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「お客を見事にKOした」 北野武監督、カンヌでの新作上映に満足げ

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 北野武監督(ビートたけし)の新作で、第63回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された『アウトレイジ』(6月12日公開)が、現地時間17日夜に公式上映された。上映後、北野監督は「お客を見事にKOしたね。半分ぐらい途中で出る人がいるかと思っていたけど、出る人はいなかったからね」と満足げに語った。

第63回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された『アウトレイジ』の上映会場のレッドカーペットに登場した北野武監督 (c)Kazuko Wakayama 

第63回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された『アウトレイジ』の上映会場のレッドカーペットに登場した北野武監督 (c)Kazuko Wakayama 

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 上映会場のレッドカーペットに、ビシッとキメた黒いタクシード姿で到着した北野監督は、両サイドからのフォトコールに片手を上げてあいさつするなど、終始リラックスした様子だった。

 2300席ある会場は満席となり、北野監督をスタンディングオーペーションで迎えた。北野監督は少しはにかんだような表情を見せていたが、なかなか鳴り止まない大歓声に、手を上げてこたえた。

 上映後、別会場で行われたレセプションパーティで、日本向けの囲み取材に応じた北野監督は、まず記者たちに対して「ご苦労様です」という労いのあいさつ。「お客を見事にKOしたね。半分ぐらい途中で出る人がいるかと思っていたけど、出る人はいなかったからね。けれど、よくぞこのバイオレンス映画をカンヌが選んでくれたと、感謝感激だね」と喜びを語った。最高賞パルムドールをはじめ各賞は、現地時間23日の授賞式で発表される。

 以下は上映後の囲み取材での主なやりとり。

――最高賞を受賞したヴェネチアなど、数々の国際映画祭をご経験されているが、それらと比べて今回の手ごたえは?

北野:拍手の長さなんかを考えると、ベスト4に入るんじゃないかな。『HANA-BI』、『菊次郎の夏』、『座頭市』、そしてこの『アウトレイジ』と。悲惨だったのは『Dolls(ドールズ)』かな(笑)。

――賞へのプレッシャーなどありますか?

北野:こういった作品をコンペに選んでもらっただけで栄誉なこと。その上に賞なんて、図々しいよ。

――前回のカンヌ(第60回)では、ちょんまげのカツラで登場されましたが、今回はそんな演出はありませんでしたね?

北野:暴力を扱った映画で、さらにふざけたりすると、それこそ暴力になっちゃうからね。都家かつ江(みやこやかつえ)のように白塗りで出ても良かったけど、映画祭のディレクターに怒られちゃうからね。

――フランスで勲章をもらったり、評価が高いのはなぜだと思う?

北野:映画を始めた時は、異業種監督と言われた。だから意識して台詞を排除したり、場面を飛ばしたりした。それが新しかった。それが成功した原因だと思う。今回は、王道のエンタメをやろうと思った。『座頭市』にはまだ逃げた部分があった。
 例えるなら、フレンチの達人が、カツ丼を作っているようなものかな。どうだい? 美味しいだろ? 癖はあるかもだけど。こんなのもちゃんと作れるんだよって。そうしないと、日本で文化勲章もらえないからね(笑)。
 やっぱり小津(安二郎)さんや黒澤(明)さんの存在があってからこそだと思う。日本びいきも他の国よりフランスは多いしね。自分のファンクラブなんかがあって、その人たちが俺を理解しようとしてくれている。
 でも、本当は、お互いケチで人が悪いからかな(笑)。これ、フランスで報道されたりしないよね?(笑)

 映画『アウトレイジ』はヒーロー不在かつ全員が悪人ばかりで「極悪非道」のヤクザ社会を舞台に描いたもの。男たちの策略や罠、恨みが引き金となってヤクザ世界が大下克上劇に発展する物語には、現代社会の縮図が投影されているようにも見える。6月12日より全国公開。


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