『ミッドサマー』『ヘレディタリー/継承』『スイス・アーミー・マン』などを手がけ、話題作を次々と世に送り出す気鋭の製作・配給会社「A24」が北米配給権を獲得し、カンヌ国際映画祭で上映されるやいなや観客を騒然とさせた衝撃の話題作『LAMB/ラム』。日本では9月23日より全国36館で公開され、公開3日間で観客動員数2万人、興行収入3千万円を超えるスタートを切った。
同映画は、アイスランドの人里離れた田舎で暮らす羊飼いの夫婦が、羊から産まれた“羊ではない何か”を育てていく禁断のネイチャー・スリラー。子どもを亡くしていた夫婦人は、“羊ではない何か”を"アダ"と名付け、育てることにする。奇跡がもたらした"アダ"との家族生活は大きな幸せをもたらすが、やがて彼らを破滅へと導いていく。
衝撃的な設定の中にもリアリティを持った世界観を構築したことで世界から称賛を浴び、「第74回カンヌ国際映画祭」ある視点部門でPrize of Originalityを受賞、米アカデミー賞国際長編部門アイスランド代表作品にも選出されるなど、批評家からも高い評価を受けた。
同映画が人々を引き付けるのは、羊から産まれた羊ではない“何か”=“アダ”の存在だ。アイコンとも言える“アダ”はどのようにして誕生したのか? 本作を監督したヴァルディミール・ヨハンソンは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)などの特殊効果を手がけた後、同作で長編監督デビューを果たした。
幼少期に祖父母の羊牧場で時間を過ごすことが多かった監督。そんな彼にとって羊は身近な存在だったようで、「アダのインスピレーションは、祖父母が牧羊をしていたことから来ていると思います」と語る。気になるアダのビジュアルについては「美しくて、面倒を見たくなる姿を心がけて作りました」とのこと。
ヨハンソン監督は物語を作り上げるために、先ずは画像や自身のドローイング等を集めたムードボードとグラフィックノベルの制作に取り掛かった。監督にとって"ビジュアル"は映画作りの出発点であり、物語を伝える上で最も重要な要素なのだという。
また、アダの撮影においては、これまで「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン2(12年)、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』など数々の特殊効果を担当してきた監督の手腕が存分に発揮されている。
「現場ではまずパペットで撮影し、次に同じシーンを子どもで撮影、最後に羊を入れて撮影しました。なるべく撮影した映像を使って表現したかったので、VFXを使わないように心がけていました。ただし合成した際に、頭が大きく動いてしまっていたところはVFXで羊の頭を作りました。そのように頭と体の連動に気をつけながら撮影しました」。
工程を分け、アダの表現に時間と創意工夫が重ねられたという撮影秘話を明かしているヨハンソン監督。アダを描く点で注意したのは「映画を見ている人に『アダの姿をはっきりと見せられないんだな』と思わせないこと」だという。映画では描くことが難しい部分は、そもそもカメラを向けないことで済ますことができるが、本作で監督は妥協をしなかった。目論見通り、アダの衝撃的でありながらリアルな存在感は観る者を夢中にさせる。
(C)2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST, CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JOHANNSSON
映画『LAMB/ラム』 (C)2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST, CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JOHANNSSON
同映画は、アイスランドの人里離れた田舎で暮らす羊飼いの夫婦が、羊から産まれた“羊ではない何か”を育てていく禁断のネイチャー・スリラー。子どもを亡くしていた夫婦人は、“羊ではない何か”を"アダ"と名付け、育てることにする。奇跡がもたらした"アダ"との家族生活は大きな幸せをもたらすが、やがて彼らを破滅へと導いていく。
衝撃的な設定の中にもリアリティを持った世界観を構築したことで世界から称賛を浴び、「第74回カンヌ国際映画祭」ある視点部門でPrize of Originalityを受賞、米アカデミー賞国際長編部門アイスランド代表作品にも選出されるなど、批評家からも高い評価を受けた。
同映画が人々を引き付けるのは、羊から産まれた羊ではない“何か”=“アダ”の存在だ。アイコンとも言える“アダ”はどのようにして誕生したのか? 本作を監督したヴァルディミール・ヨハンソンは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)などの特殊効果を手がけた後、同作で長編監督デビューを果たした。
ヨハンソン監督は物語を作り上げるために、先ずは画像や自身のドローイング等を集めたムードボードとグラフィックノベルの制作に取り掛かった。監督にとって"ビジュアル"は映画作りの出発点であり、物語を伝える上で最も重要な要素なのだという。
また、アダの撮影においては、これまで「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン2(12年)、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』など数々の特殊効果を担当してきた監督の手腕が存分に発揮されている。
「現場ではまずパペットで撮影し、次に同じシーンを子どもで撮影、最後に羊を入れて撮影しました。なるべく撮影した映像を使って表現したかったので、VFXを使わないように心がけていました。ただし合成した際に、頭が大きく動いてしまっていたところはVFXで羊の頭を作りました。そのように頭と体の連動に気をつけながら撮影しました」。
工程を分け、アダの表現に時間と創意工夫が重ねられたという撮影秘話を明かしているヨハンソン監督。アダを描く点で注意したのは「映画を見ている人に『アダの姿をはっきりと見せられないんだな』と思わせないこと」だという。映画では描くことが難しい部分は、そもそもカメラを向けないことで済ますことができるが、本作で監督は妥協をしなかった。目論見通り、アダの衝撃的でありながらリアルな存在感は観る者を夢中にさせる。
(C)2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST, CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JOHANNSSON
2022/10/03