【ネット動画トレンド】画一的なブームがなくなり、分散・多様化する人気コンテンツ
流行コンテンツの追随から唯一無二のオリジナル志向へ
「以前は、そのときどきの“これが流行しているんだ”という動画が、一過性のコンテンツとして視聴されていましたが、今はクリエイターに紐付いたファンが多く、チャンネル登録をしてそのコンテンツを追いかける人が増えました」。1つの流行ネタがYouTuber全体に広がっていく時代は過ぎ去り、ここ2年ほどは、各チャンネル、各クリエイターの個性が際立ってきているとする。
「1人が10分観るのと、100人が10秒しか観ていないのだったら、断然前者の方がコンテンツとして魅力的だと思います。それぞれのクリエイターの個性、彼らならではのおもしろさに視聴者がついてくるようになったのが、昨今のネット動画のトレンドであり、特徴です」
鎌田氏は「あくまでも僕個人の肌感ですが」と前置きしつつ、「TikTokが950万、Instagram、Facebookが3000万、YouTubeが6000万ほどのユーザーがいると考えているのですが、そうすると日本人の大半がYouTubeを観ていることになります」と鎌田氏。すでに国内で定着しているメディアであり、それが意味するのは「ここからユーザー数が大きく伸びることはないかもしれない。一方で、ユーザー個々の視聴時間は格段に伸びています。それによって、今は1つのチャンネルユーザーで100万再生オーバーの動画が多く出てきて、1つひとつの動画が“ブーム級”であると言えます」と分析する。
視聴者数、視聴時間の伸びからニッチな動画に広がるチャンス
鎌田氏がスタートさせた『UUUMゴルフ』についても「設立は昨年ですが、当初の計画より順調に伸びています。「釣りよかでしょう。」の「よーらい」がシングルプレイヤーを目指す動画など、人気コンテンツも増えています」と語る。「ひと昔前は、ニッチなジャンルはケガをする可能性も高かったかもしれないけど、今はあらゆるジャンルの動画にチャンスが広がっています」と、今後さらにYouTuberおよび動画コンテンツはニッチなジャンルに広がっていき、その多様化された動画のなかから、思いもよらぬ人気動画が生まれてくる可能性を示唆する。
(文/中村梢)