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矢口史靖監督、ロボットとじいさんの先に見えたもの

 もし、「ロボットの中に人間が入っていたら?」そんな発想から生まれた矢口史靖監督最新作『ロボジー』(1月14日公開)。『ウォーターボーイズ』では男性のシンクロを、『ハッピーフライト』で航空業界の裏側を描いてきた矢口監督が新作のテーマに選んだのは、“ロボットとじいさん”の組み合わせ。全く親和性のない2つが融合したとき、どのような化学反応がおきるのだろうか。

矢口史靖監督 (C)ORICON DD inc 

矢口史靖監督 (C)ORICON DD inc 

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 ロボットアニメ全盛期に育ちながらも「どこか遠いSFの話」と感じていた矢口監督がロボットに魅了されたのは、1996年に発表された世界初の人間型自律2足歩行ロボット『P2』(Honda)に出会ったとき。「地球に宇宙人がやってきて『こんにちは』って言ったくらいの衝撃だったんです」と語るほどの強烈な印象にもかかわらず、最初は映画と結びつけることを考えなかったという。

 そんな矢口監督に新たなインスピレーションを与えてくれたのが、『P2』の後継機種『ASIMO』。人間の子供のような独特の動きに「いっそ人間が入ってもバレないんじゃないか?」と感じた矢口監督は、中に入る人間をロボットとはものすごくかけ離れた“おじいさん”に設定し最初のストーリーを書き上げた。

 作品の中で架空のオーディションに合格し、めでたくロボットに入ることになったのは73歳の鈴木重光。遠くに住む家族からは煙たがられ、近所の老人会にも馴染めず浮いた存在だった鈴木が、制作途中で壊れてしまったロボット“ニュー潮風”に入ることで一躍人気者へと駆け上がっていく。偏屈な老人を主人公にしたのは「物語のスタート時には嫌われていても、気が付いたらその人のことが好きになっている。そんなストーリーを書くことができたらおもしろいだろう」と思ったからだという。

 観客の気持ちの動きと同様に、徐々に変化していくのがロボット開発に携わる木村電器の3人と老人の関係。最初は、ウソの企画で雇われた“かわいそうなじいさん”だったのに、ウソの企画がバレた途端に立場が逆転。“憎たらしいクソじじい”へと変貌していく。「だからこそ、あの3人は勉強しなくちゃいけないですし、いろいろ頑張らなきゃいけないんです」と語るように、じいさんに頼らぬように必死でロボットの勉強を始める3人。そんな彼らを横目で見ながら変わらぬ態度を取り続ける鈴木の姿には、どこか寂しさも感じさせる。

 この作品を「ロボットをモチーフにした人間の物語」と矢口監督が表現するように、そこに描かれているのは人と人のつながりの大切さ。「鈴木だって嫌われたくてああしているわけじゃないんですよ」と笑顔で語りながら、「だってしょうがないでしょう。いつのまにかこんなに年取ってしまって、子供たちとの距離の縮め方なんてわからないんだから、自分らしく振舞うしかないだろう」と鈴木の気持ちを代弁する姿には、登場人物への深い愛情を感じる。

 感情表現の下手なじいさんと表情はないけれど人間らしさあふれるロボット“ニュー潮風”。この2つが結びついたとき、誰もが想像できないような愛と友情が生まれるのかもしれない。

関連写真

  • 矢口史靖監督 (C)ORICON DD inc 
  • 映画『ロボジー』より (C)2012 フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャー�; 
  • (C)2012 フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャー�; 

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