『死霊のはらわた』や『シンプル・プラン』など、数々の名作を手掛け、『スパイダーマン』シリーズで世界にその名を不動のものとしたサム・ライミ監督。待望の新作は、日常生活に潜む些細なきっかけが呼び起こす、想定外にして究極の恐怖を劇場で“観る”のではなく“体感”するショック・エンターテイメントだ。
◆これはシンプルなお化けの物語なんだ
| 映画『スペル』のワンシーン (C)2009 Curse Productions LLC. All Rights Reserved | |
きっかけは、老婆へのほんの小さな不親切。そこから史上“最恐”の逆怨みが始まる。老婆が吐きかけた不気味な呪文=禁句(スペル)により、銀行に勤めるまじめなOL、クリスティンの平穏な日常が崩壊していく3日間。走り出したら最後までハイスピードで駆け抜けるジェットコースターのように、ショッキングな出来事がたたみかけてくる。タイムリミットの72時間で、老婆の呪文を解いて生き残ることができるか!?
【サム監督】 「シンプルな道徳的寓話。ヒロインは本当にいい子だ。善良な娘で、ロサンゼルスで成功したいと思っている。ところがそのために、1つだけ罪深い選択をしてしまう。それがきっかけとなり、彼女への報復が始まるんだ」
サム監督が、実兄のアイヴァン・ライミと共に『スペル』の脚本となる初稿を書いたのは、10年以上も前だったという。ところがこの脚本は、サム監督が『スパイダーマン』シリーズを手掛けることになったため、2007年後半まで寝かせられることになる。その間に、サム監督のハリウッドでの立場は段違いに向上し、映画監督が自由に使える道具をすべて手に入れた万全の状態で、『スペル』の製作に臨むことになった。
【サム監督】 「こういった物語が大好きだったし、とても面白い。弾ける幽霊物語、“飛び出すお化け”みたいな感じだ。観客もきっと見たいと思うはずだ。面白くて怖くて、僕はいつも単純さに惹きつけられる。これはシンプルなお化けの物語なんだ」
◆その役にピッタリの俳優を選ばなくてはならない
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ライミ兄弟の作り出す物語は、思いがけない出来事に関わったために、しぶしぶ戦わねばならなくなった普通の人間たちを追求してきた。『死霊のはらわた』のヒーロー、アッシュ・ウィリアムズや、もうひとりの自分を持つ『スパイダーマン』のピーター・パーカーのように。
【サム監督】 「僕が作る映画には、通常、特異な状況に陥ったごく普通の人々が登場する。この映画も例外じゃない。クリスティンは僕らが親近感をもち、共感できるキャラクターだと思う。彼女は間違った選択をしただけで、理不尽で異常な状況に追い込まれる。呪われるんだ。呪われて、3日間地獄に引きずり込まれてしまう」
リアル志向のためにも、数名の俳優がスタントに挑戦することを要求したサム監督。車の中で壮絶なファイト・シーンにも挑んだ主演女優のアリソン・ローマンについては?
【サム監督】 「アリソンはよく耐えているよ。彼女を戦わせたり、泥だらけにしたり、血みどろにしたり。でも彼女は根をあげず、そのたびにもっと強い心構えで向かってくる。大変なシーンのすべてで、彼女の忍耐力とプロ根性に驚かされたよ」
最後に、今、気になっている人、あるいはコラボレートしてみたい人がいるか聞いた。
【サム監督】 「仕事をしたい優れた俳優は何人かいるよ。でも藪から棒には答えられない。脚本が必要だし、どんな役かわからなくてはいけないし、その役にピッタリの俳優を選ばなくてはならない。キャスティングがすべてだと思う。尊敬する俳優を選ぶことだけじゃない。ピッタリの役にピッタリの俳優をキャスティングすることだ。その役を演じる誰かが、その役に命を吹き込む。彼らの幅、クオリティを見定めることだ。それは広げたり、縮めたりすることができるが、基本的には役にピッタリの俳優を選ぶことだ。だから俳優をリストアップするより、僕にとってはキャスティングの妙だと言いたい。尊敬する俳優はたくさんいるけれどね」
映画『スペル』は11月6日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国公開より全国公開。
| サム・ライミ 1959年10月23日生まれ。米ミシガン州フランクリン出身。若い頃から自主映画を監督し、大学を中退後、ロバート・タパート、俳優のブルース・キャンベルと共にルネッサンス・ピクチャーズを設立。カルトクラシックとなった本格デビュー作『死霊のはらわた』(83年)でセンセーションを巻き起こした。この成功に続き、『死霊のはらわた?』(87年)、『キャプテン・スーパーマーケット』(93年)で三部作を完結。高い評価を得たサスペンス・スリラー『シンプル・プラン』(98年)では、ビリー・ボブ・ソーントンが米アカデミー賞助演男優賞候補となった。そして2002年、アメリカン・コミックを映画化した『スパイダーマン』(トビー・マグワイア、キルステン・ダンスト、ジェームズ・フランコ出演)で世界的な大ヒットを記録。『スパイダーマン2』(04年)、『スパイダーマン3』(07年)とシリーズ化を重ね、ハリウッドを代表するヒットメーカーへと飛躍を遂げる。 |
| 『スペル』 銀行のローンデスクで働くクリスティン・ブラウン(アリソン・ローマン)は、ライバルに勝ってアシスタントマネージャーに昇進するために、上司に「出来る」ことをアピールする必要に迫られていた。 しかし、きっかけは老婆へのほんの小さな不親切だった。逆怨みで言い渡されたある「呪文」(スペル)が何の罪のないの銀行員の“平穏な日常”を跡形もなく変えていく。 映画史に名を刻むであろう超エキセントリックな怪婆・ガーナッシュ(ローナ・レイヴァー)の理不尽な脅威に怯えながら、主人公と辿る『恐怖の3日間』。 タイムリミットの72時間で、あなたはその「言葉」(スペル)の呪いを解いて生き残ることができるか? 原題:Drag Me to Hell 監督:サム・ライミ 脚本:サム・ライミ/アイヴァン・ライミ 出演:アリソン・ローマン ジャスティン・ロング ドリアナ・バラッザ 配給:ギャガ 公式サイト |
2009/10/25