シンガポール国立大学(NUS)リー・クアンユー公共政策大学院の「アジア地政学プログラム」は、日本や東南アジアで活躍するビジネスリーダーや官僚などが多数参加する超人気講座。同講座を主宰する田村耕太郎氏の最新刊、『君はなぜ学ばないのか?』(ダイヤモンド社)は、その人気講座のエッセンスと精神を凝縮した一冊。私たちは今、世界が大きく変わろうとする歴史的な大転換点に直面しています。激変の時代を生き抜くために不可欠な「学び」とは何か? 本連載では、この激変の時代を楽しく幸せにたくましく生き抜くためのマインドセットと、具体的な学びの内容について、同書から抜粋・編集してお届けします。
アメリカの独立は1776年。その歴史は、東部13州から始まった。
その後、1848年に西部のカリフォルニアで金鉱が見つかり、このゴールドラッシュ(一攫千金を夢見た人が金の採掘に殺到すること/編集部注)が西部開拓の引き金となった。
今でもアメリカで成功している企業や組織のなかには、ゴールドラッシュによって作られたものもある。
それは金そのものを発掘した中心にいた当事者ではなく、ゴールドラッシュの周辺に位置した企業たちだった。
以下がその例である。
1.スタンフォード大学
スタンフォード大学は、シリコンバレーのスタートアップエコシステムの中核にある世界的名門の教育機関だ。この大学ができたきっかけもゴールドラッシュだった。
金を運ぶための大陸横断鉄道で財を成したリーランド・スタンフォードは、早世した息子の名を永遠に残すために、その富を寄付して世界的な大学を創ったのだ。これがスタンフォード大学のはじまりである。
2.リーバイス
金鉱採掘業者にデニムでできた衣料を提供したのがリーバイス(リーバイ・ストラウス)だ。これを契機に世界に新しいファッションとしてジーンズが広まっていった。
3.ウェルズ・ファーゴ
ウェルズ・ファーゴは、金鉱採掘者向けの馬車による輸送と消費者金融を行っていた業者だ。ここもゴールドラッシュを契機に、のちに世界的金融機関として台頭する。
アメリカの名門大学や有名企業は、
ゴールドラッシュがきっかけで誕生した
現在のゴールドラッシュともいわれるAI革命。
これも真のチャンスはAIそのものより、その周辺に位置する意外な存在や会社になるであろう。
今後のAI革命がどうなるかについても、このゴールドラッシュの歴史から学べることはたくさんある。
(本稿は『君はなぜ学ばないのか?』の一部を抜粋・編集したものです)