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放送作家・オークラ氏、ネット配信番組は“劇場型”へ 「見たい人がお金を払ってくれる」

 人気放送作家のオークラ氏が初監督を務めたお笑いトリオ・東京03主演のHuluドラマ『漫画みたいにいかない。』(全10話)の配信が31日にスタートした。“3人目のバナナマン”との異名を持ち、作家業界では知らない人はいないとまで言われるオークラ氏にORICON NEWSがインタビューを行い、東京03との関係や今後のネット配信番組の展望などを聞いた。

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■初監督作は盟友・東京03との“シットコム”「照れくさくて言えないことをせりふに」

 漫画の制作事務所を舞台に巻き起こる“人生の悲劇と喜劇”を描き、東京03のほか、三代目 J Soul Brothers山下健二郎、若手女優の注目株・山本舞香が出演。根拠もないのに“ビックになるんだ!”と漫画家を目指したが、ヒットを一つも作れず、うだつのあがらない毎日を過ごす中年漫画家・戸塚オサム(角田晃広)、オサムのちょっとビッチ(?)でワケありの一人娘・るみ(山本)、一緒に暮らすギリギリゆとり世代じゃないアシスタント・荒巻弘彦(山下)、オサムの担当編集者・足立徹(豊本明長)、幼なじみで毎日出前をとる定食屋の店主・鳥飼昭雄(飯塚悟志)が織りなすシットコム(シチュエーション・コメディー)となっている。

「画面上にすごくいろんな情報が載せてあります。黒板とかも、よく見ると変わっている。(劇中の漫画)『中間管理大帝ツトム』のプロットが書いてあったり。何回も見られるようにしています。お酒の名前とか小物も漫画のタイトルをモジっていたり。エンドロールに出てくる漫画も毎回、違います。いろんな遊びが散りばめられていますので、3度ぐらいは見ることができると思います」とオークラ氏は見どころを語った。

 オークラ氏にとって本作が初監督作品。何本もシットコムを手がけているがオファーの感想は意外なものだった。「撮ってくれと来たときは、ちょっとめんどくさいなとも思ったんです(笑)」。撮影期間は1ヶ月と超ハードスケジュールが予想され、二の足を踏んだが「せっかくならやってみようかなと思った。好きにしていいとも言われたので」と承諾した。

 タッグを組むのは長年の付き合いがある東京03。「今回はいつものシットコムよりも東京03に近い感じにした」と本人に合わせた配役になっている。そして、こだわったのがせりふだ。「芸人だと照れくさくて言えないようなことを、せりふにした。いい年こいているんだから、ちょっとずつ言っていかないと、いろんなものに重みも出てこないんじゃないかと思って意識しました」。

■共演陣のキャラも予想以上の進化「バツグンにいい」

 重みのあるキャクターにするためセットも豪華に。結果、普段は“負け組感”のある東京03の3人が華麗なる変身を遂げた。「ファンタジーにしようと思ったんです。服もリアリティーのない服にした。そういう世界観の中で03っぽい、しみったれた会話をしたら面白いと思ったんです」。長回しや正面からのカットを多用することで舞台感を演出している。「シットコムをやっているからには生感が大事。ブロックで区切ってもグルーブ感が出ない。僕が得意なフィールドに付き合ってもらった。みなさん、大変だと言ってましたけど聞こえないふりをしてました(笑)」と意図を説明した。

 脇を固める共演陣のキャラも、どんどん“進化”した。山下自身が「話を追うごとに、荒巻というキャラにはまってしまい、入り込んでしまいました」と話すように役に没頭して新たな設定がどんどん増えていったという。山下と初仕事だったオークラ氏は「三代目というのがあったので、正直かっこいいことを振りにしてやるのが一番だと思った。でも、顔合わせと本読みをしたときに、ちょっと抜けている風なのかなって思った。4話、5話ぐらいから、だんだんキャラが定着して書きやすくなりました。逆に三代目というのを忘れるぐらい。この前、ライブを観に行って、こんなかっこよかったんだってびっくりしちゃいました(笑)」。

 山本に対しては「JRスキーのCMのころから、かわいい子いるなと思っていた。何年か前のバラエティーで一緒になって印象もよかったんです。他の映画とかだと、ちょっと気が強いぐらいでピュアな感じ。おれがやるときは、バカヤローな感じにしたかったんです」と起用の理由を説明。「それに、どう反応するのかと思ったら、思いのほかノリノリでやってくれた。バツグンにいいんですよね」と大正解だったことを振り返った。

 一方で古くから付き合いのある東京03とは同志のような関係という。初めて会ったのは20代前半。よくいう“尖っていた”時代だった。「今と印象はめちゃめちゃ変わってます。僕が人力舎に入ったのが1997年。そのときに(飯塚と豊本のコンビ)アルファルファがいた。アンジャッシュとかアンタッチャブルは出たてで、ライブシーンでは絶大な人気を誇りはじめていた頃。アルファルファは少し遅れて、ちょっと飯塚さんが腐っていた。僕はアンタッチャブルと仲良かったんで、初めて会ったときに、ちょっとケンカを売られました(笑)。最初の印象は最悪でしたね」と懐かしむ。ただ、その後、「豊本の方は仲良かったんです。だんだん(飯塚とも)仲良くなって語り合うようになり、そこから6年ぐらいして03になるんですけど、同志みたいな存在ですね」と明かした。

■ネット配信番組ができたことは転機「Huluという存在はありがたいですね」

 『漫画みたいにいかない。』のようなシットコムを「隙あらばやってやろうと思っていた」とオークラ氏は語る。テレビでのコント番組がどんどん減る一方でネット配信によるシットコムの需要は高まっている。映画『銀魂』で知られる福田雄一監督による『ニーチェ先生』やバカリズムが手がけた『住住』などヒット作も次々と誕生した。そんな現状について「今はHuluとかができたおかげで、少しやりやすい土壌ができている」と分析する。

 そんなシットコムについて「正直、テレビではやらせてくれないでしょうね」と話すがテレビの可能性は否定しない。「よくテレビがつまらなくなったって言われている。
でも、お笑い要素が強い番組をやらなくなっただけでテレビがつまらなくなったとは思わない。テレビ局も企業である以上、数字を取らなきゃいけない。日本でテレビを見る人口が一番多いのはいわゆるF3(50歳以上の女性)、M3(50歳以上の男性)層。そうなると、そこを目指して作らざるを得ない。そこが一番求めている情報を見せながら、笑いのテクニックやVTRで面白がらせるという部分では昔より全然、レベルは高くなっている」。

 現在は笑いの部分に関してネット配信が視聴者が見たい映像を補完する役割を果たすようになった。「テレビでは『今から僕たちの笑いを見てください』というエンターテインメントがなかなか受け入れられない。その分、配信では『エンターテイメントをやりますから見たい人は見に来て下さい、だからお金を払ってください』という映像の形を取りながら実は劇場に近いものになってきている。よりオリジナリティーを出して、映像作品にすれば見たい人がちゃんとお金を払ってくれるというものになっている。ちょっと違う戦い方になってきたのかな」と話し、「そういう意味でHuluという存在はありがたいですね」と語った。

 『漫画みたいにいかない。』は現在、お笑い界で旋風を巻き起こしている“メタ”に走らない笑いを求めている。「オールドタイプのストロングスタイルですね」。そんな現場を楽しんでおり「この座組で、あと何話も書けそうだなって思いました。やらせてくれるなら限界までやりたい」と続編に意欲をみせた。

 来春には舞台化も決定しており、同シリーズへの期待は膨らむばかりだ。

関連写真

  • ネット配信番組の今後を語ったオークラ氏 (C)ORICON NewS inc.
  • Huluドラマ『漫画みたいにいかない。』に主演する東京03の角田晃広 (C)漫画みたいにいかない。製作委員会
  • Huluドラマ『漫画みたいにいかない。』のメイキングシーン (C)漫画みたいにいかない。製作委員会
  • ネット配信番組の今後を語ったオークラ氏 (C)ORICON NewS inc.
  • Huluドラマ『漫画みたいにいかない。』の1話イメージカット (C)漫画みたいにいかない。製作委員会
  • Huluドラマ『漫画みたいにいかない。』のメイキングシーン (C)漫画みたいにいかない。製作委員会
  • Huluドラマ『漫画みたいにいかない。』のメイキングシーン (C)漫画みたいにいかない。製作委員会
  • Huluドラマ『漫画みたいにいかない。』のメイキングシーン (C)漫画みたいにいかない。製作委員会

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