漫画家・随筆家のヤマザキマリ氏、作家の冲方丁氏が28日、都内で行われた映画『最後にして最初の人類』の公開記念トークイベントに参加した。
SF作品の金字塔的作品の映画化。SFとはという質問にヤマザキ氏は「作り手の独自の想像力を共有するために読み手も想像力をフレキシブルにしないといけない。そういった意味でもSFは人類にとってなきゃいけない文化だと思う」とする。自身の代表作である『テルマエ・ロマエ』についても「自分ではSFだと言い張っているのに、そう思われていない」とボヤくと、冲方氏は「ポスターにSF大作って書いてあった。(S)すごい(F)風呂大作って」と笑顔で合いの手を入れる。
ヤマザキ氏は「すごい風呂かい、とは思った(笑)。あれは私が作ったんじゃなくて、コピーの方が作られた」と苦笑。そして「未来の方だけに関わらず、大した情報がない中で大きく想像力をふくらませて自分なりのフィクションを盛り込めるとSFだと思っている。歴史的なものを、たくさん盛り込むのもSFでいいのかな」と持論を熱弁。「(S)すごい(F)風呂が私にとってのSFじゃありません」と返し、笑わせた。
1930年の初版以来、『2001年宇宙の旅』で知られるアーサー・C・クラーク等にも大きな影響を与えてきたオラフ・ステープルドンのSF小説の金字塔『最後にして最初の人類』が原作。20億年先の人類から語られる壮大な叙事詩を、北欧の天才作曲家のヨハン・ヨハンソン氏が映画化。2018年2月に亡くなったヨハンソン氏が生前、最後に取り組んだ最初で最後の長編映画で、仲間たちの尽力により、没後2年の時を経て、完成した貴重な作品となっている。
ステープルドンの別の作品を夫から勧められたことがきっかけで読んだというヤマザキ氏は「夫が比較文学を研究していた。ある日、突然、オラフ・ステープルドンの『シリウス』という本を持ってきて『ものすごい本に出会ったから読んだほうがいい』と。先にうちの子どもが読んで、ダブルで『すごいから読め』と圧をかけられた」と笑いながら「読んだら本当にすごかった。世界観だけじゃなくて、筆致がものすごく美しい。純文学にも十分、太刀打ちできる、それを超える文体だった」と衝撃を振り返った。
その後、一家そろって、ステープルドンのファンに。この日は『最後にして最初の人類』の書籍を持参し「うちの子どもから借りてきた。今、古本屋で2万5000円ぐらいするので返さないといけない」と冗談交じりに熱く語っていた。
一方の、冲方氏はステープルドンとの出会いについて「今回の映画が初めて」とする。難解極まる同作について「観終わった後に、ものすごく興味を引かれた。何を考えていたんだろう、と。しばらく、僕の中にでっかいクエスチョンがあった。すっごい本を探したけど売ってない…。ハヤカワさんが電子化してくれるに違いないと信じている」とお願いし、笑わせた。
ヤマザキ氏は「一応、親切なところもあるんですよ。『多様な人種が』となったら有機的ななんとなく人間の顔みたいなモニュメントが出たり、『墓標が』となったら、そういう感じになったり」とフォロー。冲方氏は「終盤は陶酔状態になる。20億年先からの声を聞く、みたいな。油断して観始めて、プロローグ長いなと思ったら本編だった。だんだんプロローグという観念も失った。忙しくて疲れ切った時に、この映画を見ると違う世界に行ける」と笑わせながらも「半分ちゃかしてますけど、文学史に残る貴重な本。ものすごいものを作った」とアピールしていた。
SF作品の金字塔的作品の映画化。SFとはという質問にヤマザキ氏は「作り手の独自の想像力を共有するために読み手も想像力をフレキシブルにしないといけない。そういった意味でもSFは人類にとってなきゃいけない文化だと思う」とする。自身の代表作である『テルマエ・ロマエ』についても「自分ではSFだと言い張っているのに、そう思われていない」とボヤくと、冲方氏は「ポスターにSF大作って書いてあった。(S)すごい(F)風呂大作って」と笑顔で合いの手を入れる。
1930年の初版以来、『2001年宇宙の旅』で知られるアーサー・C・クラーク等にも大きな影響を与えてきたオラフ・ステープルドンのSF小説の金字塔『最後にして最初の人類』が原作。20億年先の人類から語られる壮大な叙事詩を、北欧の天才作曲家のヨハン・ヨハンソン氏が映画化。2018年2月に亡くなったヨハンソン氏が生前、最後に取り組んだ最初で最後の長編映画で、仲間たちの尽力により、没後2年の時を経て、完成した貴重な作品となっている。
ステープルドンの別の作品を夫から勧められたことがきっかけで読んだというヤマザキ氏は「夫が比較文学を研究していた。ある日、突然、オラフ・ステープルドンの『シリウス』という本を持ってきて『ものすごい本に出会ったから読んだほうがいい』と。先にうちの子どもが読んで、ダブルで『すごいから読め』と圧をかけられた」と笑いながら「読んだら本当にすごかった。世界観だけじゃなくて、筆致がものすごく美しい。純文学にも十分、太刀打ちできる、それを超える文体だった」と衝撃を振り返った。
その後、一家そろって、ステープルドンのファンに。この日は『最後にして最初の人類』の書籍を持参し「うちの子どもから借りてきた。今、古本屋で2万5000円ぐらいするので返さないといけない」と冗談交じりに熱く語っていた。
一方の、冲方氏はステープルドンとの出会いについて「今回の映画が初めて」とする。難解極まる同作について「観終わった後に、ものすごく興味を引かれた。何を考えていたんだろう、と。しばらく、僕の中にでっかいクエスチョンがあった。すっごい本を探したけど売ってない…。ハヤカワさんが電子化してくれるに違いないと信じている」とお願いし、笑わせた。
ヤマザキ氏は「一応、親切なところもあるんですよ。『多様な人種が』となったら有機的ななんとなく人間の顔みたいなモニュメントが出たり、『墓標が』となったら、そういう感じになったり」とフォロー。冲方氏は「終盤は陶酔状態になる。20億年先からの声を聞く、みたいな。油断して観始めて、プロローグ長いなと思ったら本編だった。だんだんプロローグという観念も失った。忙しくて疲れ切った時に、この映画を見ると違う世界に行ける」と笑わせながらも「半分ちゃかしてますけど、文学史に残る貴重な本。ものすごいものを作った」とアピールしていた。
2021/07/28