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“桐島チルドレン”がシーンを席巻 人気若手俳優を多数輩出した映画『桐島』の功績

 かつて『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)というテレビドラマがあった。山下智久、妻夫木聡、坂口憲二、佐藤隆太、阿部サダヲといった現在人気の俳優陣を輩出し、脚本家・宮藤官九郎の出世作ともなったある種伝説のドラマ。そして今、神木隆之介をはじめ、東出昌大や橋本愛ら人気絶頂の俳優たちが一堂に会していたことで再評価されているのが、映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年公開)。改めてその功績を振り返ってみよう。

“若い層”よりも“大人たち”に高い評価を受けた『桐島』

  • DVD『桐島、部活やめるってよ』

    DVD『桐島、部活やめるってよ』

 物語はよくある高校生活を描いたもので、オタクの映画部監督(神木隆之介)が主人公。そして、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』でブレイクした橋本愛、松岡茉優、山本美月らが属する“クラスの中心的な目立つ女子4人組”、さらに「部活オンリーの童貞とセックスしまくりの帰宅部、どっちがいい」などとのたまう、スカした帰宅部イケメングループには、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』で人気になった東出昌大、最近注目を浴び始めた落合モトキがいるなど、確かに俳優陣は今となっては驚くほど豪華なメンツで、彼らはもはや“桐島チルドレン”といってもおかしくない。ちなみにバレー部を辞めたというタイトルの“桐島”は物語のキーにはなるが、会話に出てくるだけで一度も登場しない。

 内気ながらも、最後にようやく自分の意思を主張する主人公のオタク役を演じた神木は、この作品によって名子役から脱皮し、今ではドラマの主役を張るまでになった。片思いする吹奏楽部員役を好演した大後寿々花も元子役。落合モトキにしても『あっぱれさんま大先生』(フジテレビ系)の出身で、かつての子役たちがこの作品をきっかけにひと皮むけたのも特徴だ。原作は朝井リョウの小説で『小説すばる新人賞』を受賞したベストセラー作品だが、映画自体は、題材となった“若い層”ではなく、むしろ“大人たち”に高い評価を受けたという。それはなぜなのか?

“桐島チルドレン”をはじめ、能年玲奈ら20代前半が活躍

 今や日本の人口構成も大きく変わり、若い中高生の人口が減少しているせいか、テレビではストレートな“学園ドラマ”をなかなか観ることができない。中学校を舞台にした映画『ソロモンの偽証』も話題にはなっているが、学園ものというよりはサスペンス寄りだ。しかしこの『桐島』は、オタクグループとアカ抜けた女子グループやイケメン男子グループといった、“かつて高校生だった”大人たちも体験してきたであろう、“校内ヒエラルキー”(今でいうところの“スクールカースト”)が実に活き活きと描かれ、どこか気恥ずかしい高校生の心情や人間関係を真正面からとらえている。そうした「あったよね、こういう話」的な感じが、大人たちにかつての青春を追体験させ、心を動かしたようだ。それだけ今の大人たちは、自分の若い時代をよみがえらせてくれるような、“甘酸っぱい”物語に飢えているのかもしれない。

 現在、活躍する若手俳優を大きく分けるならば、30代前半は深田恭子、柴咲コウ、山田孝之、小栗旬、綾野剛など、20代後半は綾瀬はるか、長澤まさみ、堀北真希、佐藤健、松坂桃李など、20代前半は、この“桐島チルドレン”に『あまちゃん』の能年玲奈、有村架純、福士蒼汰らといってもいいだろう。

 映画では、映画部に所属する神木が友人とともに、真木よう子や満島ひかりといった“お姉さん女優”に興奮してみせたり、塚本晋也監督の『鉄男』を観る場面など、今の大人でもちょっとクスッとしてしまうシーンがあるのも魅力。現在のエンタメシーンにおいて第一線で活躍する “桐島チルドレン”たち。熱量を帯びた初々しい演技をもう一度観返すことで、なぜ彼らが現在第一線で活躍しているのかが改めて再確認できるだろう。

(文:五目舎)

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