樹木希林さんの言葉はなぜ女性の心を捉えるのか?名言集2作が同時ベストセラーに
40代から60代の女性に口コミで話題が拡散
『一切なりゆき〜』を手がけた文藝春秋 ノンフィクション編集局 文春新書担当編集委員室の石橋俊澄氏は、「初版は5万部でしたが、新書でこれだけの初版部数はあまりないことでしたので、当初こそハラハラしましたが、発売前に重版がかかり、安心すると同時に、希林さんは、日本人にとってどうしても気になる存在なんだと改めて思いましたね」と、発売後の反響の大きさを語る。実際、読者からは同書を出版したことに対する感謝の手紙なども届いているという。
遺した言葉どおりに生き抜いた。だからこそ人々に強烈な印象を残している
「人って欲にまみれているのですが、希林さんにはまったく欲がない。その達観した境地に対してある種の憧れがあるんだと思います。新聞広告などでも打ち出していますが、まさに“人生の達人”。そして書名にも入れましたが、希林さんの言葉からは、一切なりゆきに任して生きてみるのもいいのかな、という思いにも至ります。さらに『死』というものもわかっていた。不治の病だったわけだけど、そのうえで“一切なりゆき”という言葉がでてくる。言行一致というか、そのうえでああいう風に生きたというのは、すごい説得力です。だからこそ人々に強烈な印象を残しているんだと思います」(石橋氏)