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(更新: ORICON NEWS

イ・ビョンホン インタビュー『自信がありました…最近の作品で見せていない姿を披露』

世界で活躍する俳優イ・ビョンホンが、初の時代劇で一人二役に挑む宮廷歴史大作『王になった男』。そこで見せるのは、しばらく披露していなかったという本人にとっても特別な姿……。そんな本作に特別な想いを込めるビョンホンがインタビューに登場!俳優仲間から受けた印象的な言葉から、男のセクシーさについてまで、しっかりと聞きました!

コミカルななかにもリアルさを追求

――映画のなかでは、王様の光海と庶民のハソンの二役を演じられていました。この二面性はビョンホンさんのなかにあるものなんですか?
【イ・ビョンホン】 どういった役でもやっぱり自分の中にないものはできないと思うんですね。どんな人にも、様々な性格が混在していて、そのパターンって、数千、数万通りもあると思うんですよ。でも、普段は無意識だからそれには気づかない。俳優は、そんな潜在意識の中にあるたくさんの性質の中から、役にあった性質を見つけてきてデフォルメするのが仕事だと思います。また、そういう作業を楽しむのも俳優の仕事なんじゃないかな。

――ハソンには信頼できる人がいましたが、ビョンホンさんが、この人は信頼できるなと思える人というのは?
【イ・ビョンホン】 王様のように、権力を持った人の周りには、お世辞をいう人や、媚びへつらった人が集まってきたりしますよね。とくに、上り調子のときや、いろいろな影響力を持っている時期には、そういう人が周囲に増えてきます。でも、本当に信じていい人か知りたいならば、その人たちが他の人にどういう態度をとっているかを見ればいいんじゃないでしょうか。

――この作品に出演するにあたって、最初に感じた不安や期待というのは?
【イ・ビョンホン】 歴史上の光海君に対しては、暴君で、常に死の危険を感じていておびえている人という印象があったんですね。でも、この映画では、そこにフィクションを加味しています。なので、台本を読んでみて、コミカルでわくわくできる展開だったので、映画も楽しいものになるだろうと思い、スタッフを信頼して臨みました。ただ、台本を読んで楽しく思えても、実際に撮るとなると難しいものです。コミカルなシーンも単純にふざけて演じていればいいのではなく、リアルさがないと観ている人に共感されません。なので、コミカルでありつつも、洗練された良い作品にしないといけないというプレッシャーも感じていました。

――そのコミカルなシーンに、実際の撮影ではどのように取り組まれましたか?
【イ・ビョンホン】 コミカルなシーンというと、ちょっと無邪気さを出したり、表面的な動きや表情で表現しがちなんですが、それでは笑ってもらえないんじゃないかと思って悩みました。とくに、ハソンが王にしては幼いんじゃないかと思えるような詩を書いて王妃に読んで聞かせるシーンは心配しました。でも、このシーンには、ハソンの王妃に対する純粋な気持ちが大事だし、とにかくひと目でいいから王妃の笑顔が見たい、という気持ちさえ表現できれば、それでいいと思いました。幸い、映画を観た人が笑ってくれたので本当によかったです。

没頭する姿に宿る 男のセクシーさ

――監督からは、どのようなアドバイスを受けましたか?
【イ・ビョンホン】 実は、コミカルな演技には自信がありました。でも、久しぶりだから、コミカルさをどう出すかのさじ加減が難しかったんです。どれくらい抑えたほうがいいのか、思い切って出したほうがいいのか、監督に相談したことがあったんです。すると監督から、「その辺は得意だから信じてくれ。僕がちゃんと調節するから、加減は気にしなくていいよ」と言われました。監督にアイディアを出して、台本とは違う流れになったシーンもあるんですよ。ハソンが手を洗う桶の水を間違えて飲んでしまうシーンなんですけど。でも、そういう勘違いのシーンってほかの作品でもよくありますよね。あのシーンは、本来は、水を飲んで周囲の顔色を見るというので終わりだったんですが、それではありきたりだと思って、水を飲んで顔色を見て、また水を飲み干すという流れに変えて演じました。

――韓国で公開されて、周囲の方からの感想も聞いていると思いますが、そのなかで、意外だったり、納得したりした言葉はありましたか?
【イ・ビョンホン】 仲間の俳優たちや監督が来場する、韓国でのVIP試写の後の打ち上げで、後輩のひとりが興奮して駆け寄ってきたんです。そして私の両手を握って「こういう姿を待っていたんです」と言ってくれました。というのも、私は20年ほど前はコミカルな役も多くやっていたのですが、最近は少なくなっていて、そういう姿を知らない方も多いんです。でも、その後輩は以前から観てくれていたようで、ひさびさのコミカルな演技に感動してくれて、今にも泣きそうでした。また、別の機会なんですが、完成してすぐに共演者と観たとき、私は実はまだこの作品が観客に楽しんでもらえるかいまいち自信がなかったんですね。でも、共演のリュ・スンリョンさんが試写が終わると、すぐ僕のところにやってきて、「煙草を吸いに行こう」って言ってきたんです。そして、喫煙所に着くと、スンリョンさんが僕の手を握ってきて、「すばらしい作品!興奮して言葉も出ないほどだ」って言ってくれて。自分の出演している映画なのに、顔を上気させているスンリョンさんの姿を見て、すごくいい映画だったんだなって確信が持てて、私自身も安心しました。それからもうひとつ。ある俳優さんは、私に「すごくいい映画でしたが、なんでビョンホンさんは少ししか映画に出てこないんですか?」って言ってきたんです。どうやら彼は、私が光海君だけを演じていて、ハソンの方は別の俳優さんが演じていると思ったらしいんですね。でも、それって、俳優冥利に尽きるというか、良い褒め言葉だなと思いました。

――今回の映画のビョンホンさんも、すごくセクシーでしたが、ビョンホンさんの思う、男のセクシーさとはどういうところでしょうか?
【イ・ビョンホン】 セクシーだといってくださるのはうれしいんですが、今回、関係者の方には、ハソンがブサイクだったからよかったね……なんていわれたんですよ(笑)。男のセクシーさは、何かひとつのことに没頭している姿に宿るんじゃないでしょうか。女性にしてもそうだと思います。それから、余裕と責任感も大切だと思います。

――ビョンホンさんが仕事で一番重要視していることはなんですか?
【イ・ビョンホン】 セクシーさと通じますが、やっぱり自分のやるべきことに向かってのめりこむことではないでしょうか。俳優という仕事に限っていえば、虚構の世界をあたかも本当のように見せることが重要です。だから、どんなに短いシーンでも、これは真実だと思って心をこめて演じることが大事だと思います。

文:西森路代
モノクロ写真:jino Park(studio BoB)
(C)2012 CJ E&M Corporation

映画情報

王になった男

 光海君8年(1616年)、王位をめぐる権力争いで混乱した激動の時代。朝鮮王朝15代目の王・光海は、自身の命を狙う者からの毒殺に対する恐怖心から、自分の影武者になれる人物を探せと信頼できる忠臣ホ・ギュンに指示する。王と瓜二つの顔立ちで、王のものまねも完璧だった道化師ハソンが王の影武者をつとめることになるが・・・。

監督:チュ・チャンミン
出演:イ・ビョンホン リュ・スンリョン ハン・ヒョジュ キム・イングォン
【映画予告編】 【OFFICIAL SITE】
2013年2月16日(土)新宿バルト9、丸の内ルーブルほか全国ロードショー
(C)2012 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved

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