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ダンサーも参入 リズムネタの新たな刺客、エグスプロージョンとは?
ダンスのキレと中毒性のあるリズムが生み出す笑い
それもそのはず、彼らは芸人ではなく、現役のダンサーなのだ。数多くのアーティストの振り付けやダンス講師も務める彼らは、ただ「織田信長が大好きすぎて、本能寺の変をもっと知ってもらいたかった」一心でこのネタを作ったという。そこから、この動画が300万回以上再生されひとり歩きを始めた。いつのまにか芸人扱いされ、所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシーの芸人には「お前、NSCの何期生?」と絡まれることもあるんだとか。そんな多くの反響を受け、現在は「ペリー来航」や「島原の乱」など様々なバージョンを公開中。
なかでも「ペリー来航」は、トレンディエンジェルの斎藤司とコラボした傑作。斎藤の「ペッ」というギャグを盛り込み、相川七瀬の「Break Out」をサンプリングしたネタは、「本能寺の変」よりもさらに笑える作品に仕上がっている。
“笑いをとる”ことを目的にしない…広がり続けるリズムネタ
エグスプロージョンのネタは、出発点が“笑いをとる”ことを目的にしているのではないこともあり、下品でもなければ意味不明でもない。彼らが伝えたいことが史実だったために、そのネタは“踊る授業シリーズ”というタイトルの通り、勉強になったり、知識を与えたりするものになっている。そんなアプローチは、新たなリズムネタの領域を開拓したといえるのではないだろうか。笑わせようとしなくてもリズムネタは成立し、そこから自然に笑いが生まれるということを見せつけてくれた。
そんなリズムネタは、今後、芸人やダンサーだけでなく、ミュージシャンや芸術家、タレントなどが参入してくることもあり得るかもしれない。オリエンタルラジオの中田敦彦は「リズムネタって演芸のなかでいちばん下に見られていて、素人っぽいってバカにされる」と語っていたが、その素人っぽさが、ほかの芸に比べてもより身近なものとして受け入れられ、その結果、層に偏りはあるかもしれないが、より多くの人を楽しませている。そんな親しみやすさがいまさらに間口を広げており、オリジナルのネタを作り、動画サイトで公開している大学生など一般の人も多い。広がり続けるリズムネタは、これからもさらに進化、変貌を遂げていきそうだ。
(文:吉田可奈)