俳優の佐藤二朗（53）が26日、都内で行われた『第14回TAMA映画賞』授賞式に出席。最優秀男優賞に輝いた佐藤だが、前段に同賞に輝いた松坂桃李から「佐藤二朗さんから『オレがしゃべりやすいように、場を柔らかくしろ』と言われて」と暴露されていたが、受賞のスピーチでは、さながら独壇場で会場を沸かせた。

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　佐藤は「松坂桃李が全部バラしましたね。言うことを予測していました（笑）。（舞台袖で自身が叫んだ）『バラすなよ』まで想定内です、ごめんなさいウソをつきました」と茶目っ気たっぷりにコメント。「31歳の時に映像の世界に入りました。22年目です。その間に僕が俳優として唯一もらったのがNG大賞です（笑）。今回初めて褒められた感じがします。バイプレーヤーと言いますけど、そういった俳優が賞をいただくのは、僕自身もそうですが、たくさんの俳優、もしかすると見ている方、言うに及ばず、僕自身の励みになります」と言葉に力を込めた。

　続けて「きょう、どんなスピーチをしようと考えていた時に、ちょっと良からぬことを思いついたんです。きょう11月26日は『いい二朗の日』で」と呼びかけると、会場から温かい拍手が。「こんな拍手がくるとは思わなかった」と驚きながらも、司会から「そろそろ、作品の話を…」と交通整理をされ、会場から笑いが起こった。

　受賞前に流れる、作品の映像にも触れ「みなさんご覧になっていますけど、松坂桃李の映像すごいよかったじゃん。オレはさ。いろんなところがあるんだけど、ネタバレになるから。なかなか流せなくて、お口くちゅくちゅしている映像でさ『いつものオレじゃない？』っていう」と笑いにあふれたスピーチを続けていき、直後にスピーチに立った広瀬すずから「二朗さんのあと、めっちゃ嫌だったんですよ（笑）」との言葉が飛び出すほどの内容となった。

　それでも、佐藤自身は反省しきりで「事務所の社長が見に来ているから、絶対怒られるわ」とポツリ。自身のルーツとなった倍賞千恵子と同席していることを受けて「倍賞千恵子さんと同じ式にいられることは大きな喜びです」と締めくくった。

■『第14回TAMA映画賞』
【最優秀作品賞】
深田晃司監督、及びスタッフ・キャスト一同（『LOVE LIFE』）
吉野耕平監督、及びスタッフ・キャスト一同（『ハケンアニメ！』）

【特別賞】
芦田愛菜、宮本信子、及びスタッフ・キャスト一同（年齢差を超えた二人の友情を越えた関係が、前に踏み出せないでいる私たちの背中を押してくれた『メタモルフォーゼの縁側』に対して）
小林啓一監督、及びスタッフ・キャスト一同（“恋とは何か？”という哲学的なテーマを扱いながら作品世界を何度も体験したくなる多幸感に浸れる『恋は光』に対して）

【最優秀男優賞】
佐藤二朗（『さがす』『truth 姦しき弔いの果て』『バイオレンスアクション』）
松坂桃李（『流浪の月』）

【最優秀女優賞】
倍賞千恵子（『PLAN75』）
広瀬すず（『流浪の月』）

【最優秀新進監督賞】
片山慎三（『さがす』）
森井勇佑（『こちらあみ子』）

【最優秀新進男優賞】
磯村勇斗（『ビリーバーズ』『PLAN 75』『異動辞令は音楽隊！』『さかなのこ』『前科者』『彼女が好きなものは』『ホリック xxxHOLiC』『劇場版　きのう何食べた？』『MIRRORLIAR FILMS Season3』）
横浜流星（『流浪の月』『アキラとあきら』『嘘喰い』『あなたの番です 劇場版』『DIVOC-12』）

【最優秀新進女優賞】
河合優実（『PLAN 75』『愛なのに』『ちょっと思い出しただけ』『女子高生に殺されたい』『百花』『冬薔薇』『偽りのないhappy end』）
伊東蒼（『さがす』『恋は光』『MIRRORLIAR FILMS Season4』）