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ポケモン23年貫く設定、開発の苦労尽きず 最初の選択“くさ・ほのお・みず”与える難易度

 11月15日に発売される人気ゲーム『ポケットモンスター』シリーズの最新作『ポケットモンスター ソード・シールド』(公式略称:ポケモン剣盾 Nintendo Switchソフト)の国内最速メディアプレビュー会が先日、都内で開催。同シリーズを長く手がけるゲームフリーク社の増田順一氏、大森滋氏が登壇し、ゲームでお馴染みのプレイヤーが最初に選べる3匹のポケモンのタイプ(くさ・ほのお・みず)を『ポケットモンスター 赤・緑』から20年以上変更しない理由と、それに伴い起きた問題と苦悩について明かした。

『ポケットモンスター ソード・シールド』の最初に選べる3匹(左から)サルノリ、ヒバニー、メッソン

『ポケットモンスター ソード・シールド』の最初に選べる3匹(左から)サルノリ、ヒバニー、メッソン

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 同シリーズは1996年に1作目『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されると、子どもたちの間で人気を博し、その後アニメ、漫画、カードゲームなど、さまざまなメディアミックス展開がされ、世界中でヒットしている人気作。その完全新作となる『剣盾』は、シリーズとして8作目の完全新作となる。(※リメイク版などは除く)その先行体験会は1時間ほどだったが、筆者はプレイヤーとなる主人公の住む町から、シリーズでお馴染みの3匹の中から最初のパートナーポケモンを1匹選び、2番道路まで冒険を進めた。

 新作で登場するパートナーのポケモンは、くさタイプのサルノリ、ほのおタイプのヒバニー、みずタイプでのメッソン。1作目に当てはめるとフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメで、この「くさ・ほのお・みず」タイプのポケモンの中から1匹を選び冒険に出るストーリーは、ファンの間では言うまでもなく当たり前で、20年以上変わっていない。

 1作目からプレイしている筆者は毎回、新作が出る度に“ほのお”タイプを選択しているため、先行体験会ではヒバニーを選択。ポケモン好きな女優・足立梨花も昨年、ポケモン関連のイベントで「(最初に選ぶのは)みずタイプです。『ポケットモンスター ピカチュウ』からやってきて、ゼニガメ、ワニノコと選んできました。最後まで育ててパーティーメンバーに入れます」とこだわりを明かすなど、ファンの間ではこの変わらない「くさ・ほのお・みず」タイプの選び方を一種の楽しみにしている。

 変わらない部分のおかげで毎回、安心して楽しむことができるが、『ポケットモンスター』シリーズでは新作の度に多くの新システムを導入している。『ポケットモンスター サン・ムーン』ではポケモンが使う通常のわざを強力にした決め技ような「Zワザ」が大きな目玉だったが、今回の新作は「ダイマックス」が目玉。

 これはゲームの舞台となるガラル地方の特定の場所でのみ発生する、ポケモンたちが巨大化する現象。すべてのポケモンに起こりうるもので、ダイマックスしたポケモンたちは強大な力を手に入れることができ、今作のポケモンバトルにおいて重要な要素になる。 最初に選べる「くさ・ほのお・みず」タイプのポケモンのような変わらない部分と、「Zワザ」「ダイマックス」のような新しい試みをして両立させている『ポケモン』シリーズ。両立は長期タイトルのゲームでは普通なことかもしれない。ただ、新システム導入はマンネリ化を防ぐ意味があると理解できるが、最初に選べる「くさ・ほのお・みず」タイプの固定はなぜだろう?と先行体験中にフッと思った。現在、発見されているポケモンの総数は809種類で、タイプは18種類もあるのだから、色んなタイプを組み合わせた新ポケモンを最初に選択することも可能だからだ。

 この疑問について増田氏は「くさ・ほのお・みずという関係性は『じゃんけん』みたいでシンプルにわかりやすい。ほのおはみずで消せるからみずタイプの方が強い、ほのおはくさを燃やせるからほのおタイプが強いなどなど…」と説明。しかし、序盤に物語とゲームの“核”となるこうした変えない部分があるからこそ問題点も起きるそうで「難しい部分は正直あります。どのシリーズにおいても『最初のジムバトルはどのタイプで統一するのか、どのポケモンで戦わせるのか』など、新鮮味含めて結構、苦労している部分があります」と貫く方針がゲーム全体の難易度に影響を与えていると明かした。

 難易度の例としては1作目の『赤・緑』に例えるとほのおタイプのヒトカゲを選んだ場合、最初のジムバトルでは相手がいわタイプなためほのおタイプの技でダメージが与えづらく、「新規プレイヤーはヒトカゲを選んだら苦労する」「いわタイプに弱点を突けるくさタイプのフシギダネ、みずタイプのゼニガメが有利」と言われてきた。

 そんな背景もありながら、最初の3匹「くさ・ほのお・みず」タイプの中から選び冒険に出る部分を変えないのは「昔から遊んでいるプレイヤーだけでなく、新規プレイヤーが始めても理解しやすいのは、ゲームにおいて重要な部分ですので変えないのです」と長年応援してくれるプレイヤーの満足度と新規プレイヤーの理解度を突き詰めた結果だと話した。

(c)2019 Pokemon. (c)1995-2019 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.

関連写真

  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』の最初に選べる3匹(左から)サルノリ、ヒバニー、メッソン
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会に登場した(左から)大森滋氏、増田順一氏
  • 11月15日に発売される『ポケットモンスター ソード・シールド』のパッケージ
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』のビジュアル
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会の様子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会の様子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会の様子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会の様子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会の様子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会の様子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会の様子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会の様子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会の様子 (C)ORICON NewS inc.
  • 『ポケットモンスター ソード・シールド』国内最速メディアプレビュー会の様子 (C)ORICON NewS inc.

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