「自力整体」とは、整体や鍼灸の技法を自分自身におこなうセルフケア。全国で約1万5000人が実践し、「ぐっすり眠れるようになった」「慢性的な痛みがラクになった」といった声が数多く寄せられています。
新刊『すっきり自力整体』では、東洋医学の考え方をベースに、体にたまった老廃物を流し、痛みや不調を根本から整える方法をご紹介しています。
今回はその中から、「寒い夜に目が覚めてしまう」「夜中のトイレで睡眠が途切れる」といった悩みを手軽に改善する、寝る前のワークを抜粋してお届けします。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗 構成:依田則子
夜中にトイレで起きなくなった生徒さんが続出
私は生徒さんに、
「自力整体は、できれば夜におこなってくださいね」
とお伝えしています。
理由はとてもシンプル。
自力整体は、こわばった筋肉や関節をゆるめ、全身をふわっと脱力させ、自然な眠気を引き出してくれるからです。
レッスン中にあくびが止まらなくなったり、気づいたらウトウトしてしまう方もめずらしくありません。
なかでも中高年世代の方に多いのが、
「夜中にトイレで起きる回数が減った」
という感想です。
夜中に何度も目が覚めるのは「自律神経の切り替え不良」かも?
私たちの体には、眠っている間、尿意を抑えるために「抗利尿ホルモン」が分泌される仕組みがあります。
ところがこのホルモンは、深く眠れているときにこそ、しっかり働くもの。
眠りが浅いと分泌が不十分になり、夜中に尿意を感じやすくなってしまいます。
もちろん、夜間頻尿の原因は年齢や体質、生活習慣などさまざまです。
では、熟睡できるかどうかを左右するものは何でしょうか。
そのカギを握っているのが、自律神経です。
自律神経には、
・活動モードの「交感神経」
・休息モードの「副交感神経」
があります。
本来は、日中は交感神経、夜は副交感神経が優位になるのが理想的なリズム。
しかし、
・寝つけない
・眠りが浅い
・夜中に何度も目が覚める
こうした不調がある人は、この切り替えがうまくいっていない可能性があります。
寝る前に体をゆるめると、副交感神経が自然に働く
そこでおすすめなのが、「自力整体」でおこなう経絡(けいらく)ほぐしです。
気や血の通り道である経絡をやさしく刺激し、全身のめぐりを整えるワーク。
寝る前におこなうと体の緊張がほぐれ、自然と副交感神経が優位になり、心も体も「休息モード」へと切り替わっていきます。
不眠も不安もすっきり解消! 「心包経ほぐし」のワーク
今回は、新刊『すっきり自力整体』で紹介している「20分ショートレッスン」の中から、とくにリラックス効果の高い、心包経(しんぽうけい)をほぐすワークを抜粋してご紹介します。
心包経は、心と深く関わる経絡のひとつ。緊張や不安でこわばった心身をゆるめ、休息モードである副交感神経を優位に導く働きがあります。
お布団の上でおこなえば、体の力がすっと抜け、そのまま自然な眠りへ。
夜中の目覚めや、トイレに起きてしまう夜間覚醒の予防にも役立ちます。
実践方法は、次の画像を参考にしてください(※画像は『すっきり自力整体』より)。
◎心包経(しんぽうけい)
心臓からはじまり、手の中指に下りる経絡。滞ると不眠、うつ、動悸、息切れ、パニック障害などの症状が出やすい
◎「心包経ほぐし」のワーク
【手順1】
◆左手首の内側にある「内関(ないかん)」のツボを、気持ちよい強さで指圧。秒数や回数は決めず、ご自身のペースでOK
※内関のツボ:手首内側のしわから指3本分、2本の腱の間にあるくぼみ。心包経上の重要なツボ
※指圧している手を軽くゆすると、刺激がさらに深まる
【手順2】
◆腕を前に伸ばし、左手の中指を反対の手で下からつかむ。手首を直角に曲げながら、中指をぐーっと反らし、タテ方向に数回ゆらす
※中指に通る心包経が、よりしっかりほぐれていく
【手順3】
◆反対側も同様におこなう
※硬い側は長めにおこなう
時間に余裕のある日は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」で、全身をしっかり整えるのもおすすめです。
※『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。