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『仰げば尊し』の評価次第で絶滅寸前の“熱血学園ドラマ”ジャンルの復権なるか?
キャスト、主題歌、スタッフから感じるTBSの意気込み
不良の生徒たちには真剣佑(父・千葉真一)、村上虹郎(母・UA、父・村上淳)、太賀(父・中野英雄)、高畑裕太(母・高畑淳子)などの二世俳優がズラリと並ぶ。そのほか、E-girlsの石井杏奈、DISH//の北村匠海、佐野岳といった若い世代からの関心も高いキャスティング。さらに脚本はいずみ吉紘、監督は平川雄一朗という『ROOKIES』コンビ。主題歌もBUMP OF CHICKENの「アリア」が起用され、放送前からファンから注目を集めるなど、TBSの今作にかける意気込みがうかがえる。
いまや『スクール☆ウォーズ』は非現実的 現代の“熱血学園ドラマ”とは?
「『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)の「日本列島吹奏楽の旅」という企画が話題になり、吹奏楽部人口も増えました。それに、ヤンチャな子が一致団結すると、とんでもなく上手い演奏を見せて、全国大会で金賞…ということも実はよくあるんです。体育会系ではなく、不良が吹奏楽部で更正する、というのも今の時代にマッチしてると思いますよ」(エンタメ誌編集者・元高校吹奏楽部員)
現代の学園ドラマとはいえ、第1話では不良が窓ガラスを割ったり、恐喝をしたり、校内をバイクで走ったりするなど、『スクール☆ウォーズ』を彷彿とさせるシーンもあり、特に定番の喫煙シーンをしっかり放送するあたりは(エンディングで未成年者の喫煙は禁止されている旨、クレジットが入る)、制作側が本気で熱血学園ドラマの復活へと取り組んでいる姿勢が見える。しかし今の時代、かつての鉄拳制裁などが許されるわけもないし、そもそも熱血教師という存在自体のリアリティとしては、いかがなものだろうか?
「確かに『スクール☆ウォーズ』の山下(真司)さんのように、“これからお前たちを殴る!”と言ってみせたり、金八先生でも加藤優と松浦悟を殴るシーンは名場面でしたが、今ではあり得ないし、見る方もウソくさくて感情移入できません。第1話では、寺尾さんが生徒にボコボコにされても反撃しないし、ヨロヨロになってもしぶとく不良たちと正面から向かい合う。“お前を殴る!”ではなく、“殴りたかったら殴れ。ただ、殴っても何も変わらないぞ!”なんですね。むしろ初老の教師という設定の寺尾さんだからこそ、その熱意が伝わる。現代でも、十分リアリティはありますよ」(ドラマ制作会社スタッフ)
『金八』や『ROOKIES』 TBSの十八番、絶滅寸前からの復活なるか?
かつて“金八フォーマット”を生み出し、様々な亜流作品を生み出すきっかけとなたったTBSのお家芸・十八番の“熱血学園ドラマ”。しかも数々のヒット作を生み出してきている「日曜劇場」なのである。絶滅寸前の熱血学園ドラマを“本家”TBSが甦らせ、2016年型の“新・学園ドラマ”として成功させることができるのか、注目したい。