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松たか子インタビュー『距離をおいたところからの新鮮な目線』

『HERO』ファン待望! あの雨宮舞子が城西支部に帰ってきた。8年ぶりのシリーズ復帰となる松たか子にとって、この映画はどんな体験になったのだろう。飾らない言葉で、率直に語ってくれた。

「違うなあ」と思われたらどうしよう…

――久しぶりの『HERO』ですね。
「ちょっと違うな、というところがあったら、言ってください」。(鈴木雅之)監督と木村(拓哉)さんにそう言いました。時間が経っているので、(雨宮がひととして)変わっていて当然のところと、変わらないところと、その両方をどれだけおもしろがれるか。そこが不安なところでもありました。でも、いざ始まってみると、木村さんをはじめとする、いまの城西支部の雰囲気を新鮮に思いながら、楽しくやることができました。始まる前は、「雨宮、変わっちゃった。(何か)違うなあ」と思われたら、どうしよう……と思っていたんですけど。
――変わったところって、どんなところですか。
久利生検事との距離感ができたことで(雨宮は現在、大阪地検難波支部で検事をしている)、あらためて「あ、久利生さんってこうだった」と、観察できるような立ち位置にいられました。いざ捜査が始まると、一緒になって(捜査に)夢中になってしまうんですけど。でも、ちょっと距離をおいたところから城西支部を見られるというのは、新鮮な目線でしたね。それは時間をおいたからこそできた設定だと思います。

――では、変わらないところは?
どこまでリアリティを求めるか? というときに「こんなの、ないよね/これは実際に、ある」、そういうレベルではない何かが、『HERO』にはあるんです。ともすれば「ふざけるな」というくらいギリギリのところを往く雰囲気があって。実際に「ありえる」というところだけでは勝負していないところが『HERO』らしさだと思います。自由な発想で、どれだけチャレンジできるか。そこは『HERO』ならでは。とにかく、そこに集まった人たちが、何かワイワイやっている。事件にはすごく真剣なメンバーがいる。それが、私にとっての『HERO』です。今回の城西支部はほんとうに楽しんで事件を追っている、と私には見えましたね。

新しいものがプラスされないと次にいけない

――いまの雨宮に久利生はどう映っていたと思いますか。
劇中で言葉にもしていますけど、「久利生さんは久利生さんだ」という想いと、でも、久利生さんも、やっぱりがんばってそこに居るひとなのだということ。人間臭さですね。久利生さんも決して完璧な人間ではなくて、いち人間、いち検事なんだなという感覚で眺めていました。それは時間が経って、しかも、距離があるおかげで、そう思えるのかもしれないなと。最初から、特別なひとがHEROってわけじゃない、というのがこの『HERO』に漂っている空気ですけど。今回は、ほんとに久利生さんも、いち人間なんだなと。だからこそ、ひとつの事件の前に、みんなが一列で並べるのが『HERO』の良さだということを、より強く感じることができました。
――木村さんとの久しぶりの共演はいかがでしたか。
木村さんはとても細やかに、相手のことを見て感じてくださる方なんです。言葉で何か言われるわけじゃないんですけど、(一緒にいて)私なんかは「お前、ちゃんとやってるのか」と言われているように感じます(笑)。久しぶりに、その感覚を楽しみました。木村さんならではの細やかさは、(以前よりも)さらに進んでいると思いますね。久利生と雨宮のちょっとしたやりとりに、木村さんのアイディアが入ることで、あ、なるほどね、とこっちもフットワークが軽くなれるところがあって。細かいところから、全体に広がるものがある。『HERO』に対する木村さんの想いを感じます。私にとって、木村さんはやっぱり、緊張する相手のひとり。私が最初に(民放の)連ドラ(『ロングバケーション』)に出たときにご一緒した方なので。いつも(どの作品でも)ちゃんとしなきゃとは思っているんですけど、やっぱり「がんばらなきゃ」と思いますね。本気でぶつかって、何かが起こればいいなと思うひとが木村さんです。

――緊張されるんですね。松さんと木村さんは「あうん」だと思っていました。
ああ、久しぶりだなとか、あ、この感じだね、と何となく木村さんと息があって、こっちの方向だね、と一致するときはとても嬉しい。それは木村さんに限らず、どなたとやるときもそうですけど。でも、懐かしいなというところで、楽しい、楽しいって、ふたりだけで盛り上がっても、つまらないから。プラス何か、新しいものがそこにないと次にいけないから。今回も、その結果、何かが生まれていればいいなと思っています。
(文:相田冬二)

 ある日、ネウストリア大使館の裏手の路上で、突然道に飛び出してきたパーティーコンパニオンの女性が車に跳ねられ死亡する事故が起こる。東京地検城西支部の久利生公平検事が事務官の麻木千佳とともに事故を起こした車の運転手を取り調べていたところ、かつて久利生とコンビを組んでいた元城西支部事務官・雨宮舞子が現れる。

 検事になり大阪地検難波支部に勤める雨宮検事は、自身の担当している広域暴力団絡みの恐喝事件の重要な証人が、久利生が担当する交通事故の被害者女性だったため、城西支部を訪れたのだった。そして、久利生の担当する事件は単なる交通事故ではない可能性が出てきて、久利生と雨宮の因縁のふたりによる合同捜査になることに。

 事故を追う久利生はネウストリア大使館に行き着くが、治外法権という壁にぶち当たる。あきらめずにあの手この手で大使館にアプローチする久利生の行動は、次第に日本とネウストリア公国の外交問題にも影響を及ぼし始め、外務省からの圧力を受けてしまう。さすがの久利生も、立ちはだかる“治外法権の大きな壁”の前になす術なく、捜査は進展せず暗礁に乗り上げる……。
 果たして、久利生はその強大な壁の向こうにある真実にたどり着くことが出来るのか?

監督:鈴木雅之 脚本:福田靖
出演:木村拓哉 北川景子 杉本哲太 濱田 岳 正名僕蔵 吉田 羊 ・ 松重 豊
八嶋智人 小日向文世 角野卓造 / 松 たか子 佐藤浩市
7月18日(土)全国東宝系にてロードショー
公式サイト:http://www.hero-movie.com/(外部サイト)
(C)2015フジテレビジョン ジェイ・ドリーム 東宝 FNS27社

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