女優の吉田羊が27日、新宿・紀伊國屋ホールで行われた『第56回紀伊國屋演劇賞』の贈呈式に出席。個人賞を受賞した。
パルコプロデュース公演『ジュリアス・シーザー』におけるブルータスの演技に対しての受賞となった。受賞のスピーチで吉田は「4度目の緊急事態宣言が解除されて10日後に開幕しました。ほかの作品が、そうであったように我々の作品も例外でなく、毎日、感染者数とにらめっこしながら、文字通り祈りながら舞台に立ち続けた。地方に行けば『この舞台を無事に届けてくださって、ありがとうございます』という今までにない感謝の言葉を多くいただきました。舞台が無事に開幕して閉じることは奇跡。それを教えてくれたのは、皮肉にもコロナでした。でも、そのことを作り手と観客が一体となって実感できたことは素晴らしいことだと思います」と実感を口にした。
『ジュリアス・シーザー』のオファーが来た段階では「シェイクスピアが苦手だった」という。それも「迷ったら難しい方を選びなさい」という、ある人の言葉に背中を押されて受諾した。「かくして、およそ登れないと思った頂には、見たことのない景色が広がっていた。一筋縄ではいかない古典戯曲との真剣勝負は、この上ない楽しさと喜びと手応えを私に与えてくれた。今、私はシェイクスピアの魅力に取り憑かれています」と笑顔を見せた。
会場となった紀伊國屋ホールでの思い出も。「私が、この紀伊國屋ホールに立たせていただくのは実は2回目。1度目は19年前の2003年の劇団絶対王様の『恐怖動物汁』というタイトルの舞台でした。思い返すと、小劇場にはいろんなタイトルがあるな、と思うんですけど(笑)。その中で私は『ララララ〜ラ〜汁が出る〜』という謎の歌を歌っていました」とはにかむ。「その私が、今年俳優25周年を迎えることになりました。その間、多くのご縁をいただいた。ここまで連れてきてくださった、お一人お一人に感謝の思いを新たにし、これからも迷ったら難しいを選ぶ。真剣に向き合った先で演劇がもたらしてくれる喜びに数多く出会っていけるように、これかも精進していきたい」と決意を新たにした。
審査員を代表して小田島恒志委員は「『ジュリアス・シーザー』は全員よかった」と、キャスト陣へ賛辞を送りながら「きっと『ブルータス、お前だけか』って言われていると思う」と話し、笑わせた。続けて、俳優の吉田鋼太郎が「『ジュリアス・シーザー』の吉田羊のブルータスがよかったね」と話していたことも明かされた。「あんまり人の芝居を褒める人じゃない。鋼太郎さんの中ではシェイクスピア俳優で、たぶん自分が1番だと思っている。その鋼太郎さんがシェイクスピア俳優としてライバルのように吉田羊さんを見ていた。それぐらい、ほかの人には出し切れないブルータスを演じてくれた」と選出した理由を説明した。
“余談”として、吉田は「『ジュリアス・シーザー』初日に観にいらしたお客様が(演出の)森(新太郎)さんに『吉田羊はすでに吉田鋼太郎だったね』という感想を残されて帰られたそうです」と報告。「それを聞いて、私は『それは褒め言葉ですか?』と尋ねました。『シェイクスピア界隈では、最高の褒め言葉だよ』と言われました。今後、吉田鋼太郎さんとシェイクスピアで共演する機会がありましたら、喜んで参加したい」と笑わせながらスピーチを締めくくっていた。
そのほか、団体賞で劇団俳優座、個人賞でひびのこづえ、松尾貴史、緒川たまき、上村聡史が受賞した。
パルコプロデュース公演『ジュリアス・シーザー』におけるブルータスの演技に対しての受賞となった。受賞のスピーチで吉田は「4度目の緊急事態宣言が解除されて10日後に開幕しました。ほかの作品が、そうであったように我々の作品も例外でなく、毎日、感染者数とにらめっこしながら、文字通り祈りながら舞台に立ち続けた。地方に行けば『この舞台を無事に届けてくださって、ありがとうございます』という今までにない感謝の言葉を多くいただきました。舞台が無事に開幕して閉じることは奇跡。それを教えてくれたのは、皮肉にもコロナでした。でも、そのことを作り手と観客が一体となって実感できたことは素晴らしいことだと思います」と実感を口にした。
『ジュリアス・シーザー』のオファーが来た段階では「シェイクスピアが苦手だった」という。それも「迷ったら難しい方を選びなさい」という、ある人の言葉に背中を押されて受諾した。「かくして、およそ登れないと思った頂には、見たことのない景色が広がっていた。一筋縄ではいかない古典戯曲との真剣勝負は、この上ない楽しさと喜びと手応えを私に与えてくれた。今、私はシェイクスピアの魅力に取り憑かれています」と笑顔を見せた。
会場となった紀伊國屋ホールでの思い出も。「私が、この紀伊國屋ホールに立たせていただくのは実は2回目。1度目は19年前の2003年の劇団絶対王様の『恐怖動物汁』というタイトルの舞台でした。思い返すと、小劇場にはいろんなタイトルがあるな、と思うんですけど(笑)。その中で私は『ララララ〜ラ〜汁が出る〜』という謎の歌を歌っていました」とはにかむ。「その私が、今年俳優25周年を迎えることになりました。その間、多くのご縁をいただいた。ここまで連れてきてくださった、お一人お一人に感謝の思いを新たにし、これからも迷ったら難しいを選ぶ。真剣に向き合った先で演劇がもたらしてくれる喜びに数多く出会っていけるように、これかも精進していきたい」と決意を新たにした。
審査員を代表して小田島恒志委員は「『ジュリアス・シーザー』は全員よかった」と、キャスト陣へ賛辞を送りながら「きっと『ブルータス、お前だけか』って言われていると思う」と話し、笑わせた。続けて、俳優の吉田鋼太郎が「『ジュリアス・シーザー』の吉田羊のブルータスがよかったね」と話していたことも明かされた。「あんまり人の芝居を褒める人じゃない。鋼太郎さんの中ではシェイクスピア俳優で、たぶん自分が1番だと思っている。その鋼太郎さんがシェイクスピア俳優としてライバルのように吉田羊さんを見ていた。それぐらい、ほかの人には出し切れないブルータスを演じてくれた」と選出した理由を説明した。
“余談”として、吉田は「『ジュリアス・シーザー』初日に観にいらしたお客様が(演出の)森(新太郎)さんに『吉田羊はすでに吉田鋼太郎だったね』という感想を残されて帰られたそうです」と報告。「それを聞いて、私は『それは褒め言葉ですか?』と尋ねました。『シェイクスピア界隈では、最高の褒め言葉だよ』と言われました。今後、吉田鋼太郎さんとシェイクスピアで共演する機会がありましたら、喜んで参加したい」と笑わせながらスピーチを締めくくっていた。
そのほか、団体賞で劇団俳優座、個人賞でひびのこづえ、松尾貴史、緒川たまき、上村聡史が受賞した。
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2022/01/27