ORICON NEWS

【連載4】逆境に強いSMAP ライブで見せた成長と結束の物語

稲垣復帰後のステージで涙 どんなピンチも繋いだ手は離さず

 この翌年の2000年、木村拓哉が結婚し、2001年、稲垣吾郎が活動を自粛した。

 稲垣が復帰したツアーの映像を収めた『Smap! Tour! 2002!』にも、メンバーの感動的な挨拶が残っている。
 草なぎ剛は、「僕が輝いていられるのは、皆さんと、SMAPを支えてくれているスタッフの方、何よりもメンバーのおかげだと思います」と、精一杯の感謝を、その言葉と表情にたぎらせた。香取は、「去年は、コンサートの時吾郎ちゃんがいなくて、いっぱい“ふざけんな!”と思いました。一人抜けて、4人でやってる時すごく寂しかった。今回、5人で最後まで走り抜けることができて、やっぱり僕はSMAPのことが好きなんだなと思いました。……コンサート、楽しいですね!」と言って、心からの笑顔を見せた。「去年、吾郎ちゃんがああいう形でいなくなって、SMAPの終わりを、もしかしたら迎えなければいけないんじゃないか。これ以上やっていけないんじゃないかとか、いろいろ考えさせられました」と、ドキッとするような挨拶をしたのは中居だ。夏に始まったライブが終わったのは、11月3日。いつしか、秋も深まっていた。中居は、こんな言葉で、1年ぶりの5人でのライブの挨拶を締めくくった。「もっともっとたくさん会いたいって気持ちが、強いです。5人で、必ず5人で、またライブができればいいと思います」。この挨拶の後、5人で、「BEST FRIEND」をフルコーラスで歌った。1番のAメロでもう中居が泣いて、2番で草なぎが泣いて、ずっと遠い目をしていた木村も、3番で感極まって声を詰まらせた。

 何度か怪我にも見舞われた。06年の『Pop! Up! SMAP!』ツアーでは、中居の肋骨にヒビが入ったこともあったし、公演中に肉離れを起こしたこともあった。08年の『super.modern.artistic.performance tour』では、初日に香取がステージの窪みに落下。右膝を縫う怪我を負った。そんなときは、常にメンバーが全力でサポートした。どんなピンチのときでも、繋いでいた手を離そうとはしなかった。

逆境続きの彼らが“SMAPという人生”を見せた、嘘偽りない場所

 ライブには、嘘がない。ファンの目の前で、直接歌って、直接笑って、直接手を振って、直接話す。これまでSMAPは、どんな逆境の時も、ファンの前で、正直な気持ちを、直接伝えてきてくれた。

 何の因果か、デビューから逆境続きの彼らだけれど、ライブで会うことさえできれば、私たちは彼らの笑顔を、涙を、その言葉を信じることができた。たとえ、“コンサート”という形でなくても、それが『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)内の企画であっても、リアルタイムで目撃できる彼らのライブには、必ず力強いメッセージがあった。「今、この曲を選んでくれたんだ」「この曲をこんな風に歌ってくれたんだ」と、その時々の魅せ方があることに気づかされた。いつも、そこに一切の嘘偽りがないことを確信することができた。

 テレビのバラエティで個性を発揮するSMAPも好きだ。ドラマや映画、舞台で見るメンバーも魅力的だ。ラジオでの素直な語り口も、雑誌に寄せるコメントも、何もかもがプロとしての誠実さに満ちている。でも、やはり、私たちはライブのSMAPが一番好きだ。歌で綴られる“SMAPという人生”がそこにあるから。

 9月9日のデビュー記念日を過ぎて、空が秋めいてきた。ふと、5年前の北京のライブのことを思い出す。あの時の彼らの爆発力は、野球に例えるなら逆転満塁ホームラン。どんな逆境もものともしないのが彼ら5人のような気がして、1ヶ月前に発表されたことが、まだ、SMAPストーリーの新たなる展開の序章であるような気がしてならない。SMAPのファンは、つくづく諦めが悪い。
(文/菊地陽子)

【連載5】『SMAPのベスト盤 木村の歌を中居がプッシュしたあの日』に続く

【連載 1】『SMAP解散がもたらした喪失感 終わらないことは“残酷”なのか?』
【連載 2】『SMAPにとっては“異色”だった国民的ソング「世界に一つだけの花」』
【連載 3】『SMAPきょう25周年 記者が見た5人の真実 PART1』
【連載番外編】『記者が見たSMAPの真実 PART2 〜中居正広と木村拓哉の素顔〜』
【連載番外編】『記者が見たSMAPの真実 PART3 〜稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾の素顔〜』
【連載6】SMAP5人の役割を考察:中居正広 自分たちのことでタブーは作らない、“自虐”という神センス

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