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異色の“日本映画” 早稲田大学大学院製作のマレーシア映画がカンヌに新風

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 開催中の『第63回カンヌ国際映画祭』の監督週間部門にて、マレーシアのウー・ミンジン監督の『タイガー・ファクトリー』(英題)が21日(現地時間)、公式上映された。同作は、早稲田大学大学院国際情報通信研究科の安藤紘平研究室とマレーシアの映画製作会社による合作。異色の“日本映画”がカンヌの地で好評を博した。

『タイガー・ファクトリー』のワンシーン 

『タイガー・ファクトリー』のワンシーン 

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 東京の自動車工場で働くことを夢みる女性・ピンを主人公とした物語。彼女は養豚場とレストランでの仕事を続けながら、渡航費用を稼ぐために伯母が手を染める闇の稼業に身をゆだねることになる。その仕事とは、若いマレーシア人女性と不法就労者をひきあわせて子どもをつくる“赤ん坊工場”というものだった…。

 同作が4作目となる監督のウー・ミンジンは、これまでの作品も世界の数々の映画祭で評価されているマレーシア映画界の期待の新星。今回が初めてのカンヌ登場となった。また、企画から脚本、キャスティング、撮影、編集、ポストプロダクションを手がけたエドモンド・楊(ヨウ)はシンガポール出身で、現在は東京に活動の拠点を移し、安藤教授の指導のもとで映像学を学んでいる。オーストラリアで映画製作を学び、自身の短編がヴェネチア映画祭でも上映されたことのある楊が、今回の製作費の半分を早稲田大学から引き出し、この意外な“国際共同製作”を実現させた。

 上映後の会見では、映画の内容に関連してマレーシアの社会状況の他、『タイガー・ファクトリー』というタイトルの由来についてフランスの記者が質問した。ウー監督は「タイトルを考えるときに2つのことを大事にしている。ひとつは、映画の要素を何かに置き換えた言葉を入れること。タイガーはマレーシアを象徴する動物であるとともに、主人公の女性を表している。もうひとつ大事にしていることは、実際に発音してみて、そのタイトルがしっくりくるかだね」と答えた。

 また、撮影機材への質問が及ぶと「SONYのHDカメラで撮影したけれど、日本じゃなくてマレーシアで調達したよ」と記者たちを笑わせる一幕も。次回作に問われると「いつでも複数の企画を用意しているし、またこのチームで撮影してみたい」と監督が語ると、そばから「もちろん日本の予算のサポートもチームにまた加わって欲しいね」と楊プロデューサーが茶目っ気たっぷりの笑顔で抜け目なくアピールした。

 監督週間の上映作品は21日に部門の受賞作が発表される。北野武監督の『アウトレイジ』が参加しているコンペティション部門の主要賞は、23日夜に行われる授賞式の席上で発表される。(文・岡崎 匡)

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