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大泉洋を刺激する田中泯の魅力とは? 映画『名付けようのない踊り』対談特別映像

 世界的なダンサーとして活躍する田中泯の踊りと生き様を追った映画『名付けようのない踊り』(1月28日公開)の公開を記念して、公私共に親交のある、俳優・大泉洋と田中の対談が行われ、その模様がYou Tubeで公開された。

世界的ダンサー・田中泯と大泉洋の対談が実現〜ドキュメンタリー映画『名付けようのない踊り』(1月28日公開) (C)2021「名付けようのない踊り」製作委員会

世界的ダンサー・田中泯と大泉洋の対談が実現〜ドキュメンタリー映画『名付けようのない踊り』(1月28日公開) (C)2021「名付けようのない踊り」製作委員会

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 1978年にパリデビューを果たし、世界中のアーティストと数々のコラボレーションを重ね、そのダンスの公演歴は現在までに3000回を超える田中。映画『たそがれ清兵衛』(2002年)から始まった映像作品への出演も、ハリウッドからアジアまで広がっている。そんな独自の存在であり続ける彼のダンスを、『メゾン・ド・ヒミコ』(05年)への出演オファーをきっかけに親交を重ねてきた犬童一心監督が、ポルトガル、パリ、東京、福島、広島、愛媛などを巡りながら撮影し、ドキュメンタリー映画としてまとめたのが本作だ。

 今回、実現した大泉と田中の対談では、2人の出会いから、俳優としてのアプローチ方法の違いについて、そして、田中の踊りから大泉が受けた刺激と衝撃、「なぜいま田中泯にひかれるのか?」を近くで見てきた大泉洋だから語れる言葉で、身振り手振りなど、踊り(?)を交えながら、たっぷり語っている。

■ふたりの出会いは朝ドラ「まれ」

 ふたりが初共演したのは15年放送(能登で最初に行われた撮影は14年)の連続テレビ小説『まれ』(NHK)だったが、「でも実は、そのちょっと前に京都の撮影所でお会いしているんですよ。その後に朝ドラ(での共演)が決まったんで。不思議なご縁もあるなと思ったんですよ」と明かす大泉の言葉に、田中は驚いた様子で「本当に? 記憶違いなんじゃないの?」と笑ってみせる。

 『まれ』の撮影を振り返って大泉は「(塩田での塩作りのために)塩田に立ってるあのお姿は、本物よりも本物らしいというか。何をやってもそうなっちゃうのがすごいなと。大河ドラマ(『鎌倉殿の13人』)でも泯さんだけがタイムスリップしてきた人に見えるんですよ。なんでなんだろうなと思いますよね」と感心した様子を見せる。

■田中泯の俳優としてのアプローチ

 近年は俳優として映画・ドラマへの出演が相次ぐ田中だが、「僕はせりふを覚えるのが嫌いだし、上手に喋(しゃべ)れるわけでもない。だからまず、その人はどういう気配を放っているのか、背中はどうなっているのか、肩がどうなっているのか、そっちの方に関心がいってしまう。身体がその人になるというかね」とその役作りのアプローチを説明。

 それを聞いた大泉は「僕らだと、どうしてもせりふに頼っちゃうから。でも泯さんはそうじゃない。泯さんの踊りというのもそういうところから入っているんでしょうね」とその独特なアプローチに理解を示す。

■田中泯の踊りを初めて見た時の衝撃

ドキュメンタリー映画『名付けようのない踊り』(1月28日公開) (C)2021「名付けようのない踊り」製作委員会

ドキュメンタリー映画『名付けようのない踊り』(1月28日公開) (C)2021「名付けようのない踊り」製作委員会

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 大泉が田中の踊りを初めて見たのは、中野区にある小劇場「plan-B」での公演だったが、その光景がどうにも忘れられなかったという。「あの地下の狭いスタジオでギュウギュウになりながら観たんですが、暗闇の中から弱い光がフワッと浮かび上がると、泯さんが角材をおでこに当てて三角形にしていて。そこから動かないわけです。でもそこでおでこの角材がドーンと外れて、泯さんが崩れ落ちて、倒れてしまった。どうするのかなと思ったら、そこからまた角材を持ってジワーッと、ゆっくりと立ち上がって。また三角形になった。誰も何も言わない。とにかく静寂が流れるだけ。あれは何でしょうねぇ」とその時の様子を克明に描写する大泉。

 「あれだけ動かないものを見ているのに、体験としてはすごいスリリングなわけですよ。もう劇的としか言いようがない。衝撃的な体験でしたね」と語る大泉の言葉もどんどん熱を帯びてくる。

 「それで終わった後に泯さんとお話をする機会があって。『あの角材で三角形になった時はどんな気持ちだったんですか』と聞いたら、『きれいな三角形でしょ、と思っているんです』と。『では角材がバーンと外れたのはああいう演出なんですか』と聞いたら、『あれはビックリしました』って。『ハプニングなんですか?』と聞いたら『そうですよ』だって」。

 そのやりとりが可笑しくてしょうがなかったといった様子の大泉に対して、田中も笑顔で「終わった後に、あなたが『笑っちゃいけないんですか』って言ったのがうれしかったんですよ」とクスクス笑い。さらに「僕はね、笑おうが怒ろうが、その見ている人の中に、きっかけがすべてあるはずなんです。だからあそこでゲラゲラと笑い声が出ても、まったく僕は平気なんですよ。平気というよりはむしろ望んでいるわけです。それが当たり前なんだから」とその踊りに対する思いを語った。

 その後も田中の語る独特な踊りの哲学を聞いて大泉は「なんかこうやって話していると、役者の仕事もそうだなと思うんですよね。だから次のお仕事はもっと上手にできるんじゃないかと、泯さんと話し合うと思いますね」としみじみ語る。

■なぜ今、田中泯にひかれるのか?

 そんな大泉が今回のドキュメンタリー映画について「誰もが泯さんの踊りを生で見られるというわけではないからこそ、この映画は観た方がいい。こんな世界があるのかと思いますし、めくるめく(踊りの)世界が広がってるので。そういった意味では犬童(一心)監督がよくぞいろんなところについていって、撮ってくれたなと思いますね」と語ると、「田中泯さんの踊りにまだ出会ってないという方にとっては、本当に素晴らしい機会だと思う。これはぜひ見てもらえたら面白いと思います」と観客にメッセージを送った。

 その上で最後に「なぜ今、彼にひかれるのか?」とあらためて問いかけられた大泉。「僕は突きつけられる感覚というか、『それでいいのか、お前』と言われてるような感覚があるんです」と前置きしつつ、「自分じゃ、なかなかムチを入れられないんですけど、そのムチを目の前で入れてもらえるというか。そういう感覚が欲しくて、田中泯を見たいと思うんじゃないですかね」と田中の魅力について言葉をかみ締めるように語っていた。


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