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【いだてん】中村獅童、主人公の兄・実次に重なる“父”の姿

 NHKで放送中の大河ドラマ『いだてん』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)に、主人公・金栗四三(中村勘九郎)の兄、金栗実次(かなくり・さねつぐ)役で出演中の中村獅童宮藤官九郎の書く脚本は「毎回、読むのが楽しみ」で、「初読で感じたことを大切にやらせていただいているんですが、実次の出番を追っていくと、自分の父親のことを思い浮かべてしてしまう」と、胸の内を明かす。

 獅童の父は元歌舞伎役者の初代中村獅童(本名:小川三喜雄)。先輩役者から弟の芸をなじられて腹に据えかね、被っていたかつらを投げつけて、歌舞伎役者を辞めた、という武勇伝の持ち主で、舞台を退いた後は、銀行員を経て東映プロデューサーとして、弟の萬屋錦之介と中村嘉葎雄をバックアップした。

 「脚本を読んでいて、実次って誰かににているな、と思ったら『あ、うちの親父だ』って。弟思いという部分で、僕の父と実次は似ているところがあるんです。昔気質で、駅でマナーの悪い人を見かけると注意するような人だった。それで、逆にぶん殴られて帰ってくる(笑)。真っ直ぐで、何も間違ったことはしないけど、たまに暴走して、はたから見ていると面白い、そんなところが実次と似ているな、思います」

 本作の実次は、病弱な父親に代わり、金栗家を支える大黒柱。四三に大きな期待を寄せ、家計が苦しかったにも関わらず、東京に進学させたり、ストックホルムへの渡航費を工面したり。四三にとって兄であり父親のような存在。頑固で厳しいが、思い込みが激しい一面もあり暴走することもある。

 「実次は周りから『田舎者で声がでかい』と言われている、と脚本にあったので、とにかくでかい声で演じているんですが、僕の父も超声がでかかったんですよ(笑)」。

 獅童が歌舞伎役者になりたい、と父親に告げた時、「やりたいなら、やりなさい。でも、廃業した自分には手助けすることはできない、とはっきり言われました。初舞台も観にこなかったし、その後も観に来たことがなかったんじゃないかな。それが、僕が30歳をすぎて、新春浅草歌舞伎で初めて主役をやらせてもらった舞台の初日、幕が開いたらいきなりどでかい拍手の音がしたんです。まだ、何もやってないんだけどなぁと思って客席を見たら、父でした。後から聞いて知ったことなんですが、父は何もできないと言っていたけれど、実は陰で心配して、いろんな人に頭を下げてくれていた。実次の姿に重なりますよね。重ねるつもりはないんだけど、脚本を読んでいると、父の顔が浮かぶんですよ」。

 脚本を担当する宮藤とは因縁が深い。「自分の役者人生の転機になった作品だと思っているのが、映画『ピンポン』(2002年、曽利文彦監督)。オーディションでつかんだ役で、宮藤さんの脚本でした。それから、『木更津キャッツアイ』(TBS)、映画『アイデン&ティティ』(03年、田口トモロヲ監督)にも出させてもらって。市川海老蔵さんと共演した六本木歌舞伎の第1弾『地球投五郎宇宙荒事』(演出:三池崇史)も宮藤さんの脚本。たくさん、お世話になっています。宮藤さんの脚本は、官九郎節とも言えるテンポの良さと、クスっと笑えるんだけど、泣けるところに魅力を感じます」。

 『いだてん』は、同じ歌舞伎界の中村勘九郎が主役の大河ドラマでもある。獅童と勘九郎は、若い頃から切磋琢磨した間柄だ。今回、大河ドラマで兄弟役を演じる、というめぐり合わせに感慨もひとしおである。

 「勘三郎兄さん(勘九郎の父)には子どものようにかわいがっていただいて、勘九郎さんと一緒に叱られもしました。勘九郎さんが大河ドラマの主役を務めるにあたって、少しでも力になれたら、という思いと、勘三郎兄さんへの思いがあります。勘九郎さんと映像作品で兄弟役ができるのが、本当にうれしいです」。

 第2回では、上京する四三が乗った列車を実次が鼻水垂らしながら追いかけるシーンが話題になったが、「どうでもいいことだけど、あの鼻水が本物なのか、偽物なのか、そこが気になったみたいですが、本物ですから。一発OK」と冗談めかしつつ、“いだてん愛”も熱弁した。

 「役者は常に何かにチャレンジしていたいし、もの作りをする人もそうだと思う。大河ドラマという長い歴史の中で、『いだてん』は一つの挑戦だと思うんです。挑戦の先には賛否両論あるわけで、『斬新でいい』という方がいらっしゃれば、『大河らしくない』という方もいらっしゃる。そういう賛否両論が生まれるところに向かっている。チャレンジしている作品にめぐり合えたことは、喜ばしいことだと、僕は思っています」。

関連写真

  • 大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』(NHK)主人公・金栗四三(中村勘九郎)の兄・実次役で出演する中村獅童(C)NHK
  • めいいっぱいおしゃれして上京してきた実次(C)NHK
  • 浅草を歩く四三(中村勘九郎)と実次(中村獅童)(C)NHK

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