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動物写真家・岩合光昭が教える「猫に嫌われないコツ」とは?

 動物写真家・岩合光昭が、世界中の猫を撮影する人気番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』(NHK BSプレミアム)。10月21には、『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち』が公開する。動物を相手にするだけに苦労は多いが、心を動かされることも多いという。岩合氏はどのように猫と向き合ってきたのか? 空前の猫ブームである昨今、一般の人でも参考にできる猫撮影の心構えを語った。

◆目標の一つは、猫を主人公にした劇映画を作ること

――映画になると決まった時はどんなお気持ちでしたか?
【岩合光昭】僕自身、いつか映画をやりたいとずっと思っていたので、単純に嬉しかったですね。“映画監督”って、男の子の夢ですから(笑)。僕の目標の一つは、ドキュメンタリーではなく、猫を主人公にした劇映画を作ることなんです。

――今回の映画も、長期に渡って取材している分、とてもドラマティックで季節感も感じられて、見応えがありました。
【岩合光昭】映画は時間が長く、既存の映像をただくっつけただけではつまらないので、番組で人気の高かった“津軽の四季”というシリーズのコトラとその家族を軸にして、この夏に追撮もしました。それだけでなく、これまでに登場した素晴らしいキャラクターの海外猫たちにも再登場してもらい、どなたにも楽しんで頂ける作品になったと思っています。

◆カメラは絶対猫の視点、ズームを使わないこと

――観る側もコトラ一家を家族のように身近に思えるだけでなく、すごくゆったりとした気持ちにもなれます。
【岩合光昭】ありがとうございます。それはすごく大切なことです。今回の映画では、命の繋がりを描きたかった。僕はBSの番組でも、“命の大切さ”を感じ取ってもらえたらと、いつも思っているんです。あとは、猫の味方を1人でも増やしたいという思いがあります。それと、せっかくなら猫自身にも観てほしい。飼い主さんは寝ていてもいいから(笑)。

――猫がNHK BSの『世界ネコ歩き』を観ている動画が話題になりましたが、作り手側にもそんな思惑があったとは。
【岩合光昭】 『世界ネコ歩き』が始まったとき猫の視点になって動画を撮ることにはこだわりました。カメラは絶対猫の視点、それは譲れなかった。あとは、ズームを使わないことも決めていました。とにかく、不自然な撮り方をしないよう心がけた。だから、映画を撮るように、猫がここを歩くだろうなという場所にレールを敷いたり、高い所の猫目線にも対応できるようクレーンを持っていったり。映画的に撮る工夫はしていました。

◆「猫様、写真を撮らせていただけますでしょうか」

――今は猫ブームで、一般の人もスマホなどで撮影する機会が増えました。上手く撮りたいと考える人も多いと思うんですが、岩合さんの考える猫に愛されるコツは?
【岩合光昭】僕が言えるのは、愛されるコツではなく、“嫌われないコツ”ですね。まず、自分の要求を考えないことです。写真を撮るとき、つい「こういう写真を撮りたい」とか「可愛い仕草を撮りたい」と思ってしまう。でも、それは猫の意志じゃない。撮る方の意志なんです。どこの国だったか、猫と10何年一緒に暮らしている人が、「猫を一度も抱いたことがない」と言っていました。「どうしてですか?」と聞くと、「猫の意志を確認したら、私は抱かれたくないと猫が言ったから」と(笑)。でも、それこそがその猫とその飼い主さんとの、とても親密で、自然な関係性だと思うのです。

――猫の意志を尊重することが大事なんですね。
【岩合光昭】はい、僕もいつも、撮影のとき、「猫様、写真を撮らせていただけますでしょうか」と猫の機嫌と様子を伺います。

――岩合さんは、いろんな動物を撮影されていますが、なぜ、そこまで猫に惹かれるんでしょうか。
【岩合光昭】猫の最大の魅力は、“わからない”ところにあるんじゃないでしょうか。これだけ長い間、毎日猫を撮影していても、「あれ? 猫ってこんなことしたっけ?」と思うことが多々ある(笑)。たとえば、ある人のことを好きになったら、もっともっと知りたいと思う。そんな男女関係にも似たところがあると思います。
(文:菊地陽子)



関連写真

  • 動物写真家・岩合光昭氏 (C)oricon ME inc.
  • 『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち』場面写真(C)Mitsuaki Iwago
  • 『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち』場面写真(C)Iwago Photographic Office

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