(更新:)
ORICON NEWS
メジャー路線への舵切りで成功する二階堂ふみ、エッジの効いた“残り香”をにじませる存在感
個性派ポジションを確立した後にメジャー路線にシフトチェンジ
「本人は『ぐるナイ』のレギュラーになった理由について、『知名度を広めたいと思いまして……』と話していましたが、その目論見は見事に成功したと言っていいでしょう。同世代の若手女優さんたちが、わりと“正統派”路線でアイドル的人気を博しているなかで、二階堂さんはデビュー当初からメディアへの露出を抑え、個性派女優としてミステリアスな雰囲気に包まれていました。そうした差別化も功を奏して、若手女優という枠のなかに“埋没”することなく、存在感をアピールしていたのです。それがバラエティに進出し、意外に気さくでおもしろい部分があることも視聴者に伝わり、知名度はもちろん好感度も上がってきました。『オオカミ少女〜』の黒王子こと山崎賢人さんとのやり取りにしても、実にふつうの女子高生っぽくて、見る側も自然に感情移入できる。今度はこれまでのイメージがあるだけに、意外ととっつきやすい、共感できるキャラとしてのギャップまで手に入れたわけです」(ドラマ制作会社スタッフ)
大衆化で埋没しない確かな技量とカラーが“セルアウト”感を出さない
「確かにエキセントリックさなどの個性をウリにすると、コアなファンからの熱烈な支持を受けたりします。ただ、そこから抜け出して大衆に広く“売れる”ようになるのは容易ではありません。安易に大衆にすり寄ったりすれば、『アイツはセルアウトした』などとコアなファンからは総スカンを食らいますし、大衆にもそれほど響かないことが多い。売れるための転向という見方をされると、なかなか受け入れられなくなりますから」(前出・スタッフ)
この両者などは、コア、エキセントリック路線から大衆化に成功した2大巨頭と言ってもいいかもしれないが、それまでに培ってきた確かな技量やカラーがあるからこそ、大衆に埋没することなく、他とは違うオーラを放っているのである。
二階堂のシフトチェンジの背景には、所属事務所の意向や時代的に求められるニーズなどがあるのだろう。そんななかで、いまのところ二階堂の評価は上々のようだ。エッジの効いた残り香がありつつ、一般向けの役柄にしっかりと溶け込んでいる。そこにはセルアウト感がなく、演じるキャラクターごとに彼女のオーラがにじむ。二階堂の持つ“女優純度”は高い。一般向け路線のなかでもその“個性”は埋没することなく、輝き続けている。