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秋田汐梨、2020年に飛躍期待の新鋭女優 お嬢様ルックスが放つ“激情”

■「Film makers(映画と人 これまで、そして、これから)」第31回 2020年・飛躍を誓う若手女優たち

 昨年末に発表された『2019年 ブレイク女優ランキング』(ORICON NEWS)では、清原果耶や浜辺美波今田美桜らがランクインしたが、ここでは2020年に大きく飛躍しそうな、若手女優たちにスポットを当てる。

■ドラマ「ホームルーム」でヒロインを務める秋田汐梨

 最初にピックアックするのは、1月23日から放送開始されるMBS系ドラマ特区『ホームルーム』で、ヒロイン桜井幸子役を演じる秋田汐梨。2003年生まれの現在16歳で、所属事務所は数多くの人気女優を要するスターダストプロモーション。

 2019年は、年明けから放送されたドラマ『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』に秋庭凛役で出演すると、9月27日に公開された映画『惡の華』では、伊藤健太郎扮する春日高男のクラスメイト佐伯奈々子を演じた。奈々子は、黒髪でお嬢様風のルックスを持ち、男子からの人気も高いが、高男や玉城ティナ演じる仲村佐和の存在を意識し始めることで、自身の持つ“常識”に疑念を持ち、崩壊していく少女。秋田はそんな奈々子の狂気的な内面を好演した。

 奈々子は数百人のオーディションから勝ち取った役柄だが、メガホンをとった井口昇監督は「佐伯を演じられるのは彼女しかいない」と瞬時にその才能を見出したことを述べていたが、劇中で見せる非常にきわどいシーンも、圧倒的な存在感で演じ切り、ある意味で秋田が登場するシーンは、彼女が作品全体を支配していた。原作者の押見修造氏も、イベントで撮影時15歳だった秋田の堂々たる奈々子の“激情”表現を大絶賛するほど、その演技力に驚いた人は多いだろう。

 前述した「ホームルーム」では、クラスメイトから執拗ないじめを受ける女子高生・桜井幸子を演じる。かなり過激な内容が予想されるが、秋田の演技には大きな注目が集まる。

■大抜てきの小西桜子! 2月にはヒロインを演じる映画が2本公開

 次に注目したいのが、2月にヒロインを務める劇場公開映画『ファンシー』(2月7日公開)、『初恋』(2月28日公開)が立て続けに控える新進女優・小西桜子。『ファンシー』が劇場映画初出演となる小西だが、劇中では、窪田正孝演じる若き詩人ペンギンや、永瀬正敏扮する昼は郵便配達員、夜は彫師である鷹巣と奇妙な関係を築く女性として、“曲者”相手に堂々たる受けと攻めの芝居を見せる。その存在感と、けれんみのない立ち振る舞いは、とても映画初出演とは思えない。

 さらに、三池崇史監督が東映とタッグを組みオリジナルで挑んだ映画『初恋』でも、親に借金を背負わされヤクザに追われる少女・モニカを、3000人にも及ぶオーディションのなかから勝ち得た。三池監督は、彼女がオーディション会場に姿を見せた瞬間に“この子だと思った”と話していたが、劇中では、三池監督お得意のハードなバイオレンスが展開するなか、“初恋”というタイトルの大きな役割を担う“甘酸っぱさ”を、とても繊細にリアリティを持って演じ切った。

 『ファンシー』『初恋』のどちらも、いまもっとも脂の乗っている俳優・窪田と共演している点も、小西自身の演技を見比べるという意味で、非常に興味深い。どちらもリアリティとはかけ離れている女の子を演じているだけに、両作品を続けて観れば、小西という女優の魅力が垣間見えるだろう。

森七菜南沙良山田杏奈恒松祐里らも注目

 『天気の子』でヒロイン・天野陽菜の声を担当したのをはじめ、『東京喰種トーキョーグール【S】』、『最初の晩餐』、『地獄少女』などの映画、さらにドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』、『少年寅次郎』など、すでに2019年から出演作が続く森七菜も2020年、さらなる活躍が見込める。

 1月17日公開の岩井俊二監督最新作『ラストレター』では、松たか子演じる遠野裕里の高校時代、さらに裕里の娘である岸辺野颯香の二役を演じている。岩井監督といえば、女優を美しくフィルムに焼き付けることに定評のある監督。『ラストレター』でも、従姉である鮎美(広瀬すず)とひと夏を過ごすシーンが、幻想的な映像とともに活写され、素材としての魅力が存分に映し出されている。岩井監督や『天気の子』の新海誠監督が絶賛する逸材。多くのスターを輩出している全国高校サッカー選手権の15代目応援マネージャーに就任するなど、タレント性も十分だ。

 そのほか、作家性の強い監督作品への出演が続く南沙良、初主演映画『ミスミソウ』(2018年)で衝撃的な役柄を演じ、その後も出演作を重ね、2020年は1月からスタートする関テレ・フジテレビ系火曜ドラマ「10の秘密」で、向井理演じる白河圭太の娘・瞳を演じる山田杏奈、すでに数多くの映画やドラマに出演し、2020年1月から放送のテレビ朝日系連続ドラマ「女子高生の無駄づかい」では、アニメや漫画を愛するツッコミ系腐女子「ヲタ」を演じる恒松祐里らも、演技力は高く評価されており、今年さらなる飛躍が見込める。

のんが実写劇場映画に復活

 最後に、若手と呼ぶにはキャリアも実績も豊富であり、今回のカテゴリーには入る女優ではないが、2014年12月に公開された『海月姫』以来、約5年3ヶ月ぶりの劇場公開実写映画『星屑の町』(3月6日公開)に出演するのんにも触れたい。声を担当した『この世界の片隅に』(2016年)、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(2019年)などで映画祭や映画賞への参加はあったが、劇場公開する実写映画に出演するのは久しぶりだ。

 本作でのんは、歌手を目指して東京に行ったものの、夢破れ出戻った東北の田舎町に住む女性・愛を演じている。劇中では、夢を捨てきれず、田舎町にツアーにやって来たロートルバンドに加わりたいと東北弁で直訴し、ギター片手に昭和歌謡を吹き替えなしで歌い上げるなど、表現者としてのポテンシャルの高さをスクリーンで存分に見せてくれる。

 “創作あーちすと”として、さまざまな活動を繰り広げるのんだが、大きなスクリーンでその姿を見たいというファンは多いはずだ。本作をきっかけに、またいろいろな作品でのんの姿が見られることを期待する。(文・磯部正和)

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