ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

宮沢氷魚、大ブレイクの予感も「絶対勘違いしてはいけない」と真摯な眼差し

 モデルとしてデビュー後、2017年放送の連続ドラマ「コウノドリ」(TBS系)にレギュラー出演し、俳優業の扉を開いた宮沢氷魚。映画『his』(2020年公開)では、一人の男性に恋心を抱いてしまった青年・井川迅を繊細に演じ、第45回報知映画賞新人賞をはじめ、数々の映画賞を受賞した。その後も、テレビドラマや映画、舞台と精力的に芝居を続け、飛ぶ鳥を落とす勢いの宮沢だが「絶対勘違いしてはいけない」と気を引き締める。

映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.

映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 最新作映画『騙し絵の牙』では、大泉洋松岡茉優佐藤浩市木村佳乃國村隼ら豪華キャストが出演するなか、塩田武士の原作小説には登場しないオリジナルキャラクターである新人作家として出演し、物語に重要な役割を果たす。

 宮沢は「大泉さんをはじめとする俳優さんたちの存在感がすごくて、このお話をいただいたとき『自分で大丈夫かな』と不安があったんです」と正直な胸の内を明かすが、「現場に入ると、皆さん作品に対する熱量がすごいのですが、すごく温かく迎え入れていただけて、思い切りやることができました」と共演者に感謝を述べる。

 宮沢演じる新人作家は、その才能ばかりか美しいルックスで、一瞬にして女性たちを魅了する。「女性にキャーキャー言われる部分は、照れくさかったのですが、モデルのファッションショーのときの視線を思い浮かべながらやっていました」と笑うと、物語のカギを握るミステリアスな立ち位置には「そういう役をいただけることが多かったので、温度感みたいなものは自分のなかで考えて臨みました」と演技プランを明かす。

 メガホンをとったのは『桐島、部活やめるってよ』、『紙の月』、『羊の木』など国内外を問わず高い評価を得ている映像作家の吉田大八監督。宮沢にとって初の吉田組となるが「お芝居に対してはあまり細かい指示はなかったのですが、画面への映り方みたいなところのこだわりがすごかったです」と感想を述べる。

 立ち位置や間の取り方など、ミリ単位での変化によって、作品の見え方が大きく変わる吉田マジックを経験し「指摘していただいたところを映像でみると、僕がいうのもおこがましいのですが、ものすごくハマっているというか、すごいなと感じました。とても勉強になる現場でした」と気づきが多い撮影だったことを明かす。

 俳優デビューから3年。吉田監督をはじめ、今泉力哉監督、英勉監督など、いまをときめく映像作家たちの現場を経験し、自身も各映画賞で新人賞に輝くなど、いま最も注目される若手俳優の一人と言っても過言ではない。

 デビューしたとき、いまの状況は想像していたか尋ねると「良いスタートを切れたら嬉しいなとは思っていましたが、まったく想像していなかったです」と笑う。続けて宮沢は「僕は芸能界に入ったのも20代になってからで、お芝居の経験も同世代の俳優たちと比べて遅かったので、どこかでずっと焦りみたいなものを感じて、正直苦しかったんです」と語る。

 しかし「運よく素敵な作品と、素敵な監督さん、プロデューサーさんと出会えたことで、いまの自分がいるんです。そういう方々のおかげで、いまこうしてお芝居が続けられているんだと思います」と感謝を忘れない。だからこそ「もしかしたら調子に乗ってしまう瞬間がくるかもしれない。でも絶対勘違いだけはしないように、皆さんのおかげなんだという気持ちだけは忘れず、作品に謙虚に取り組んでいきたいです」と強い視線を向ける。

 「長くこの仕事を続けていきたいです」と語った宮沢。誰もが目で追いたくなるような独特な存在感は、宮沢の持つ大きな武器であることは間違いない。しっかりと自身の個性を把握し、謙虚に誠実に作品に向き合う姿勢……そんな逸材をクリエイターたちが放っておくはずがないだろう。(取材・文:磯部正和)

『騙し絵の牙』
2021年3月26日公開
監督:吉田大八
脚本:楠野一郎、吉田大八
原作:塩田武士「騙し絵の牙」(角川文庫/KADOKAWA 刊)
出演:大泉洋、松岡茉優、宮沢氷魚、池田エライザ斎藤工中村倫也佐野史郎リリー・フランキー、恂{晋也/國村隼國村隼、木村佳乃、小林聡美、佐藤浩市

大手出版社「薫風社」に激震走る! かねてからの出版不況に加えて創業一族の社長が急逝、次期社長を巡って権力争いが勃発。専務・東松(佐藤浩市)が進める大改革で、雑誌は次々と廃刊のピンチに。会社のお荷物雑誌『トリニティ』の変わり者編集長・速水(大泉洋)も、無理難題を押し付けられて窮地に立たされる……が、この一見頼りない男、実は笑顔の裏にとんでもない“牙”を秘めていた!
嘘、裏切り、リーク、告発。クセモノ揃いの上層部・作家・同僚たちの陰謀が渦巻く中、新人編集者・高野(松岡茉優)を巻き込んだ速水の生き残りを賭けた“大逆転”の奇策とは!? 宮沢氷魚は新人小説家役で出演する。

関連写真

  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.
  • 映画『騙し絵の牙』に出演する宮沢氷魚 撮影:田中達晃(Pash)(C)ORICON NewS inc.

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索