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清純派女優、新境地・ギャル役の好印象 リスクが少ないオイシイ挑戦?
清純派とギャルを続けて演じた有村架純、黒島結菜
清純派女優のギャル役といえば、今年5月公開の有村架純の『ビリギャル』のインパクトが大きかった。朝ドラ『あまちゃん』(NHK)で注目されてから様々な作品に出てきた彼女だが、基本は真面目な子の役。『ビリギャル』では一転、成績が学年ビリのギャルで、金髪、ヘソ出し、超ミニスカ、濃いアイラインに付けまつげという出で立ち。テレビCMでも、そんな有村の姿が大量に流れて話題になった。
結果、『ビリギャル』は興収25億円を超えるヒットに。その2ヶ月前の公開で、王道の純粋な女子高生役で主演した『ストロボ・エッジ』と、正反対の役で立て続けに興収20億円超えのヒットとなり、有村の若手トップ女優としてのステータスを確立させた。
短期間で2本、女子高生役の主演映画を続けるなら、役柄で差別化する必要もあったかと思うが、清純派と対極のギャルを演じたことで役幅は大きく広がった。本人の演技の引き出しプラス、“清楚系でない役もできる”と業界的なアピールにもなった。オンエア中の『KDDI』CMの“鬼嫁”に繋がった面もあるだろう。
普段と180度違う見た目のインパクト
今年3月放送のスペシャルドラマ『佐知とマユ』(NHK)では、広瀬アリスが家出している巻き髪のギャルに。トリビア的には『斉藤さん』(日本テレビ系)で若手時代の高橋みなみ(AKB48)と石橋杏奈、『斉藤さん2』では松岡茉優と早見あかりが、斉藤さん(観月ありさ)と絡むギャルを演じた。松岡は高校生で子持ちとなり、早見は派手な金髪にしていた。松岡はその前に映画『桐島、部活やめるってよ』でもギャルっぽい役をやっている。
清純派女優のファンにギャル役は多少反発も呼ぶが、ずっと金髪や茶髪にするわけでもなく、ひとつの挑戦として興味を持たれる。ヌードになるほどリスクもない。それでいて普段と180度違う見た目からインパクトはあり、女優として新境地にステップアップできる。ギャル役は女優にとってオイシイと言える。
とはいえ、有村は『ビリギャル』出演に当たり、ギャルの動画をたくさん見てしゃべり方や生態を研究したという。『サムライせんせい』で弾けている黒島も「ギャルの言葉づかいや精神を猛勉強したい」と話していた。自身のイメージと違うギャル役を、ただ演じるだけでなく評価されるには、より役をまっとうしきらなければならないのも当然のことだ。
(文:斉藤貴志)