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年々減少する“学園ドラマ”はこのまま絶滅してしまうのか?
“金八フォーマット”で数多くのヒットを生み出した学園ドラマたち
また、舞台を大学に移せば、『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)や『あすなろ白書』(フジテレビ系)など、それまでとは違った“シリアス系”“純文学系”の人気ドラマもあり、『高校教師』(TBS系)や『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』(同)にいたっては、さらに“悲惨で暗い”ことがウリだった。2000年代に入っても、『ごくせん』(日本テレビ系)、『花より男子』(TBS系)、『ROOKIES』(同)など、ヒット作をコンスタントに送り出してきた。つまり、いつの時代にも“学園ドラマ”は視聴者にとって一番近いシチュエーションだったのだ。
「基本的にこれまでの学園ドラマは、いわゆる熱血・感動をウリにした“金八フォーマット”ものが多く、それを崩しながら様々なバリエーションを築いてきたと言っていいでしょう。極端に言えば、学園ドラマの歴史はTBSドラマの歴史でもあるんです。最近は、TBSさんが学園ドラマと縁遠くなっていることが、学園ドラマの現状を象徴してるんじゃないでしょうか」(ドラマ制作会社スタッフ)
熱血教師はほぼ絶滅 もはや学園ドラマに金八先生は現れない!?
また現実の学園自体も、今では金八が加藤優を殴れば即問題になるし、山下真司が「これからお前たちを殴る」なんて予告したら、生徒に「クビになっちゃいますよ?」と逆に心配される時代。今や熱血教師はほぼ絶滅状態にあるわけで、“金八フォーマット”自体がまったくリアリティを持たなくなっている。
「そもそも学園ドラマは、家族全員で見られることが人気の大きな理由のひとつでした。だけど今はネットやSNSが普及して、個々の嗜好も細分化してます。家族全員でテレビを囲むなんてこと自体ないですから。子どもの数も現在の40代前半の層に比べれば、3分の2程度までに減っている。学生をターゲットにしても今は数字が獲れないんです」(前出・スタッフ)
いまやドラマのメインターゲットは40代以上に
最近の“壁ドン”系少女マンガ原作の映画は、この時代にしてはなかなか健闘しているが、これはある程度“大人の女子”に支持されているからだろう。こうしてみると、やはり王道の学園ドラマは絶滅へと向かっているように思われる。ある種、形を変えて“金八フォーマット”がヒットを生み出しているが、甘酸っぱい青春を描いた学園ドラマがなくなってしまうのは、やはり寂しいものである。