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年々減少する“学園ドラマ”はこのまま絶滅してしまうのか?

  • 学園ドラマのフォーマットを築いた『3年B組金八先生』(第7シリーズ)

    学園ドラマのフォーマットを築いた『3年B組金八先生』(第7シリーズ)

 4月からスタートする新ドラマは、福山雅治主演の“月9”『ラヴソング』(フジテレビ系)を筆頭に、嵐・大野智主演『世界一難しい恋』(日本テレビ系)、フジテレビの“復活日9”『OUR HOUSE』(芦田愛菜、シャーロット・K・フォックス主演)など、話題作が目白押しだ。中でも目につくのは、前田敦子主演『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS系)、栗山千明主演『不機嫌な果実』(テレビ朝日系)、伊藤英明主演『僕のヤバい妻』(フジテレビ系)と、不倫を題材にしたドラマが3本あること。そして気付いてみれば、定番の“学園ドラマ”が1本もないのである。かつては高視聴率&感動作を生み出してきたキラーコンテンツだったが、年々減少している。果たしてこのまま“学園ドラマ”は消えていってしまうのだろうか?

“金八フォーマット”で数多くのヒットを生み出した学園ドラマたち

 これまでの人気学園ドラマは、1980年代以降に絞ってみても、『3年B組金八先生』(TBS系)、『熱中時代』(日本テレビ系)、『スクール☆ウォーズ』(TBS系)、『教師びんびん物語』(フジテレビ系)、『GTO』(同)等々、小学校・中学校・高校を舞台に熱血教師が登場する“スポ根”ものをはじめ、数々のヒット作を生み出し、熱いドラマを繰り広げていた。

 また、舞台を大学に移せば、『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)や『あすなろ白書』(フジテレビ系)など、それまでとは違った“シリアス系”“純文学系”の人気ドラマもあり、『高校教師』(TBS系)や『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』(同)にいたっては、さらに“悲惨で暗い”ことがウリだった。2000年代に入っても、『ごくせん』(日本テレビ系)、『花より男子』(TBS系)、『ROOKIES』(同)など、ヒット作をコンスタントに送り出してきた。つまり、いつの時代にも“学園ドラマ”は視聴者にとって一番近いシチュエーションだったのだ。

 「基本的にこれまでの学園ドラマは、いわゆる熱血・感動をウリにした“金八フォーマット”ものが多く、それを崩しながら様々なバリエーションを築いてきたと言っていいでしょう。極端に言えば、学園ドラマの歴史はTBSドラマの歴史でもあるんです。最近は、TBSさんが学園ドラマと縁遠くなっていることが、学園ドラマの現状を象徴してるんじゃないでしょうか」(ドラマ制作会社スタッフ)

熱血教師はほぼ絶滅 もはや学園ドラマに金八先生は現れない!?

 しかも学園ドラマと言えば、かつてはアイドルや若手俳優の登竜門で、これまでも数多くのスターを輩出してきたのである。しかし今は、目に留まる作品が1つでもあれば名前だけで多くの情報を得ることができる。さらに、バラエティ番組や情報番組が溢れ、若手や新人も“番宣”には事欠くことはない。そうした意味では学園ドラマの必要性も薄れてきたのかもしれない。

 また現実の学園自体も、今では金八が加藤優を殴れば即問題になるし、山下真司が「これからお前たちを殴る」なんて予告したら、生徒に「クビになっちゃいますよ?」と逆に心配される時代。今や熱血教師はほぼ絶滅状態にあるわけで、“金八フォーマット”自体がまったくリアリティを持たなくなっている。

 「そもそも学園ドラマは、家族全員で見られることが人気の大きな理由のひとつでした。だけど今はネットやSNSが普及して、個々の嗜好も細分化してます。家族全員でテレビを囲むなんてこと自体ないですから。子どもの数も現在の40代前半の層に比べれば、3分の2程度までに減っている。学生をターゲットにしても今は数字が獲れないんです」(前出・スタッフ)

いまやドラマのメインターゲットは40代以上に

 SNSや無料動画サイトに慣れ親しみ、テレビ離れが進む10代、20代。しかしこれは逆に、40代以上をターゲットにすれば数字が獲れるということでもある。最近ヒットした『半沢直樹』(TBS系)や『下町ロケット』(同)もモロにおじさん向けで、しかもかつての学園ドラマにあった“熱血”や“感動”が、濃厚に凝縮されたドラマであるとも言えるのだ。

 最近の“壁ドン”系少女マンガ原作の映画は、この時代にしてはなかなか健闘しているが、これはある程度“大人の女子”に支持されているからだろう。こうしてみると、やはり王道の学園ドラマは絶滅へと向かっているように思われる。ある種、形を変えて“金八フォーマット”がヒットを生み出しているが、甘酸っぱい青春を描いた学園ドラマがなくなってしまうのは、やはり寂しいものである。

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