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『江』 大坂城・三姉妹の豪華絢爛な部屋公開 秀吉天下時代に“三つ葉葵”紋の理由も明らかに

 女優・上野樹里主演で、女性視点による戦国時代を描くNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』(総合 日曜 後8:00〜)。そのストーリーと共に、豪華なセットも注目を集めているが、このほど同局は、豊臣秀吉が建立した大坂城の三姉妹の部屋のセットを報道陣に公開。美術スタッフの思いや、通常の放送では見ることのできない、その“裏側”が紹介される中、セットに目を凝らしてみると、江を筆頭とする浅井三姉妹のそれぞれのカラーや、美術職人のこだわりが浮かび上がってきた。

茶々の部屋(C)ORICON DD inc. 

茶々の部屋(C)ORICON DD inc. 

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 「今回は女性が主役なので、色彩を明るくしようというのが、当初の設定です」とデザインプランを語るのは、同作の丸山純也美術チーフディレクター。丸山氏は、過去に大河ドラマ『葵 徳川三代』(2000年)、『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』(2002年)、『天地人』(2009年)も手掛けているが、「これまでとは同じものにしないように、新しいものを出していきたい」と意気込みを新たにしている。

 今回公開された三姉妹の部屋のセットは、東京・渋谷の同局内にあるスタジオ(537平方メートル)を目一杯使って設計された。中央には巨大な中庭を設置し、それぞれの部屋は廊下を介して移動する仕様になっており、三姉妹が部屋を行き交う姿が目に浮かぶ。

 実際の大坂城の資料がまともに残っていないため、構造は想像上の作りだが、丸山氏は「安土城では高さにこだわったセットでしたが、今回は広さかつ巨大な城をテーマにした」とこだわりを語る。その広さで象徴的なのは、長女・茶々の部屋だ。江や初と比べて1.5倍の15畳の広さで、内装も妹たちに比べて豪華な仕様。後に秀吉の側室に迎え入れられる茶々に対する、秀吉の寵愛ぶりがうかがえる作りになっている。

 鈴木保奈美演じる市と浅井三姉妹たちの“カラー”も明かされた。上野演じる江は「明るい」春を、水川あさみ演じる初は「元気さ溢れる」夏、宮沢りえ演じる茶々は「華やかな」秋、市は「しっとりとした」冬をイメージ。それぞれが乗る輿や、大坂城の三姉妹の部屋の床の間には、桜(=春)、撫子(=夏)、竜胆(=秋)、椿(=冬)の花が描かれており、春夏秋冬の四季でそれぞれの“個性”を表現しているという。現場の美術スタッフの趣向を凝らしたアイデアも、個々のイメージ作りに生かされている。茶々の部屋には香の道具、初には菓子箱、江には秀吉からの贈り物といった美術品が置かれ、3人3様の思想や特徴を連想させる細工も徹底されている。

 人間模様までも想像し、細部にまでこだわった『江』の美術セット。ただ、年季の入った天井板など、ところどころに年代を感じるものが目に留まる。丸山氏が「全部が全部、新しく作るというのは不可能ですから。再利用しているのもあります」と話すように、茶々の部屋にある「釘隠し」と呼ばれる化粧金具に注目して見ると、徳川家の家紋である「三つ葉葵」がくっきり。実は、大河ドラマ『徳川慶喜』(1998年)で使用された金具を“エコ活用”したといい、本番時には紋の上にシールを貼った状態で撮影が行われる。

 限られた範囲の中で、いかに華やかで奥行きのある世界観を表現できるかは、まさに職人の腕の見せどころ。今回の三姉妹の部屋には、そんな美術スタッフの“見えない努力”が詰め込まれている。大坂城のセットは、4月10日(日)放送の第14回『離縁せよ』から登場する。

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関連写真

  • 茶々の部屋(C)ORICON DD inc. 
  • 初の部屋(C)ORICON DD inc. 
  • 江の部屋(C)ORICON DD inc. 
  • 茶々の床の間に描かれた竜胆(C)ORICON DD inc. 
  • 初の床の間に描かれた撫子(C)ORICON DD inc. 
  • 江の床の間に描かれた桜(C)ORICON DD inc. 
  • 茶々の部屋(C)ORICON DD inc. 
  • 釘隠しには三つ葉紋が…(C)ORICON DD inc. 
  • 江の部屋には秀吉から送られた金の猿の像などの置物(C)ORICON DD inc. 

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