ピーター・ホー『自分だったらまず理性的に話し合う』
気恥ずかしかった、穏やかで優しい男性役
ピーター昨日初めて完成した作品を観たばかりなんですよ。監督とチャン・チュンニンさんと3人で。僕は3回泣いてしまいました。
――どういうところで泣きましたか?
ピーター犬のリラとのハイタッチ、丘にのぼるところ、そしてラストシーンです。
――犬のリラの演技がすばらしすぎてびっくりしました。
ピーターそうなんです。僕とチュンニンさんとふたりで、リラには演技で負けたねって話していました(笑)。
――ほんとにリラの表情と動きがすごかったです。
ピーター映画の終盤で、リラが具合が悪くなるシーンがありますが、あの撮影のカットがかかった後でも、リラ役の犬は役に入ったままで、ぐったりとして動けない感じで、お芝居から抜け切らない様子すらあったんですよ。
――とはいえ、動物と一緒の撮影で苦労した点もあるのでは?
ピーター僕が演じるハオジエとチュンニンさんが演じるワンチェンがふたりで住んでいた、引っ越す前の小さなアパートのシーンは大変でした。あの撮影の日は本当に暑かったんです。部屋の外でも30度以上あって、室内は40度以上。小さい扇風機があったんですけど、それは犬のために使わないといけなくて……。
――ピーターさんが演じたハオジエという役は、これまで演じてきた役とはまた違った雰囲気だったと思いますが。
ピーターそうですね。すごく穏やかで優しい男性で、普段演じることの多い男くさい役とは違うので、自分でも最初は気恥ずかし気持ちもありました。セリフもゆっくりしゃべらないといけなかったし。でも、大人の女性はこういう男性が好きらしいということも聞きました(笑)。
――気恥ずかしいというのは、どういう感覚ですか?
ピーターどのシーンということはないんですけど、彼の全体的な雰囲気、しゃべり方とか。監督には、あまり声を低くしないように、ちょっと高めに話すようにとも言われました。そういうことが不慣れなので気恥ずかしかったんだと思います。
男性女性にかかわらず求める存在…
ピーター世間の事情をそこまで知っているわけではないんですけど、僕の友人ではなかなかいないですね。どちらかというと、男性も女性も同じように働いているカップルが多くて。やっぱりふたりで働いていると経済的な負担も小さくなりますからね。
――もし、この映画のように恋人が仕事に没頭するあまり関係が危うくなったら、どうすると思いますか?
ピーター自分だったらまず話し合いますね。ハオジエは内向的だし、自分の思いを口に出すことが得意ではないので大変だったと思いますけど、僕の場合は、決定的にすれ違う前に「自分たちの間に問題があるんじゃない?」と理性的に話を切り出して、それでもダメならそこでまた別の道を考えると思います。
――さきほど、ハオジエみたいな男性は大人の女性のウケがいいと言われていましたが、それはどういうところでウケがいいんでしょうか?
ピーター友人から聞いた話では、キャリアウーマンは外で働き詰めで疲れているから、家で恋人がごはんを作って待っていてくれたらいいなと思うことがあるそうです。でも、それは男女ともに同じかもしれません。忙しくなると、男女にかかわらず、そういう存在を求めるということはあるかもしれないですね。
――普段のピーターさんは、家にいるときはどういうふうに生活していますか?
ピーターできるだけ自分をリラックスさせて、時間のあるときは両親と過ごしたり、テレビを観たりと普通に過ごしています。撮影のために、ほとんどの時間を中国本土で仕事しているので、台湾に帰ってきても滞在は数日しかないんです。だから台湾にいるときは、自分に戻る時間という感じです。仕事ではいつも臨戦態勢なので、台湾ではゆっくり休んでリフレッシュして、そしてまた次の戦いに行くという気持ちです。
――髪型がさっぱりされていますが、また歴史もののお仕事をされているんでしょうか?
ピーター1930年代の軍人役を演じる映画の撮影に入っています。監督からは、髪はそのままでいいと言われていたのですが、僕が自分から切りました。役柄としては、顔に傷があったり体に入れ墨もあるようなすごみのある役なので、自分から申し出ました。
――最後に映画をこれから観る人にメッセージをお願いします。
ピーターどこのシーンがお勧めということではなく、映画全編を観て、心でこの映画を感じてほしいと思います。そうすれば、誰もが何かしら得るものがある映画だと思います。
(文:西森路代/撮り下ろし写真:泉山美代子)
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関連リンク
・映画『一分間だけ』公式サイト